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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

支援打ち切りから6年半、新潟の自主避難者は戻らず

 自主避難者が多いとされる新潟県新潟市(1)への福島県からの避難者数は
 2017年3月末 1,320人(借り上げ等710人、自力手配499人、公営住宅等 1)(3)
 2023年8月末   752人(借り上げ等 3人、自力手配749人)(4)
です。自主避難者への住宅支援が打ち切られて(5)、6年半ですが、6割の方は福島には戻りません。原発事故から12年半を経て福島は汚染されているので、当然のことです。
 福島は事故によって汚染されました。
事故から12年以上が過ぎて特異的に汚染されている福島  凡例
 ※1(6)(7)にて作成
 ※2 避難区域は(8)による
 図―1 特異的に汚染されている福島

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(9)を超えた地域が広がっています。事故から11年以上が過ぎましたが、福島は汚染されたままです。
 今から5年前の2018年8月に福島には43,575人の10代後半女性がいました。5年が経ち彼女達は20代前半になっています。今(2023年8月)の福島の20代前半女性は29,971人で(1)、残ったのは68.8%です。2018年8月時点で10代後半だった福島の女性のうち約3分の1の方が、この5年間で福島から逃げ出しています。以下に福島の10代後半の方が5年後に残っている割合を示します。
事故後に若い女性がより残らなくなった福島
 ※1(10)を集計
 ※2 日付けは10代後半時点
 図―6 福島の10代後半の方が5年後に残っている割合

 事故前から若い方の福島脱出はありました。事故前の2001年から2006年3月までの平均を取ると男性75.6%、女性74.2%で、男女に大きな差はありませんでした。それが近々の2017年5月~18年3月(10代後半時点)の1年間の平均では、男性76%、女性67%で、男性は変わりありませんが、女性は落ち込みました。事故後に福島の若い女性の逃げ出しています。
 若い女性の県外流出は、現在の社会減(人口移動による人口減少(11))だけでなく、子供が生まれなくなり、将来の大幅な自然減(死亡数から出生数を減じた数(12))に繋がります。福島は図―1に示す様に汚染されています。福島の女性はお隣の宮城や茨城の女性に比べても大変に綺麗です。
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 ※(13)をキャプチャー
 図―3 福島のきれいな女性

何処へ行っても歓迎されます。福島から若い女性の脱出を止めるのは困難だと思います。
 事故後に福島から多くの方が避難されました。以下に推移を示します。
 brg230922o.gif
※(15)を集計
 図―4 福島からの県外避難者数

 図に示す通り福島への帰還が進んでいるとは言えない状況です。ピークには6万人(2012年3月)の方が福島から避難していますが(15)、事故から12年半を経た今(8月1日時点)も2万人以上の方が福島から県外に避難しています(16)。以下に福島から福島県外に避難している18歳未満の子ども避難者数を示します。
避難区域外がらの避難が子供の県外避難者
 ※1 (17)を集計
 ※2 「無し」は避難区域が設定されなかった市町村で特定避難勧奨地点が設定された伊達市を含む
 ※3 1部が避難区域は一部が避難区域(警戒区域または計画的避難区域)に指定された市町村で南相馬市、川内村、川俣町、田村市
 ※4 「全域」は全部かほぼ全域が避難区域に指定された町村で飯舘村、浪江町、双葉町、大熊町、冨岡町、楢葉町、葛尾村
 ※5 「緊急時」は緊急時避難準備区域は全域が指定された広野町のみ。南相馬市、川内村、田村市の1部も緊急時避難準備区域指定されたが、避難区域も指定されたので、「一部」に分類
 ※6 避難区域の設定は(8)による。
 図―5 福島県外への子ども避難者数

 図に示す様に「避難区域外」からの避難者が最多です。彼等は自主避難者です。少子高齢化対策には福島県外に避難している子供が多い自主避難者に圧力を加え、福島に戻すことが効果的です。だいたいこのデータへのリンク先は福島県の「少子化対策」の下にあります(18)。
 2017年3月末に福島県は「安全」だとして自主避難者に対する住宅支援を打ち切りました(5)。でも図―1に示す様に福島は特異的に汚染されたままです。
 新潟県への避難者数は1,867人で茨城、埼玉、東京についで4位です(16)。新潟県は市町村別・居住形態別の避難者数を発表しています(2)。新潟の都市規模から言えば新潟市、長岡市、上越市ですが(19)、福島からの避難者は新潟市と柏崎市に集中しています。柏崎市には福島と同じく東京電力の原子力発電所があり(20)、福島からの避難者の9割以上が避難区域内からに避難者です(21)。突然の事故で急に古里を追われた避難者が原発繋がりで新潟県柏崎市に逃げてきたのでしょうか?一方で新潟市は自主避難者が多いとされています(1)。以下に福島から新潟市への避難者数と居住形態を示します。
減らない新潟市への自主避難者
※1(2)にて作成
 ※2 「借り上げ」は「借り上げ仮設住宅」、「自力手配」はその他(親戚・知人宅等)、「その他」は「公営住宅・雇用促進住宅等」に区分
 図―6 福島から新潟市に避難された方の推移

福島県から新潟市へ避難されている方の人数を見ると
 自主避難者が多いとされる新潟県新潟市(1)への福島県からの避難者数は
 2017年3月末 1,320人(借り上げ等710人、自力手配499人、公営住宅等 1)(3)
 2023年8月末   752人(借り上げ等 3人、自力手配739人)(4)
です。自主避難者への住宅支援が打ち切られて(5)、6年半ですが、6割の方は福島には戻りません。原発事故から12年半を経て福島は汚染されているので、当然のことです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 今も多くの自主避難者が福島県外で暮らしています。でも、取り上げられる事はまず無いと思います。(=^・^=)は自主避難者の存在を忘れてはならないと思います。でも、東京電力は忘れて欲しいはずです。同社は新潟県に立地する柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目指しています(22)。新潟の自主避難者は原発事故から12年以上を経ても避難生活が続くことを、新潟の皆様に示しています。新潟の皆様が柏崎刈羽の再稼働に反対する動機の一つになりえます。この思いは原発の再稼働を進める岸田政権(23)も同じだと思います。彼らは新潟の自主避難者に福島に戻したいはずです。図-1に示す様に、事故から12年以上が経た今も福島は汚染されています。自主避難をする相当の理由があります。でも、自公政権や東京電力は支援や補償を打ち切りました。
 原発事故の時、多くの福島の皆様は避難するか、残るかで悩んだ気がします。そして、多くの方が不安の中での生活を選びました。事故から12年半を経て、福島の皆様の不安な暮らしは続いています。
 福島を代表する野菜にネギがあります。9月に入り本格シーズンです(24)。福島県南相馬市産のネギは新鮮で香り高いそうです(25)。福島県はフクシマ産は「安全」だ広報しています(26)。でも、福島県南相馬市のスーパーのチラシに福島産ネギはありません。
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 ※(28)を引用
 図―7 福島県産ネギが無いい福島県南相馬市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県南相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
  
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)中山 均 - 【12/21 新潟市災害対策議員連盟、避難者支援策に関し市長要望】... | Facebook
(2)新潟県:県外避難者の受入状況をお知らせします
(3)(2)⇒平成29年3月31日現在の県外避難者受入状況(PDF形式 91 キロバイト)
(4)(2)⇒令和5年8月31日現在の県外避難者受入状況 [PDFファイル/91KB],
(5)「子どもを福島に戻す選択肢はなかった」 原発事故自主避難の11世帯が福島県を提訴:東京新聞 TOKYO Web
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(7)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(8)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(9)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(10)福島県の推計人口(令和5年8月1日現在) - 福島県ホームページ
(11)社会増減とは - 流通用語 Weblio辞書
(12)自然減とは - Weblio辞書
(13)高校生が見た"核のごみ処分" 先進国スウェーデンでの視察を終え報告会 違いは情報の透明性と関心の高さ:ニュース - FTV 福島テレビ
(14)県外への避難者数の状況 - 福島県ホームページ
(15)(14)⇒福島県から県外への避難状況(推移) 令和5年8月1日現在 [PDFファイル/687KB](令和5年9月11日更新)
(16)(14)⇒福島県から県外への避難状況 令和5年8月1日現在 [PDFファイル/111KB](令和5年9月11日更新)
(17)東日本大震災に係る子どもの避難者数(こども・青少年政策課) ・令和5年4月1日現在 [PDFファイル/402KB] 
(18)こども・青少年政策課 - 福島県ホームページ
(19)新潟県 - Wikipedia
(20)発電所の概要|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(21)柏崎市の広域避難者支援と 「あまやどり」の5年間 - 新潟大学
(22)「もうあきらめて出て行ってくれないか」柏崎刈羽原発、地に落ちた東電への信頼 再稼働へ地元の同意見通せず:東京新聞 TOKYO Web
(23)原子力利用に一歩を踏み出した岸田政権 | STUDY | 原子力産業新聞
(24)旬果旬菜 | JA全農福島
(25)商品紹介 – 南相馬ねぎ出荷組合株式会社
(26)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(27)南相馬店 – イオンスーパーセンター公式ウェブサイト
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  1. 2023/09/25(月) 19:40:42|
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