昨年8月30日に居住可能地域の避難指示が解除された双葉町(1)の5月末日時点の帰還者は
4月30日時点28人(2)
5月31日時点28人(3)
で変わりません。避難指示解除9ヵ月で帰還が止まりました。今月、同町では温浴施設がオープンしたのですが(4)、住民は戻りません。
福島県双葉町は福島県沿岸部中部に位置する町です。福島第一原発が立地しており、原発事故によって汚染され、全域が避難区域となりました(5)。以下に示します。

※1(6)(7)にて作成
※2 避難区域・旧避難区域は(8)による
図-1 原発事故から12年を経ても汚染されている福島
図に示す様、原発事故では東部の一部が避難地域になりました。また、事故から12年以上ですが、ICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(9)を超えた地域が広がっています。
福島の避難区域は2013年8月までに放射線量によって低い順に避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の3つに区分されました。2020年3月に双葉町の避難指示解除準備区域(双葉町には居住制限区域は設定されていない)が解除になりました(10)。これで避難指示解除準備区域と居住制限区域と避難指示が解除になり、避難区域は帰還困難区域だけになりました。
以下に双葉町の津波被災区域を示します。

※1(6)(7)にて作成
※2 避難区域は(8)による
※3 津波被災区域は(11)による。
図―2 双葉町の津波被災区域
図に示すように先行して避難指示が解除された旧避難指示解除準備区域は、津波被災区域に重なり人が住めない地域でした。双葉町は長らく人の居住が禁止された町でした。
同町の11歳の少女が甲状腺に100ミリシーベルト程度の被曝(ひばく)をした可能性があると試算されていなど(12)、事故直後の被ばくは酷かったと推定されます。
以下に各年1年間の双葉町の赤ちゃん誕生数を示します。

※1(13)を通年(1年間)で集計
※2 2023年は4月まで
図―3 双葉町の赤ちゃん誕生数
図に示すように2016年以降は概ね女の子が多く生まれています。2016年以降の合計は
男の子 92人
女の子 128人
で女の子が多く生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差があるとされる5%(14)を下回る1.5%でした(15)。通常は男の子が多く生まれるので(16)、異常な事態です。福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。

※(17)をキャプチャー
図―4 福島の綺麗な女性
でも、喜んでばかりもいられないようです。ABCCは1947年にアメリカ政府によって設立された研究機関で、広島や長崎に投下された原爆の影響について調査しました。その後1972年に日米共同の「放射線影響研究所」に改組され、現在も続いています(18)。放射線影響研究所は我が国において放射線影響に関し最も実績のある研究機関です。そこが広島・長崎の原爆投下では遺伝的影響がないとしています。その根拠の一つに生まれて来る赤ちゃんの男女比(出生性比)に異常がなかったことあげています(19)(20)。
それでも安全とされ、8月30日に双葉町の帰還困難区域の一部に設定された特定復興再生拠点の避難指示が解除されました。このは津波被災区域でないので人が住めます。町営住宅も作られました(21)
それから8か月が経過しました。以下に双葉町内の帰還者を示します。

※1(22)を集計
※2 事故前は(13)による。
図-5 双葉町の帰還者数
図に示すように殆ど戻っていません。数値を記載すると
4月末時点 対象6,595人中28人(2)
5月末時点 対象6,592人中28人(3)
で、避難指示解除9ヵ月ですが帰還がとまりました。今月、同町では温浴施設がオープンしたのですが(4)、住民は戻りません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
9ヵ月で28人はかなり少ない人数だと思います。大熊町も双葉町同様に町の大部分は避難指示区域です(8)。南隣の大熊町と同様に福島第一原発やその周囲に中間貯蔵施設が広がります(22)。大熊町の避難指示解除準備区域と居住制限区域の避難指示が2019年4月10日に解除されました。解除されて区域は内陸にあり津波の被災は免れました(8)。避難指示解除と同時に住民は住めるようになりました。ただし、解除された区域は事故前の町の中心部からは離れていました。地図で見ると同町唯一の駅である大野駅と約5kmにあります。それでも避難指示解除後9ヶ月弱の2020年1月1日時点での居住者は143人です(24)。双葉町はその約5分の1です。原発が事故れば消えてしまう町ができそうです。そして住民が戻らないのには不安があると思います。不安なのは福島の皆様も同じだと思います。
のなかでも水揚げ額で上位を誇ります(25)。今年も初ガツオの水揚げがりました(26)。
福島県は福島産は安全だと主張しています(27)。でも、福島県いわき市小名浜のスーパーのチラシには福島産カツオはありません。

※(28)を引用
図―6 福島県産カツオが無い福島県いわき市小名浜のスーパーのチラシ
(=^・^=)もいわき市小名浜の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
居住人口ゼロの自治体解消 福島県双葉町・復興拠点の避難解除 原発事故から11年5カ月 | 福島民報(2)
避難状況(令和3年2月28日現在)| 双葉町公式ホームページ(3)
避難状況(令和5年5月31日現在)| 双葉町公式ホームページ(4)
町民の交流の場に…双葉町に温浴施設【福島県】 (2023年6月12日) - YouTub(5)
双葉町 - Wikipedia(6)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日 (7)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(8)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(9)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(10)⇒
原子力被災者支援(避難指示関係) (METI/経済産業省)⇒避難指示区域について⇒
◎避難指示区域の概念図(令和4年3月31日時点)(PDF形式)[[経済産業省HP](11)
「双葉町津波被災地域復旧・復興事業計画(両竹・浜野地区復興計画)」を決定しました| 双葉町公式ホームページ(12)
11歳少女が甲状腺に100ミリシーベルト被曝か 福島事故後、公表せず :日本経済新聞(13)
福島県の推計人口(令和5年4月1日現在) - 福島県ホームページ(14)
有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書(15)
めげ猫「タマ」の日記 女の子が多く生まれる双葉町(2023年5月)(16)
出生性比(17)
島県内ニュース|KFB福島放送(18)
原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF(19)
原爆傷害調査委員会 - Wikipedia(20)
全文 - 放射線影響研究所(21)
双葉町えきにし住宅 -双葉駅西側地区 再生賃貸住宅・公営住宅プロジェクト(22)
避難状況| 双葉町公式ホームページ(23)
東日本大震災・原子力災害伝承館 - Wikipedia(23)
中間貯蔵施設情報サイト:環境省(24)
令和2年1月1日現在の居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ(25)
小名浜のカツオ|福島県|全国のプライドフィッシュ|プライドフィッシュ(26)
【動画あり】初夏の味覚、輝く青 福島県いわき市の小名浜港 カツオ今季初水揚げ | 福島民報(27)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(28)
>マルト SC君ヶ塚店のチラシ・特売情報 | トクバイ
スポンサーサイト
- 2023/06/22(木) 19:43:47|
- -
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0