めげ猫「タマ」の日記福島県富岡町・居住者減

福島県富岡町・居住者減

　２０１７年４月に大部分で避難指示が解除された福島県富岡町（１)の町内居住者は
　　３月１日時点　２，１１０人（２）
　　４月１日時点　２，０８７人（３）
で、減少しました。４月１日には復興再生拠点の避難指示が解除されたのですが（４）、効果はなかったようです。
　福島県富岡町（とみおかまち）は、福島県沿岸部、中部ある町で、東京電力福島第二原子力発電所が立地します（５）。原発事故によって全域は避難地域となりました（１）。以下に示します。
　

　
　※１（６）（７）にて作成
　※２　避難区域は（８）による。
　図－１　福島県富岡町

　図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年１ミリシーベルト（９）を全ての地域で超えています。それでも、自公政権は「安全」だとして（１０）、２０１７年４月１日に大部分で避難指示を解除しました（１）（８）。
　同町には多くの原子力や関連した施設があります。
　・福島第二発電所（１１）
　・指定（放射性）廃棄物処分場（１２）。
　・リンプルふくしま（指定廃棄物処分場ＰＲ施設）（１３）。
　・「東京電力廃炉資料館」（１４）。
また北隣の大熊町には福島第一原発（１５）や中間貯蔵施設があります（１６）。ダンプの運転手等を含め約一万人がかかわっています（１７）。福島第一では安定化作業では約８千人の方がが働いています（８）。福島第二も含め同町や同町周辺には原子力の仕事が溢れています。
　富岡町は町の復興に力を注いできました。
　２０１６年１０月　町営診療所再開（２０）
　２０１７年　３月　ショッピングセンターのグランドオープン（２１）
　２０１７年　４月　一部を除き避難指示解除（１）（８）
　２０１７年１０月　JR富岡駅再開（２２）
　２０１８年　４月　学校再開（２３）
　２０１８年　８月　リンプルふくしま開館（１２）
　２０１８年１１月　東京電力廃炉資料館開館（１４）
　２０１９年　４月　こども園開園（２４）
　２０１９年　７月　富岡漁港再開（２５）、福島第二原発廃炉の正式決定（２６）
　２０２０年　３月　常磐線全面再開。同町の夜ノ森が再開（２７）。同町から仙台まで鉄道が直通
　２０２１年　３月　聖火リレー（２８）
　２０２１年１０月　岸田総理が訪問（２９）
　２０２２年　４月　特定復興拠点避難指示解除（４）。
　　　　　　　　　　　
　それでも住民は戻りません。

　※（２）（３０）を集計
　図―２　富岡町民の居住先

　図に示す様に町内居住があまり進んでいません。３月１日時点で
　　住民登録　１１，６２４人中で町内在住は２，０８７人（住民登録者の１８％）
です（４）。
　もっと戻らないのが若い女性です。今から１０年前の２０１３年４月に、４４４人の１０代後半女性が富岡町より避難していました。１０年を経て、彼女達は２０代後半になっています。今（２０２３年４月）、富岡町で暮らす２０代後半女性は０人（現住人口は-８を０とした）です（３１）。２０１３年１月に富岡町から避難した１０代後半女性のうち、町に戻ったのは０％（０÷４７２×１００）です。以下にこのように計算した富岡町１０代後半の方が戻った割合を示します。

　※１（３１）を集計
　※２　日付は１０代後半時点
　※３　２０１５年１０月～２０年１０月では福島県の発表欠落のため計算できず
　図－３　１０代後半が１０年後に富岡町に戻った割合

　図に示すようにどんどん減っています。原発事故の影響を受けない２００１年３月⇒１１年３月の１０年間では
　男性　１００％
　女性　　８２％
でした。近々１０年の２０１３年２月⇒２３年２月では
　男性　　１４％
　女性　　　０％
です。男性は全体の平均と同程度には戻っていますが、女性は全く戻っていません。福島の女性はお隣の宮城や茨城県の女性に比べても大変に綺麗です。

　※（３２）をキャプチャー
　図－４　福島の綺麗な女性

　何処へいっても歓迎されます。敢えて汚染されている富岡町に戻る事はありません。
　若い女性がい無くなれば子供が生まれなくなります。以下に避難者を含めた富岡町民の出生数を示します。
　

※１（３１）各年度（４月～翌年３月）で集計
　※２　避難先での出生を含む
　図－５　富岡町民の出生数

　図に示す様にどんどん減っています。数値を記載すると
　　事故前１年（２００９年度）１２４人（男の子６０人、女の子　５４人）
　　昨年度（２０２２年度）　　　３２人（男の子１５人、女の子　１７人）
で、事故前の２６％です。
　でも、増えたものをあります。以下に富岡町への転入者数を示します。

　※（３１）を集計
　図―６　富岡町内の転入者数

　図に示す様に避難指示が解除された２０１７年４月以降に急に増えています。避難指示解除によって富岡町内に住居を確保できれば誰もが富岡町に住むことができるようになりました。多くの方が富岡町に新たに移り住んだようです。
　以下に町内在住者と避難指示解除後の累積新規転入者数を示します。
　

※（２）（３１）を集計
　図―７　町内在住者と避難指示解除後の累積新規転入者数

　図に示す様に、同じように推移しています。累積の数値を記載すると、
以下に富岡町民の居住先を示します。今年４月１日時点で
　　町内在住者　　　　　　　　　２，０８７人（３）
　　避難指示解除後の新規転入者　２，２１６人（３）
で、新規転入者が町内在住者を超えています。町内在住者の大部分は避難指示解除後に新規に転入された方で、元の住民は殆ど戻っていません。
　転入者の累積は男性１，６８７人、女性５６７人で男性が多いので概ね原子力関係者です。福島第一で働くのは大部分が男性です（３３）。富岡町や周囲には原子力関係の仕事が沢山あります。富岡町は住民が帰還ではなく、原子力関係者が新規に移り住すんでいます。その新規転入者だのみの居住者集めもかげりが出ました。富岡町の居住者は
　　３月１日時点　２，１１０人（２）
　　４月１日時点　２，０８７人（３）
で、減少しました。４月１日には復興再生拠点の避難指示が解除されたのですが（４）、効果はなかったようです。

＜余談＞
　図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
　富岡町内在住者の世帯数１，４６３です。１世帯当たりの人数は１．４人（２，２１０÷１，４８９）です。多くの方が単身赴任です。富岡町は学校教育に力を入れています（３４）。また、家族を連れて富岡町等の旧避難域に移住すると２００万円の支援金がでます（３５）。それでも原子力ムラの皆様は家族を連れて来るのにはためらいがあるようです。そして、福島の皆様も不安なようでうす。
福島を代表する野菜にキュウリがあります。福島県須賀川市は主要な産地です（３６）。同市で、キュウリの選果作業が始まりました（３７）。同市はキュウリの季節です。同市あたりのキュウリはみずみずしい香りでパリッとした歯切れのよいとの事です（３８）。福島県は「フクシマ産」の安全を主張しています（３９）。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ