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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

「【12月12日付社説】双葉の中核病院構想/地域再生支える医療構築を」に反論する。

 福島県の地方紙・福島民友は12月12日付社説を
「県は、双葉郡に整備する新たな中核的な病院の基本構想をまとめた。大熊町のJR大野駅近くにある現在の県立大野病院を解体し、現地に新病院を建て替えて2029年度以降の開院を目標とする。」
と、書き出し
「新病院は、双葉郡の医療や介護の連携の核となる役割も担う。開院までの時間を有効に使って、各自治体の診療所や民間病院、介護福祉施設などと万全の協力関係をつくることが求められる。」
と結び、双葉郡の医療・介護体制の充実を主張していた。でも、これ以上の住民の帰還は望めず整備しても無駄になりそうである。
 双葉郡は福島県沿岸部中部に位置する郡で6町2村(広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、浪江町、葛尾村)からなります(2)。福島第一、第二の合計で10機の原発が立地していました(3)。2011年3月の原発事故で、全域が避難指示区域ないしは緊急時避難準備区域に指定され(4)、全町村が避難しました(5)。以下に示します。
事故から約13年を経て汚染されている福島  凡例
 ※1(6)(7)にて作成
 ※2 避難区域は(4)による
 図-1 双葉郡

 ただし、その後に緊急時避難準備区域は解除され、避難指示の区域も順次縮小されていきました。以下に現状の避難区域を示します。
事故から約13年を経て汚染されている双葉郡  凡例
 ※1(6)(7)にて作成
 ※2 避難区域は(4)による
 図-2 双葉郡の避難区域

 一つの病院を除き(8)、医療機関も避難したはずです。避難しなかったの広野町の病院ですが、ここは緊急時には自力で避難する事を条件に、居住が許された緊急時避難準備区域でした(9)。双葉病院(大熊町)では、避難によって多くの犠牲者をだしました(10)。強引に避難すれば犠牲者がでたかもしれないので、妥当な判断ともいえます。でも、患者さんの安全の為に、医療従事者にリスクを負わせて良いかは議論があると思います。
 避難指示が解除され、住民が戻りました。医療の再建が必要です。原発事故前、大熊町には大野病院がありました(11)。福島県は大野病院の再開を決めました。「後継病院には双葉郡8町村の医療機関にない人工透析(腎臓内科)や産婦人科などを含む全20科を設ける。開院時の入院病床数は100床前後とし、人口動向などを踏まえて段階的に250床前後まで増やす」との事です(12)。
 これについて、福島県の地方紙・福島民友は「」との社説で論じていました。当該社説は
「県は、双葉郡に整備する新たな中核的な病院の基本構想をまとめた。」
と書き出し、
「基本構想では、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の推進などを前提に、35年の双葉郡の人口を3万8千人と仮定して病床規模を250床前後に定めた。」
と論じています(1)。
福島イノベーションコースト構想は「東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため、新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクトで、すでに始まっています(13)。
 以下に居住状況を示します。
事故前に比べ大幅に減った双葉郡居住者
  ※1(14)~(25)を集計
  ※2 事故前は(26)による。
 図-3 双葉郡の居住者

 図に示す様に、増加が止まっています。概ね1万8千人です。想定の半分以下です。
 図-2に示す様に広野町や楢葉町はいわき市に隣接しています。いわき市には病院があります(27)。大熊町に大きな病院ができてもわざわざ行くとは思えません。川内村の広報誌は小野町の病院を記事しています(25)。小野町の病院が最寄りのようです。図-2に示す様に葛尾村は田村市に隣接しています。田村市には病院があります(26)。そちらへ行くと思います。大野病院を再開しても利用が見込めるのは、富岡町、大熊町、双葉町と浪江町の4町になりそうです。以下に双葉郡各市町村の居住者数を示します。
広野町と楢葉町に集中する双葉郡居住者
 ※(14)(16)(17)(18)(20)(24)(29)による。
 図-4 双葉郡の町村別居住者

 図に示す様に居住者は広野町や楢葉町で多く、富岡町、大熊町、双葉町と浪江町の4町の合計は5,480人です。
当該社説は「開院当初は100床前後の運営から始め、人口の増加を見ながら段階的な拡充を図る。」とも論じています。対象が5,480人なので、人口千人当たりの病床数は18.2(100÷5,480×1000)になる増す。日本の人口千人当たりの病床数は13.0なので余剰です。
 当該社説は「子育て世代の移住者の双方の医療需要を満たすことが欠かせず」と論じています。今から10年前の2013年11月に双葉郡から1,774人の10代後半女性が避難していました。それから10年、彼女達は20代後半になています。今(2023年11月)、双葉郡に20代後半の現住人口は34人です(26)。2013年11月時点で、双葉郡に暮らしていた10代後半女性のうち10年後に残ったのは1.9%(34話ある1,774×100)です。このようにして計算した10代後半女性が10年後に戻ってくる割合の推移を示します。
若い女性が残らない双葉郡
 ※1(26)を集計
 ※2 日付は10代後半時点
 図-5 双葉郡の10代後半の方が10年後に戻っている割合

 図に示す様に女性が大きく落ち込んでいます。数値を記載すると、原発事故の影響を受けない2001年3月⇒2011年3月では
  男性 81.3%
  女性 72.9%
でしたが、この10年の2013年11月⇒2023年11月では
  男性 25.4%
  女性  1.9%
で、女性が殆ど戻りません。男性だけ戻っても女性が戻られければ子育ては成立しません。当該社説は「子育て世代の移住者」と表記していますが、実態は「子育てしない男性移住者」です。
 当該社説は「新病院は、双葉郡の医療や介護の連携の核となる役割も担う。開院までの時間を有効に使って、各自治体の診療所や民間病院、介護福祉施設などと万全の協力関係をつくることが求められる。」
と結んでいますが、対象となる人数が少なく、当該社説で取り上げた大規模な病院が必要かは疑問がります。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島県が過剰としか思えない病院の再開を決めたかと言えば、大熊町や双葉町に逆らえないからだと思います。大熊町や双葉町は中間貯蔵施設で福島県内で出た除染廃棄物を受け入れました(30)。福島の復興を少しでも前に進めるためには、両町での除染廃棄物の受け入れが必要でした。それでも、原発事故が約13年を経た今も、福島の皆様は放射能の脅威にさらされています。
 今日はクリスマスイブ、イチゴケーキを食べた方も多いと思います。福島のイチゴの出荷がおこなれています(31)。イチゴは福島県須賀川市あたりの特産品です。同市あたりのイチゴはとても甘く、食感が特徴です(32)。福島県は福島産は「安全」だと広報しています(33)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図‐6 福島産イチゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県須賀川市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)【12月12日付社説】双葉の中核病院構想/地域再生支える医療構築を:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(2)双葉郡 - Wikipedia
(3)日本の原子力発電所 - Wikipedia
(4)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(5)双葉郡について | ふたばの教育-福島県双葉郡教育復興ビジョン推進協議会
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(7)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(8)被災地医療の灯消すな 避難指示後も診療 81歳院長の死 福島県広野町:東京新聞 TOKYO Web
(9)緊急時避難準備区域について -首相官邸ホームページ-
(10)双葉病院 - Wikipedia
(11)福島県立大野病院 - Wikipedia
(12)休止の福島県立大野病院(大熊町)、現在地で建て替え 2029年度の開院目指す | 福島民報
(13)「復興・再生のあゆみ」「ふくしま復興のあゆみ」を更新しました - ふくしま復興情報ポータルサイト - 福島県ホームページ
(14)楢葉町内居住者数について|楢葉町公式ホームページ(15)広報なみえ - 広報なみえ - 浪江町ホームページ
(16)浪江町ホームページ トップページ
(17)県内外の避難・居住先別人数/富岡町
(18)住民生活課 - 葛尾村ホームページ
(19)広報かつらお - 葛尾村ホームページ
(20)居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(21)広報ひろの|広野町公式ウェブサイト
(22)広野町公式ウェブサイト
(23)広報かわうち | 川内村公式ホームページ
(24)トップページ | 川内村公式ホームページ
(25)避難状況| 双葉町公式ホームページ
(26)福島県の推計人口(令和5年11月1日現在) - 福島県ホームページ
(27)いわき市の救急病院一覧/ホームメイト
(28)たむら市民病院 -Tamura Municipal Hospital-
(29)人口100人の町のコンビニ、福島・双葉の暮らし支える 日本経済新聞
(30)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(31)イチゴの「ゆうやけベリー」収穫始まる 福島市 | 福島民報
(32)特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ
(33)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(34)ザ・ビッグ 須賀川店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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  1. 2023/12/24(日) 20:17:00|
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