只見線は福島県会津若津市の会津若津駅から新潟県魚沼市の小出駅を結ぶ全長135.2kmの鉄道路線です。2011年の新潟福島豪雨で不通になりました。そして、2022年10月1日に全面再開しました(1)。今日で全線開通1年になります。お祝いしたのですが
・沿線から若い女性が逃げて行く
・減少する観光客数
などの特徴があり未来は暗そうです。
只見線は福島県会津若松市の会津若松駅から同県会津美里町、会津坂下町、柳津町、三島町、金山町、只見町を経由して新潟県魚沼市の小出駅を結ぶ全長135.2kmの鉄道路線です。以下に示します。

※1(2)(3)にて作成
※2 避難区域は(4)による
※3 只見線は(1)による
図-1 只見線福島県区間
図に示しように、ICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(5)を超えた地域が広がっています。原発事故から12年ですが、汚染は続いています。
只見線は2011年の新潟福島豪雨で大部分(会津坂下-小出間)で不通になりました。2022年10月1日に、最後まで普通になっていた会津川口(金山町)‐只見(只見町)間が再開しました。ただし、この区間はを上下分離方式に移行し、JR東日本が第二種鉄道事業者、福島県が第三種鉄道事業者となり、JR東日本の第一種鉄道事業を廃止されました(1)。
会津若松市は只見線の他に磐越西線、会津鉄道(3セク)の鉄道路線があります。このうち磐越西線は郡山-会津若松間が電化されており同市の主要路線です。会津美里町、会津坂下町、柳津町、三島町、金山町、只見町の6町は只見線が唯一の鉄道路線であり、沿線といてるのはこの6町です(以下沿線6町と略す)。
福島は車社会です。移動の主要手段は自家用車です(8)。鉄道などの公共交通機関を利用するのは免許が持てない高校生以下が主です。沿線には3つの高校があります。会津高田駅近くの津西陵高等学校、会津川口駅近くの川口高等学校、只見駅近くの只見高校です(9)。会津川口-只見間は3往復しかりませんが、会津川口駅の時刻表を見ると
朝 8:02上り到着、8:05下り到着、
夕刻 15;29、19:01下り出発、15:35、19:08上り出発
になっており、通学を意識したダイヤ編成です。高校生の通学が主な利用です。
今から5年前の2018年9月に沿線6町には合計で1,032人の10代後半女性が住んでいました。今(2023年9月)は20代前半になっています。今、沿線6町に住んでいる20代前半女性は433人です(10)。2018年9月当時10代後半だった女性のうち今も沿線6町に残っているのは42%(433÷1,032×100)です。5年間で半分以上が沿線6町から去っていきました。以下に沿線6町の10代後半の方が5年後に残っている割合を示します。

※1(10)を集計
※2 日付けは10代後半時点
図―2 沿線6町(会津美里町、会津坂下町、柳津町、三島町、金山町、只見町)の10代後半の方が5年後に残っている割合
図に示す様に男女とも概ね半分しか残りません。福島の女性はお隣の宮城、茨城に比べても大変に綺麗です。

※(11)をキャプチャー
図-3 福島の綺麗な女性
何処へいっても歓迎されます。あいえて「秘境」の只見線沿線(12)に残る必要はありません。
若い方が出て行けば子供が生まれなくなります。以下に沿線6町の各年9月から翌年8月までの1年間の合計の出生数を示します。

※(10)を集計
図-4 沿線6町の合計出生数
図に示す様にどんどん減っています。数値を記載すると
原発事故前(2009年9月~10年8月)333人(男の子176人、女の子157人)
近々1年(2022年9月~23年8月) 168人(男の子 82人、女の子 86人)
で、近々1年は原発事故前の半分程度になっています。
子供が生まれなくなれば、主な只見線利用者である若年層が減って行きます。そこで、福島県は観光に期待をかけているようです(13)。でも、只見線を使って沿線観光に行かれる方は少数です。只見線のほぼ中間点の会津川口(会津若松まで60.2km、小出まで74km)あたりに出かけるとして、時刻表で調べると首都圏からでは首都圏-郡山(新幹線停車駅)‐会津若松-会津川口でもっとも早くつくのが14:58分、首都圏-浦佐(新幹線停車駅)-小出-会津川口が15:25分です。自家用車で移動するのがベストですが、どしてもゆうなら郡山駅からレンタカーでしょうか?それでも、公共交通機関をつかいたら、会津鉄道・会津田島駅と只見駅間で1日2往復のバスが走っています(14)。時刻表で調べると浅草7:30発の東武特急に乗ると10:42に会津田島つきます。11:05発のバスに乗ると12:24分に只見駅につきます。土日限定ですが12:48に会津川口方面の列車がでます。これにのると13:33に会津川口に着きます。首都圏から只見線沿線にでるなら、只見線を使うより、東武鉄道⇒会津鉄道⇒バスの方が便利です。
以下に沿線6町の観光客入込数を示します。

※(15)を集計
図-5 沿線6町の観光客入込数
図に示す様に原発事故後大幅に落ち込みその後は徐々に回復したのですが、再び減少しています。これからも減少するはずです。
今、只見町と新潟県三条市を結ぶ道路(80里超え)が建設されています。完成すれば只見町と三条市を78分で結びます(16)。現在、会津田島-只見間のバスは80分(14)かかるので同等です。三条市には上越新幹線燕三条駅があります(17)。現在の会津田島-只見間のバスを燕三条-只見間に切り替えれば、観光客輸送の機能は競争力を失います。
以下に只見線主要駅の乗車人員を示します。

※(18)(19)(20)(21)(22)を集計
図-6 只見線主要駅の乗車人員
図に示す様にどんどん減っています。これかも減っていきます。
只見線が全線開通してから今日(10月1日)で1年になります。お祝いしたのですが
・沿線から若い女性が逃げて行く
・減少する観光客数
などの特徴があり未来は暗そうです。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
只見線のうち最後まで不通だった会津川口-只見間の復旧には90億円を要し、3分2を福島県や沿線自治体が負担しました(23)。さらに上下分離方式となり毎年2.1億円を福島県や沿線自治体が負担します(1)。1日当たりで58万円(2.1億÷365)。でもこの区間の乗車人員は1日当たりで79人です(12)。一人の乗客を運ぶために約1億円の投資をしました。さらに一人当たり約1万円の経費が掛かります。これだけのお金をかけて只見線を復旧する意味があったか(=^・^=)は疑問です。実際に2020年(令和2年)3月に、福島県の『平成31年度包括外部監査報告書(復興事業に係る事務の執行について)』では「只見線全線復旧という精神的価値に54億円を費やし、年間2.1億円の運営費を毎年負担するよりは、会津川口駅〜只見駅間はバス代行輸送にした方が、現実的対応だったと思う。会津川口駅〜只見駅間の鉄路復旧、只見線の全線開通それ自体が、特に経済的価値を生む訳ではなく、過疎、人口減少に対する地域振興策でもない。それを望むのであれば、不通になる以前に達成できていたはずである。只見線が1本に繋がってこそ意味があり、機能を発揮すると考えるのは共同幻想にすぎない。約54億円は別の事業で有効活用できたのではないか。」と指摘しています(1)。ただ、福島県は2011年に多くを失いました。2011年に失ったものは何としても元に戻したいとの思いを感じます。それから12年半を経て福島は元に戻っていないのも事実です。
福島でも練り物が生産されています。おいしいとの事です(24)。福島県は福島産は安全だと広報しています(25)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産練り物はありません。
※1(26)を引用
※2 図の

メーカー所在地は(27)による。
図―7 福島産練り物が無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県須賀川市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
只見線 - Wikipedia(2)
福島第一原子力発電所 - Wikipedia(3)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日 (4)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(5)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(6)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(7)
磐越西線 - Wikipedia(8)
生活情報 - 福島市(9)
福島県高等学校一覧 - Wikipedia(10)
福島県の推計人口(令和5年9月1日現在) - 福島県ホームページ(11)
「福島イノベーション・コースト構想」大学生が取り組みを学ぶ|NHK 福島県のニュース(12)
只見線物語 | 只見線ポータルサイト(13)
【只見線再開通1年】一層の利活用へ検証を(9月26日) | 福島民報(14)
只見町 観光周遊バス「自然首都・只見号」が運行しています! | 只見線ポータルサイト(15)
統計資料一覧 - 福島県ホームページ(16)
八十里越街道 | 新潟・福島をつなぐ観光ルート(17)
上越新幹線 - Wikipedia(18)
只見駅 - Wikipedia(19)
会津川口駅 - Wikipedia(20)
会津宮下駅 - Wikipedia(21)
会津坂下駅 - Wikipedia(22)
西若松駅 - Wikipedia(23)
JR只見線「11年ぶり」復活、地元住民たちの執念 利用者少なくても観光による「経済効果」大きい | ローカル線・公共交通 | 東洋経済オンライン(24)
株式会社夕月(25)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(26)
ザ・ビッグ 須賀川店のチラシ・特売情報 | トクバイ(27)
堀川 (水産加工業) - Wikipedia
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- 2023/10/01(日) 19:57:39|
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