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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

双葉町、居住者増えず、撚糸工場稼働も効果無し

 昨年8月30日に居住可能地域の避難指示が解除された双葉町(1)の3月末日時点の帰還者は
 対象 6,582人中25人(2)
で、避難指示解除7ヵ月で住民は戻りません。撚糸工場が新たに稼働したのですが(3)、住民が戻る事はありません。
 福島県双葉町は福島県沿岸部中部に位置する町です。福島第一原発が立地しており、原発事故によって汚染され、全域が避難区域となりました(4)。以下に示します。
事故から12年以上過ぎて汚染されている福島    凡例
 ※1(5)(6)にて作成
 ※2 避難区域・旧避難区域は(7)による
 図-1 原発事故から12年を経ても汚染されている福島

 図に示す様に、原発事故では東部の一部が避難地域になりました。また、事故から11年以上ですが、ICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(8)を超えた地域が広がっています。
 福島の避難区域は2013年8月までに放射線量によって低い順に避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の3つに区分されました。2020年3月に双葉町の避難指示解除準備区域(双葉町には居住制限区域は設定されていない)が解除になりました(9)。これで避難指示解除準備区域と居住制限区域と避難指示が解除になり、避難区域は帰還困難区域だけになりました。
 以下に双葉町の津波被災区域を示します。
事故から12年を経て汚染されている大熊町 凡例
 ※1(6)(7)にて作成
 ※2 避難区域は(8)による
 ※3 津波被災区域は(10)による。
 図―2 双葉町の津波被災区域

 図に示すように先行して避難指示が解除された旧避難指示解除準備区域は、津波被災区域に重なり人が住めない地域でした。双葉町は長らく人の居住が禁止された町でした。
 同町の11歳の少女が甲状腺に100ミリシーベルト程度の被曝(ひばく)をした可能性があると試算されていなど(11)、事故直後の被ばくは酷かったと推定されます。
 以下に各年1年間の双葉町の赤ちゃん誕生数を示します。
2016年以降は女の子が多く生まれる双葉町
 ※1(12)を通年(1年間)で集計
 ※2 2023年は2月まで
 図―3 双葉町の赤ちゃん誕生数

 図に示すように2016年以降は概ね女の子が多く生まれています。2016年以降の合計は
 男の子  90人
 女の子 126人
で女の子が多く生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差があるとされる5%(13)を下回る1.2%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(14)による。
有意差検定表

 通常は男の子が多く生まれるので(15)、異常な事態です。福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
福島の綺麗な女性 ※(16)をキャプチャー
 図―4 福島の綺麗な女性

 でも、喜んでばかりもいられないようです。ABCCは1947年にアメリカ政府によって設立された研究機関で、広島や長崎に投下された原爆の影響について調査しました。その後1972年に日米共同の「放射線影響研究所」に改組され、現在も続いています(17)。放射線影響研究所は我が国において放射線影響に関し最も実績のある研究機関です。そこが広島・長崎の原爆投下では遺伝的影響がないとしています。その根拠の一つに生まれて来る赤ちゃんの男女比(出生性比)に異常がなかったことあげています(18)(19)。
 それでも安全とされ、8月30日に双葉町の帰還困難区域の一部に設定された特定復興再生拠点の避難指示が解除されました。このは津波被災区域でないので人が住めます。町営住宅も作られました(20)
 それから7か月が経過しました。以下に双葉町内の帰還者を示します。
住民が戻らない双葉町
 ※1(21)を集計
 ※2 事故前は(12)による。
 図-5 双葉町の居住者数

 図に示すように殆ど戻っていません。数値を記載すると
 対象 6,582人中25人(2)
で、避難指示解除7ヵ月で住民は戻りません。撚糸工場が新たに稼働したのですが(3)、住民が戻る事はありません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 7ヵ月で25人はかなり少ない人数だと思います。大熊町も双葉町同様に町の大部分は避難指示区域です(7)。南隣の大熊町と同様に福島第一原発やその周囲に中間貯蔵施設が広がります(22)。大熊町の避難指示解除準備区域と居住制限区域の避難指示が2019年4月10日に解除されました。解除されて区域は内陸にあり津波の被災は免れました(8)。避難指示解除と同時に住民は住めるようになりました。ただし、解除された区域は事故前の町の中心部からは離れていました。地図で見ると同町唯一の駅である大野駅と約5kmにあります。それでも避難指示解除後7ヶ月弱の2019年11月1日時点での居住者は119人です(23)。双葉町はその約5分の1です。原発が事故れば消えてしまう町ができそう です。そして住民が戻らないのには不安があると思います。不安なのは福島の皆様も同じだと思います。
福島を代表する農作物に米があります(24)。福島県いわき市産のお米は「いわきライキ」との名称のブランド米です(25)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(26)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図-6 福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません

―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)居住人口ゼロの自治体解消 福島県双葉町・復興拠点の避難解除 原発事故から11年5カ月 | 福島民報
(2)避難状況(令和5年3月31日現在)| 双葉町公式ホームページ
(3)福島県双葉町再生 新たな一歩 中野地区に浅野撚糸事業所22日開所 | 福島民報
(4)双葉町 - Wikipedia
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(6)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(7)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(8)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(9)⇒原子力被災者支援(避難指示関係) (METI/経済産業省)⇒避難指示区域について⇒◎避難指示区域の概念図(令和4年3月31日時点)(PDF形式)[[経済産業省HP]
(10)「双葉町津波被災地域復旧・復興事業計画(両竹・浜野地区復興計画)」を決定しました| 双葉町公式ホームページ
(11)11歳少女が甲状腺に100ミリシーベルト被曝か 福島事故後、公表せず  :日本経済新聞
(12)福島県の推計人口(令和5年3月1日現在) - 福島県ホームページ
(13)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q18.統計的な差ってなんですか?
(15)出生性比
(16)「笑顔は心のビタミン」青果店とチアリーダー 二足のわらじで地域を元気に【福島発】:ニュース - FTV 福島テレビ
(17)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(18)原爆傷害調査委員会 - Wikipedia
(19)全文 - 放射線影響研究所
(20)双葉町えきにし住宅 -双葉駅西側地区 再生賃貸住宅・公営住宅プロジェクト
(21)避難状況| 双葉町公式ホームページ
(22)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(23)令和元年11月1日現在の居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(24)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(25)いわき産コシヒカリのブランド米「Iwaki Laiki-いわきライキ」
(26)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(27)>マルト SC君ヶ塚店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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  1. 2023/04/28(金) 19:52:28|
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