「原子力災害」は、原子力施設から放射能が漏れ出し汚染を引き起こすことでは(1)「原子力災害」(2)と同じ意味ですが、「原子力災害(事故)」が人為的に作られた原子力施設で生じる事故であり(2)、基本は「人災」です。これを「自然災害」と同様に危機的な自然現象(例えば火山噴火、地震、地すべりなど)によって、人の命や人間の社会的活動に被害が生じる現象と同様に扱い、原子力施設・運営者の責任を曖昧する言葉です。
福島原発事故で東京電力は福島を中心にINES最高レベル(4)の放射能をバラマキ福島を汚染しました。

※1(5)(6)にて作成
※2 避難区域は(7)による
図―1 特異的に汚染されている福島
図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(8)を超えた地域が広がっています。事故から12年以上が過ぎましたが、福島は汚染されたままです。そして、人が住めない避難区域(7)が残ったままです。以下に避難指示が出た市町村を示します。

※1(5)(6)にて作成
※2 避難区域と解除区域は(7)による。
図-3 避難区域と解除区域地町村
図に示しように事故後は11市町村に避難指示が出ましたが、現時点(2023年4月)ですべての市町村では全部または一部で避難指示が解除されています(2)。
浪江町は面積的には避難区域が広いのですが、昨年3月末で対象者は15,990人中(9)解除地域内対象者は13,289人(9)で大部分が解除区域内です。町の中心部は避難指示が解除されています。避難指示が解除された市町村のうち、川内村を除く10市町村では解除された区域の居住者と住民登録人数を月末ないし毎月1日発表しています(10)~(22)。図-2に示す様に川内村で避難指示が出た区域は一部に限られ、昨年4月1日の人口は2,393人で(23)、このうち旧避難地域に住んでいたのは261人で(9)、ごく一部です。
概ね川内村を除く10市町村の避難者数を集計すれば避難指示が解除された区域の居住者数と避難者数が分かります。以下に示します。

※1(10)~(22)を集計
※2 事故時の人口は(17)(20)(24)(25)による。
※2 川内村を除く
※3 避難者数は対象者数―解除区域の居住者数で集計
図―4 避難指示が解除された区域の居住数と避難者数(川内村を除く)
図に示す様に、避難指示は解除されましたが住民はあまり戻っていません。数値を記載すると4月1日時点で
住民登録 64,305人中15,733人(住民登録の24%)
です。全ての特定復興再生拠で避難指示が解除されたのですが(7)、住民は戻りません。
以下に福島の冬を代表するくだものであるあんぽ柿(26)の検査結果を示します。

※1(27)を集計
※2 基準値は(28)による。
図-5 福島盆地産あんぽ柿検査結果
図に示すように、毎年のように基準超が見つかっています。事故から12年を経た今も福島では放射能汚染食品が見つかり続けています。
このような事が起こった理由は、東京電力が原発の地震・津波対策に手を抜きした事によります(29)(30)。東京電力は原発の安全を手抜きをし、原発事故を起こし福島を取り返しのつかない地にしました。ところが、東京電力は原発事故を「原子力災害」と呼んでいます(31)。そして、東京電力は原発事故を「想定外」の津波によるものと主張しています。

※(31)を引用
図―6 「想定外」を主張する東京電力
福島原発事故は東日本大震災による津波によるものであり、災害との立場です。「原子力災害」は行政や(32)(33)(34)や原子力ムラ(35)が良く使います。この言葉は、「原子力災害」は、原子力施設から放射能が漏れ出し汚染を引き起こすことでは(1)「原子力災害」(2)と同じ意味ですが、「原子力災害(事故)」が人為的に作られた原子力施設で生じる事故であり(2)、基本は「人災」です。これを「自然災害」と同様に危機的な自然現象(例えば火山噴火、地震、地すべりなど)によって、人の命や人間の社会的活動に被害が生じる現象と同様に扱い、原子力施設・運営者の責任を曖昧する言葉です。
<余談>
福島には要らない物が他にもやります。よかったら見てください(
めげ猫「タマ」の日記 福島の要らない物)(36)。原発事故後の「フクシマ」では、出生異常(37)、小児甲状腺がんの多発(38)が起きています。そして、事故から12年以上ですが、福島の皆様は放射能に注意した暮らしを強いられています。
福島を代表する野菜にトマトがあります(39)。年間を通して収穫されます(40)。福島県南会津町は福島を代表するトマト産地です(39)。同町当たりのトマトの味は格別です(41)。福島県は福島産は「安全」としています。でも福島県南会津町のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。

※(22)を引用
図―7 福島産トマトが無い福島県南会津町のスーパーのチラシ
(=^・^=)も南会津町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
第1回「原子力災害に関する法令(2)
原子力事故 - Wikipedia(3)
自然災害 - Wikipedia(4)
国際原子力事象評価尺度 - Wikipedia(5)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日 (6)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(7)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(8)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(9)
原子力被災者支援(避難指示関係) (METI/経済産業省)⇒避難指示区域について⇒
◎避難指示区域の概念図(令和4年3月31日時点)(PDF形式)[[経済産業省HP](10)
楢葉町内居住者数について|楢葉町公式ホームページ(11)
避難指示区域別居住状況/南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-(南相馬市)
(12)
広報なみえ - 広報なみえ - 浪江町ホームページ(13)
広報とみおか/富岡町(14)
県内外の避難・居住先別人数/富岡町(15)
ホーム/富岡町(16)
令和5年5月1日現在の村民の避難状況について - 飯舘村ホームページ(17)
山木屋地区の居住の状況 - 川俣町公式ホームページ(川俣町)
(18)
住民生活課 - 葛尾村ホームページ(19)
広報かつらお - 葛尾村ホームページ(20)
田村市民の避難状況動向調査報告 - 福島県田村市ホームページ(21)
居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ(22)
避難状況| 双葉町公式ホームページ(23)
2022年発行分 | 川内村公式ホームページ⇒
5月号No.678PDF形式/12.37MB(24)(11)⇒
令和5年3月31日現在 (PDFファイル: 194.9KB)(25)
福島県の推計人口(令和5年4月1日現在) - 福島県ホームページ(26)
福島の青果物 | JA全農福島(27)
報道発表資料 |厚生労働省(28)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(29)
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q39.福島原発事故が起きた原因は?(30)
「苦難はまだまだ続く。加害者の東電に責任を」 原発事故の被災地を回った避難住民の国分富夫さん:東京新聞 TOKYO Web(31)
「原子力災害対策充実に向けた考え方」に係る当社の取り組みについて|お知らせ|東京電力ホールディングス株式会社(32)
今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした|東京電力(33)
原子力発電所に質問です 柏崎刈羽原子力発電所の安全対策|東京電力ホールディングス株式会社(34)
原子力災害対策|原子力規制委員会原子力災害対策|原子力規制委員会(35)
原子力防災 - 内閣府(36)
当館について – 東日本大震災・原子力災害伝承館当館について – 東日本大震災・原子力災害伝承館(37)
こんな時どうする?~原子力災害、知っておきたい「準備」と「対応」~|一般財団法人 日本原子力文化財団(38)
めげ猫「タマ」の日記 福島の要らない物(39)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(40)
旬果旬菜 | JA全農福島(41)
トマト | JA会津よつば(42)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(43)
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- 2023/05/22(月) 19:42:44|
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