Q>「フクシマ」から来た子供を避けるのは差別でしたか?
A>いいえ、正当な自己防衛です。
文部科学省が出している「放射線副読本」で、事故直後に「フクシマ」から来た子供を避ける事例が紹介され、これを「差別」と断じています(1)。一方で、事故直後に福島の少女から放射線が出ていることが観測されました(2)。ICRPは被ばくについて「害より便益を大きくすべきである。」と勧告しています(3)。事故直後の話ですが、福島の子供から放射線が出ている以上は、彼らに近づけば「被ばく」リスクを負います。メリットが無ければ「害」だけになり、「害より便益」より大きなリスクを負います。避けるのは正当な自己防衛です。
福島は原発事故によって、汚染されました。

※1(5)(6)にて作成
※2 避難区域・旧避難区域は(7)による
図-1 原発事故から12年を経ても汚染されている福島
図に示す様に、原発事故では東部の一部が避難地域になりました。また、事故から11年以上ですが、ICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(8)を超えた地域が広がっています。
東京電力福島第1原子力発電所で原発で爆発があった日は屋外で遊んでいた、福島県双葉町にいた11歳の少女から放射線が出ているのが観測されました。甲状腺に100ミリシーベルト程度の被曝(ひばく)をした可能性があると試算されていました(2)。少女に近づけば「被ばく」リスクをおいます。
ICRPは
「正当化の原則:放射線被ばくの状況を変化させるいかなる決定も,害より便益を大きくすべきである。」
と勧告しています(2)。ICRPの勧告に従うなら、僅かな被ばくでもメリットが無ければ避けるべきになります。「害より便益」は小さくなります。ICRPの勧告に従うなら、事故直後は「フクシマ」から来た子供を避けるのは正当な自己防衛です。
文部科学省の放射線副読本では原発事故直後に「フクシマ」から福島県外にいった子供の体験として
「さっそくアップとドリブル練習を始めた時だった。友達のパスが大きくそれ、相手チームの方に転がって行ってしまった。ぼくは『すみません!』と、大きな声を出しながら、ボールの方へ走って行った。転がっていったボールは、相手チームの一人にあたり、もう一度『すみませんでした。』といってボールを拾おうとした。その時『お前たち、福島だろ。放射能がうつるからさわんなよ。』とつぶやいたのが聞こえた。」
との記述をしています。まるで、「フクシマ」から来た子供を避ける行為を「差別」としています(1)。
でも、被ばくリスクがある以上は避けるのは当然です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島に対する疑問を「
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A 」にまとめました(8)。よかったら他のQ&Aも見て下さい。
福島原発事故では多くの物が放射能に汚染されました。
以下に福島の冬を代表するくだものであるあんぽ柿(9)の検査結果を示します。

※1(10)を集計
※2 基準値は(11)による。
図-2 福島盆地産あんぽ柿検査結果
図に示すように、毎年のように基準超が見つかっています。事故から12年を経た今も福島では放射能汚染食品が見つかり続けています。「フクシマ」と関わると被ばくリスクを負います。ところが岸田政権は「フクシマ」を忌避する行為を「福島差別」と主張しています(12)。こんな政権では福島の皆様は不安だと思います。
日々の感染予防が大切です。でも、岸田内閣は違います。ウィズコロナを唱え、全国旅行支援を再開しました(2)。こんな内閣では福島の皆さまは不安だと思います。
今年度も、福島県鏡石町の田んぼアートが行われました(13)。同町では1年で4,520トンのお米収穫されます(14)。同町は人口約1.2万人の町なので(15)、町民が食べるには十分な量です。同町辺りのお米はおいしいそうです(16)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(17)。でも、福島県鏡石町スーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ

※(18)を引用
図―3 福島産米が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県鏡石町の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません
―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
放射線副読本(令和3年改訂(令和4年一部修正))(PDF版):文部科学省⇒
中学生・高校生のための放射線副読本 (PDF:9.5MB)(2)
>環境省_国際放射線防護委員会(ICRP)線量被曝か 「...https://www.nikkei.com ? 地域 ? 北海道・東北
(3)
ICRP⇒
日本語 (Japanese)⇒5.6. 放射線防護の諸原則(50p)
(4)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和3年8月31日~10月25日測定) 令和4年03月04日(5)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(6)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(7)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(8)
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A (9)
果物 | JA全農福島(10)
報道発表資料 |厚生労働省(11)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(12)
法務省:震災等の災害に起因する偏見や差別をなくしましょう(13)
かがみいし2022田んぼアート | 鏡石町公式ホームページ[福島県](14)
福島県岩瀬郡[鏡石町]の農作物 | 夏秋きゅうり | 雑穀類, いも類, 米, 野菜, 果物 | 生産/収穫/作付面積 | 福島県と日本の中の順位 | 市町村 | ジャパンクロップス(15)
鏡石町公式ホームページ[福島県](16)
特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ(17)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(18)
鏡石店 – イオンスーパーセンター公式ウェブサイト
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- 2023/02/26(日) 19:54:38|
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