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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

葛尾村、居住者減が続く

 2016年6月12日に避難指示が概ね解除された福島県葛尾村(1)の新規転入者を含む居住者は
 6月1日 468人(3)(ピーク)
 8月1日 467人(4)
 9月1日 466人(5)
と減少に転じました。
 福島県葛尾村は福島県東部を南北に連なる阿武隈高地に位置する山村です。原発事故によって全村に避難指示が出されました(1)。
 事故から12年以上が過ぎて汚染されている福島 凡例  
 ※1(6)(7)にて作成
 ※2 旧避難区域は(8)による
 図-1 福島県葛尾村

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(9)を超えた地域が広がっています。事故から12年近くですがが葛尾村は今も汚染されたままです。
 福島事故直後に二種類の避難区域が設定されました。警戒区域と計画的避難区域です。警戒区域は事故直後の2011年3月12日に設定されました。計画的避難区域は事故後にしばらくしてから放射線量が高いことが判明し設定された避難区域で、設定されたのは事故から1ヶ月以上が過ぎた2011年4月22日です(9)。さらには、警戒区域では残された家畜は殺処分となりました(10)。一方で、計画的避難区域では一定の条件下で家畜の持ち出しが認められました(11)。計画的避難区域は家畜の持ち出し等の為になかなか逃げなった村です。葛尾村の酪農家は、牛の世話や避難のために村に残り、村を出たには6月頃と話しています(12)。葛尾村の大部分は計画的避難区域になりました(8)。事故前に葛尾村では3,448頭の牛と3,863頭の豚が飼育されていした(13)。これは事故前(2011年3月)の人口1,524人(14)を超えます。
 以下に各年8月から翌年7月までの葛尾村の赤ちゃん誕生数を示します。
出生数の減少が続く葛尾村
 ※ (14)を各年8月から翌年7月までの1年間で集計
 図―2 福島県葛尾村の赤ちゃん誕生数

 図に示すように2012年8月以降は女の子が多く生まれています。2012年7月以降を合計すると
 男の子 40人
 女の子 61人
で、女の子が多くなっています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差があるとさえる5%(15)以下の3.7%でした(16)。通常は男の子が多く生まれるので(17)異常な事態です。
 福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
 福島の綺麗な女性
※(18)を引用
 図―3 福島の綺麗な女性

 でも喜んでばかりはいられないようです。放射線影響研究所は広島や長崎で遺伝的影響がな事の根拠に生まれている赤ちゃんの男女の比率に異常がない事あげています(19)。広島や長崎では起きなかった事が福島県葛尾村では起きています。
 それでも自公政権は「安全」だとして(20)、2016年6月12日に大部分で避難指示を解除しまた(1)(8)。そして村再興の試みがなされています。
 2016年4月、  凍み餅の販売再開(21)。
 2016年4月   「しみちゃん」が葛尾村のイメージキャラクターとなる(22)。
 2018年3月    故安倍元総理が葛尾村を訪問、凍み餅のプレゼンを受ける(23)。
 2018年9月    酪農再開(24)
 2018年秋     養鶏(ブロイラー飼育)再開(25)
 2019年9月28日 江戸時代に同村で上演されていた能と狂言の舞台が約160年ぶりに復活(26)
 2020年1月2日  村内で成人式(27)
 2021年3月    村内で聖火リレー(28)
 2021年5月~   村内でのTOKIOの米作りが全国放映が始まる(29)。
 2022年6月5日  岸田総理訪問、あぜりんかんを訪れる(30)
 2022年6月12日 特定復興拠点の避難指示解除(31)。
 2022年6月19日 2年連続で村内でのTOKIOの米作りが全国放映される(32)
 以下に葛尾村民の居住状況を示します。
住民が戻らない葛尾村
 ※1(2)(5)を集計
 ※2 事故時は(14)による
 図―4 葛尾村民の居住先

 図に示す様に住民は戻りません。8月1日時点の新規転入者を含む居住者は
 対象  対象 1,289人中 466人(対象の36%)
と(5)、住民が戻りません。ピークの2003年6月の居住者は468人、先月(8月1日)の居住者は467人ですので、居住者は減っています。
 若い方はもっと戻りません。今から10年前の2013年8月に葛尾村から避難した10代後半女性は29人です。彼女達は今(2023年8月)20代後半になっています。2023年8月時点で葛尾村の20代後半女性の現住人口は9人です。村に戻ったのは31%(9÷29×100)です。このように計算した10代後半の方が10年後に残っているないし戻っている割合を以下に示します。
若者が戻らない葛尾村
 ※1(14)を集計
 ※2 日付は10代後半時点
 図-6 葛尾村の10代後半の方が10年後に残っているないし戻っている割合

 図に示すように事故の影響がない2001年3月⇒2011年3月では男女とも63%の方が村に残りました。それが近々10年の2013年8月⇒2022年8月では
 男性 21%
 女性 36%
です。若い方は葛尾村に戻りません。若い方が戻らない葛尾村ではやがて子供が生まれなくなります、図-2に示す通り葛尾村の出生数は大幅に減っています。数値を記載すると
 事故前(2009年8月~10年7月)10人
 近々1年(2022年8月~23年7月)3人
で3分の1以下に減っています。やがて子供が生まれなくなり、葛尾村は滅びます。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島復興は道半ばなんて主張があります(33)。でも、葛尾村には住民が戻りません。「道半ば」とは、アベノミクス道半ば(34)と同様に、時間は立ったが実現できていない事を意味するようです。そして、事故から12年半が過ぎた今も、福島の皆様は放射能に注意しなくてはならないようです。
 福島を代表するくだものにリンゴがあります(35)。今年も出荷が始まりました(36)。福島県須賀川市は福島3位の産地です(37)。同市あたりのリンゴは最高の食材です(38)。福島県は福島産は「安全」だと広報しています(39)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産リンゴはありません。
他県産はあっても福島産リンゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(40)を引用
 図―7 福島産リンゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ 

 (=^・^=)も福島県須賀川市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)葛尾村 - Wikipedia
(2)広報かつらお 令和5年度 - 葛尾村ホームページ
(3)(2)⇒広報かつらお(7月号) [PDFファイル/8.69MB]
(4)(2)⇒広報かつらお(9月号) [PDFファイル/5.97MB]
(5)帰村・避難の状況(9月1日現在) - 葛尾村ホームページ
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(7)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(8)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(9)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(10)警戒区域内の家畜の安楽死処分の対応に関するQ&A:農林水産省
(11)計画的避難区域及び緊急時避難準備区域における家畜の取扱い等について:農林水産省
(12)吉田よしだ 健つよし さん | 葛尾村 | 双葉郡未来会議
(13)わが葛尾村の農業 -022/036page
(14)福島県の推計人口(令和5年8月1日現在) - 福島県ホームページ
(15)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(16)めげ猫「タマ」の日記 葛尾村、居住者減"めげ猫「タマ」の日記 葛尾村、居住者減
(17)出生性比
(18)福島県内のZ世代が地域の課題解決に取り組む 『SFF』が高校生に活動紹介|福島中央テレビニュース|福島中央テレビ
(19)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(20)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(21)伝統の「凍み餅」を守り、次世代へ
(22)葛尾村公式イメージキャラクター「しみちゃん」について - 葛尾村ホームページ
(23)平成30年3月10日 福島県訪問 | 平成30年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ
(24)福島・葛尾村に北海道から乳牛 年内出荷に向け酪農を再開 - 産経ニュース
(25)養鶏再開 畜産復興へ光 福島・葛尾村で7
(26)福島・葛尾村、160年ぶりに能 原発被災からの復興アピール | 共同通信
(27)広報かつらお 2019年度 - 葛尾村ホームページ広報かつらお2月号 [PDFファイル/6.06MB]
(28)東京オリンピック聖火リレー | 一般社団法人葛尾むらづくり公社
(29)DASH村 ~福島・葛尾村の荒れ地を田んぼに~|ザ!鉄腕
(30)令和4年6月5日 福島県訪問 | 総理の一日 | 首相官邸ホームページ
(31)福島県葛尾村復興拠点の避難指示解除 帰還困難区域で初 野行地区の居住再開 | 福島民報
(32)福島中央テレビ スタッフ情報 on Twitter: "6/19(日)夜7時
(33)福島の復興・再生は道半ば、2020年度版原子力白書が指摘 | EnergyShift
(34)「アベノミクス道半ば。金融政策を転換する状況にない」自民・世耕氏:朝日新聞デジタル
(35)くだもの図鑑 – くだもの消費拡大委員会
(36)わせ種のリンゴ「紅玉」の収穫ピーク 猛暑の影響も 伊達市|NHK 福島県のニュース
(37)くだものづくりがさかんな福島盆地 福島大学
(38)特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ
(39)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(40)ザ・ビッグ 須賀川店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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  1. 2023/09/28(木) 19:45:34|
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