1.測定の原理
食品に含まれる放射性セシウムの測り方は、「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」(1)に詳しく出ています(1)。でも、少し専門用語があるので(=^・^=)なりに解説したいと思います。放射線は1つ、2つ、3つ、・・・と数が数えられます(2)。放射線の数を一定期間数へ、1kgにしたら1秒間に何個の放射線が出るかを計算して、1kg当たりxxベクレルなんて言います。

図―1 1キログラム当たり10ベクレルのモモ
全部の放射線が見えるとして、毎秒3個の放射性セシウムがモモから出ています。2000秒で、6000個です。ももの重さを0.3kg(300g)とすると、1キログラム当たり1秒で
6000個÷2000秒÷0.3g=10
になります。こうして、モモは1キログラム当たり10ベクレルのセシウムがあることになりまます。
では、放射線の数がどのように数えるのでしょうか?以下に放射線計測装置の概念図を示します。

図―2 放射線測定装置の概念図
食品から放射線が出て検出器に入ると電気が発生します。電気は弱いので増幅器で増幅されパソコンに送られます。パソコンで電圧の変化をとらえます。

図―3 検出器からパソコンに送られる波形-(=^・^=)の想像
こんな感じになると思います。これを高さ(電圧)ごとに1個、2個・・と数えます。数えた結果は、以下のようなグラフにまとめられます。

※(3)より引用
図―4 γ線スペクトロメトリーのチャート図
よこに見つかった放射線のエネルギー(電圧)が、縦軸には数を書いた図を作成します。このような図をγ線スペクトロメトリーと呼ぶみたいです。なお、周辺の放射線の影響を抑えるため鉛なので検出器を囲い(シールド)、まわりの放射線が入らないようにします。検出器にゲルマニウムを使う場合は、液体窒素で冷やす必要があります。
2.測定の準備
測定には、バックグラウンドの測定と効率の測定が必要です。
①バックグランドを測る
いくら鉛など覆う(シールド)とは言え、やはり外から放射線が入ってきます。そこで、なにもない状態で、どれだけのエネルギー(電圧)にパルスがどれだけ来るか事前に測っておきます。これをバックグラウンドと言います。実際の測定では、ここで、測定されたバックグランドは、実際の測定から差し引かれます。
。
図―2 バックグラウンドの測定
②効率の測定
食品から出た放射線がすべて検出器に入るわけではありません。(=^・^=)の感覚では1割程度だと思います。aそこで、放射線のうちどれだけ検出器に入るかを事前に測っておきます。全部で、どれだけ放射線が出るかが分かっている液体を決めれた容器にいれ、実際にどれだけの数の放射線が入ったかを測定します。1秒間に1000個(1000ベクレル)の放射線が出ることのわかっている液体を装置に置いたとします。そこで、2000秒測定したら、160、200個の放射線が見つかったとします。また、2000秒で観測された①で示すバックグラウンドが200個とすると、効率は
(160,200個(見つかった放射線の数)-200個(バックグラウンド))÷(1000×2000)(放射線の総数)=0.08
となり、この装置(指定の容器も含む)の効率は8%になります。この値はパソコンに記録しておきます。
2.実際に測定する。
装置の準備ができたら、実際の食品を測定します。福島県が測定の状況を出しています(4)ので、それに沿って説明したいと思います。
①皮や種などの取り、食べれる部分のみにします。
②表面に汚染がないことを確認します(汚染があるものを入れると装置も汚染され装置が使い物にならななくなります)

※(4)をキャプチャ
図―3 サンプルの表面測定
なんか空間放射線量が毎時1マイクロシーベルトもあります。
③サンプルを細かく砕きます。
④事前に指定の容器の重さと、覆うためのビニールの重さを量っておきます(仮に26.33gとします)
⑤モモを指定の容器に可能な限りつめます。
⑥容器を含め重さを測ります(仮に107.87gとします)
⑦サンプルの重さを計算します(④と⑥の仮の値を使うと81.54g(107.87-26.33)になります)

図―4 容器に詰められた「モモ」
指定の容器にしっかりつめないと効率が変わるので、細かく砕いたモモを入れます。
⑧重量などのデータをパソコンに打ち込み測定します。
⑧決められた位置にサンプルを容器と共に載せます。(位置がずれると、検出器に放射線が入らなくなり、値が低くでます)

図―5 装置に入れらている「モモ」(装置の赤い○に注目ください)
⑩しっかり装置のふたを閉め測定を開始します。

図―6 しかっりふたを閉め、ノブを回す。
しっかりふたをしめないと、そとからの放射線が影響し正しく測れない場合があります。
⑪結果を確認します。パソコンがデータを処理し1キロあたりのベクレル数を表示してくれます。
すると図―4のようなチャート図を出してくれます。放射性物質があればその部分が飛び出します。ここではカリウム40が、測定対象物はサンマで、サンマは100g当たり200mg(1kg当たり、2g)のカリウムを含んでいます(5)。そこから、計算するとどのサンマも1キロ当たり60ベクレル程度のカリウム40を含んでいることになりますので、まったく正常な測定だと(=^・^=)は思います。
-参考したサイト様および引用した過去の記事-
(1)
緊急時における食品の放射能測定マニュアル(PDF) - 厚生労働省(2)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(3)
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-382.html(4)
モニタリング検査に関する取組み | ふくしま新発売。(5)
五訂増補日本食品標準成分表:文部科学省の10173
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- 2012/10/12(金) 00:06:26|
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| コメント:2
こんにちわ。こちらでも質問させてくださいm(_ _)m
『全部の放射線が見えるとして、毎秒3個の放射性セシウムがモモから出ています。2000秒で、6000個です。ももの重さを0.3kg(300g)とすると、1キログラム当たり1秒で
6000個÷2000秒÷0.3g=10』
とありますが 何故 2000秒で6000個という数値を出したのでしょうか?
0.3キログラムで3ベクレルを1キログラムあたりに換算すれば良いのですから、単純に
『3÷0.3=10』
で良いと思うのですが。。。
すみません。めげ猫さんと一緒で 細かい所が気になります。
- 2014/01/19(日) 16:17:00 |
- URL |
- かめ吉 #RUd9r8NU
- [ 編集 ]
トータルの放射線をカウントしそこから、時間や重量などの諸々の測定条件を考慮し計算するからです。説明は人によって違うもいの!
- 2014/01/19(日) 17:07:03 |
- URL |
- mekenekotama #-
- [ 編集 ]