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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

相馬福島道路 全線開通2年、未来は暗い!

 相馬・福島道路は福島県相馬市の相馬インターチェンジ(以下ICと略す)と桑折町の桑折ジャンクション(以下JCTと略す)を結ぶ(1)、高速道路です。2021年4月24日に全線が開通しました(1)。今日(4月24日)で2年になります。お祝いしたいのですが、沿線は
 ・原発事故から12年を経て汚染されたままである。
 ・除染廃棄物の主要輸送ルートであったが、輸送はほぼ終了した。
 ・原発事故後に減少した観光客は回復の見込みがない。
 ・原発事故後に減った一次産業生産額の回復の見込みがない。
 ・沿線では若い女性の脱出が加速し、子供が生まれなくなり、今後に大幅な人口減となる。
との特徴があり、未来は暗そうです。
 相馬・福島道路は福島県相馬市の相馬ICと桑折町の桑折JCTを結ぶ、全長45.7kmの高速道路です(1)。福島県相馬市を起点に山形県を経由し、秋田県横手市で秋田自動車道に接続する総延長約268キロメートル (km) を結ぶ東北中央道の東側の別名です。相馬ICで常磐道に、桑折JCTでは東北道に接続します(2)。東北道と常磐道を結ぶ道路でもあります。このうち、2021年4月24日に霊山ICと伊達桑折ICの間の10.2キロが、開通し(1)、全通しました。今日(4月24日)で2年になります。
 福島県相馬市、伊達市、桑折町および宮城県丸森町を通りますが、丸森町の部分には出口は無く同町の中心部から大きく外れているので、沿線とは言えないと思います。一方で相馬市の南北に位置する南相馬市、新地町は相馬ICから常磐道で繋がっています(1)。福島県桑折町、伊達市、相馬市、南相馬市、新地町が沿線です。以下に示します。
事故から12年を経て汚染されている相馬福島道路沿線  凡例 
 ※1(3)(4)にて作成
 ※2 避難地域は(5)による。
 ※3 相馬・福島道路は(2)による。
 図―1 相馬・福島道路

 図に示すように、旧避難区域ぎりぎりの場所を通り、沿線はICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(8)を超えています。原発事故12年が経過しましたがですが、沿線は汚染されたままです。
 沿線の伊達市や桑折町に広がる福島盆地の特産品にあんぽ柿があります(7)。以下に検査結果を示します。
上昇が続き、基準超も続く福島盆地・あんぽ柿のセシウム
 ※1(8)を集計
 ※2 基準値は(9)による。
 図-2 福島盆地産あんぽ柿検査結果

  図に示すように基準値を超えたあんぽ柿が見つかっています。
 昨年1月に、相馬市沖で捕れたクロソイから基準値(9)の14倍の1キログラム当たり1、400ベクレルのセシウムが見つかりました(10)。
福島産クロソイから基準値の14倍のセシウム検出を報じる福島県のローカルTV局・FTV
 ※(11)を転載
 図-3 福島県相馬沖のクロソイから基準値の14倍のセシウム検出を報じる福島県のローカルTV局・FTV

 相馬福島道路沿線の特産品はセシウム汚染食品です。
 それでも除染が行われました(12)。図ー1,2,3に示すようにそれでも汚染を無くすことはできませんでした。それでも廃棄物がでます。除染で出た廃棄物は「中間貯蔵施設」に送られることになっています(13)。以下に2021年度の除染廃棄物の輸送ルートを示します。
除染廃棄物の主要輸送ルートになった相馬福島道路
 ※(15)にて作成
 図-4 除染廃棄物の輸送ルート(2021年度)

 図に示しように相馬福島道路は除染廃棄物の主要な輸送ルートになっていました。ところが、除染廃棄物の輸送は2021年度でほぼ完了しました(16)。そして、東北中央道は除染廃棄物の輸送ルートから外れました(17)。
 沿線には松川浦等のいくつかの観光地があります(18)。以下に浜通りの観光客入込数を示します。
回復しない相馬福島道路沿線の観光客数
 ※(19)を集計
 図-5 相馬福島道路沿線の観光客入込数

 原発事故後に大幅に落ち込み、今も回復していません。道の駅は「道路施設」であり、主な機能は道路利用者のための「休憩機能」です。いわば高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)と同じ機能です(20)。SAやPAは観光統計にはいっておらず、同様に「道の駅」を観光施設と言えるか疑問です。図に示す様に道の駅を除くと、福島県の観光客入り込み数は大幅に落ち込んだままです。自公政権は相馬福島道路の開通で、観光客増加を期待すると喧伝しました(21)。開通した2021年は図に示しように殆ど増えませんでした。
 沿線の伊達市は、福島を代表する農作物であるモモ、キュウリ、ナシの主要な産地です(22)。相馬市には福島を代表する松川浦漁港があります(23)。以下に沿線の1次産品の生産額を示します。
回復しない相馬福島道路沿線の1次産業
 ※(24)を集計
 図-6 相馬福島道路沿線の一次産業生産額

 図に示すように、原発事故後に大幅に落ち込み、今も回復していません。図-2、3に示すように産物が汚染されています。消費者が避けるのは当然の事です。風評被害ではありません。
 今から5年前の2018年3月に沿線には3,840人の10代後半女性が住んでいました。5年を経て彼女達は20代前半になっています。今(2023年3月)の沿線の20代後半女性は2,510人で(25)、残ったのは65%。このようにして集計した10代後半女性が5年後に残っている割合を以下に示します。 
若い女性が出て行く相馬福島道路沿線
 ※1(25)を集計
 ※2 日付は10代後半時点
 図-7 相馬福島道路沿線の10代後半女性が5年後に残っている割合

 図に示すよにいったんは回復の兆しがあったのですが、再び加速しています。沿線の若い女性の脱出が加速しています。
 若い女性がいなくなくれば子供が生まれなくなります。以下に沿線の各年3月から翌年1月までの1年間の出生数を示します。
減少が続く相馬福島道路沿線の出生数
 ※(25)を各年3月から翌年2月までの1年間で集計
 図-8 相馬福島道路沿線の出生数

 図に示す通りどんどん減っています。数値を記載すると
  事故前1年(2010年3月~11年2月)1,372人(男の子709人、女の子663人)
  事故12年目(2022年3月~23年2月) 757人(男の子378人、女の子397人)
で、45%減っています。

 沿線では若い女性が逃げ出し、子供が生まれなくなり、大幅な人口減少が起きます。福島の女性は大変に綺麗です。何処へ行っても歓迎されます。敢えて汚染されている「フクシマ」に残る必要はありません。
福島の綺麗な女性
※(26)をキャプチャー
 図-9 福島の綺麗な女性

 福島県相馬市の相馬ICと桑折町の桑折CTを結ぶ(1)相馬福島道路が2021年4月25日に全線が開通しました(1)。今日(4月24日)で2年になります。お祝いしたいのですが、沿線は
 ・原発事故から11年を経て汚染されたままである。
 ・除染廃棄物の主要輸送ルートであったが、輸送はほぼ終了した。
 ・原発事故後に減少した観光客は回復の見込みがない。
 ・原発事故後に減った一次産業生産額の回復の見込みがない。
 ・沿線では若い女性の脱出が加速し、子供が生まれなくなり、今後に大幅な人口減となる。
との特徴があり、未来は暗そうです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
「フクシマ産」を避けているには福島の皆様も同じです。 福島を代表する野菜にキュウリがあります(27)。福島ではキュウリの選果作業が始まりました(28)。同市はキュウリの季節です。福島のキュウリはみずみずしい香りでパリッとした歯切れのよいとの事です(29)。福島県は「フクシマ産」の安全を主張しています(30)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(31)を引用
 図-10 福島産キュウリが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 
 (=^・^=)も福島県会津若松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)相馬福島道路 - Wikipedia
(2)>東北中央自動車道 - Wikipedia
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(4)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(5)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(6)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(7)福島盆地 - Wikipedia
(8)報道発表資料 |厚生労働省
(9)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(10)相馬沖クロソイから基準超セシウム 県漁連、出荷自粛 /福島 | 毎日新聞
(11)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月2日発表)―福島産クロソイから1,400(Bq/kg)のセシウム、出荷制限はありません―
(12)除染情報サイト:環境省
(13)中間貯蔵施設の概要|中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(14)除去土壌等の輸送について|中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(15)(14)⇒2021年1月更新版(2021年度を中心とする輸送を対象)⇒本文(25.6MB)
(16)中間貯蔵施設への除染廃棄物搬入ほぼ完了 開始から7年 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
(17)(14)⇒2022年1月更新版(2022年度を中心とする輸送を対象)⇒本文(7.9MB)
(18)見る・知る | 相馬市観光協会オフィシャルサイト
(19)統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(20)道の駅 - Wikipedia
(21)復興庁 | 復興支援道路の「相馬福島道路」 全線開通! (福島県伊達市)【令和3年4月24日】
(22)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(23)松川浦漁港 - Wikipedia
(24)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(25)福島県の推計人口(令和5年3月1日現在) - 福島県ホームページ
(26)福島県内ニュース|KFB福島放送
(27)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(28)トピックス | JA夢みなみ
(29)特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ
(30)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(31)>MEGAドン・キホーテUNY 会津若松店の店舗情報・WEBチラシ|驚安の殿堂 ドン・キホーテ
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  1. 2023/04/24(月) 19:43:02|
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