食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。そこで、10月3週の食品中の放射性セシウムの検査結果をまとめてみました。お買いものの参考になればいいかなと思います。先月に続き今週もしっかり基準値超えが見つかっています(3)。
①検査数3,595件中48件の基準値超え(全体の1.3%)
②平均は、1キログラム当たり10ベクレル、最大は3,000ベクレル(岩手県産ハツタケ)。
③基準超の食品が、北海道、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、新潟、長野で見つかっています。

※牛肉を除く
※単位については(4)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(10月3週)
色分けは以下の通りです。
赤基準超えの食品が流通または他県に流出した可能性のある県(100Bq/kg以上が見つかっても自粛も出荷制限もない道県を含む)
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
このうち、北海道のマダラと福島県のコメは、出荷制限も自粛もしないそうです。(5)(6)
1.セシウム汚染食品 北海道上陸
北海道、室蘭・胆振沖(流通品)のマダラから、基準値(100Bq/kg)と同じ100Bq/kgの放射性セシウムが見つかりました。基準値以上ですので、基準超えだと(=^・^=)は思います。でも、出荷制限や自粛はないみたいです(5)。福島原発事故が起こったとき、まさか北海道の食材までが放射性セシウムに汚染されるとは思いませんでした。これまでの汚染の広がりをGifアニメにしてみました。

図―1 基準超の放射性セシウムの広がり(厚生労働省のデータ(1))による。
また、今回、基準値(100Bq/kg)以上の放射性セシウムが見つかった北海道胆振沖のマダラの放射性セシウム濃度の推移を以下に示します。原発事故から1年半以上もたつのに、放射性セシウム濃度はいまだ上昇中て感じです。

図―2 北海道・胆振沖のマダラの放射性セシウム濃度推移
2.ゲルマニウムの精密検査と合わない、福島県産米全袋検査
福島県は1部の玄米で精密検査を実施しています。これと全袋検査の比較を以下に示します。
表―1 ゲルマニウム検査装置による検査結果と全袋検査の比較
※(1)(7)による。

まったく合いません。いわき市の全袋検査がでは50Bq/kg以上は約16万袋中5袋ですが、ゲルマニウムによる精密検査では5袋中2袋が50Bq/kg以上です。割合が全く合いません。全袋検査はデタラメと結論するしかないと思います。福島県は、旧市町村毎に、全袋検査の結果を発表しています(1)。その結果では、精密検査が実施された旧市町村の結果は発表されていません。だから独立した結果だとも想像できます。
でも、もう一つの可能性があります。以下に、全袋検査で50Bq/kg以上の袋数と、ゲルマニウム検査装置での精密検査数を示します。

図―3 全袋検査における50Bq/kg以上の数とゲルマニウム精密検査数の比較
殆どの市町村で、50Bq/kg以上の数は、ゲルマニウム精密検査数を少しうわまっています。全袋検査のスクリーニングレベルは60Bq/kgだそうです(6)。スクリーニングレベルを超えたものが、ゲルマニウム精密検査に回されたとも考えられます。すると、福島県は全袋検査を実施しながら結果を公表せず隠匿していることになります(ゲルマニウム精密検査を実施した地区(旧市町村)の全袋検査結果は(1)では公表されていません。それ以外は公表してますが)。都合の悪いデータと想像するのが普通だと思います。なお、ゲルマニウム精密検査の最小値を見ると17,23、24,25(Bq/kg)の米は、もみすり機内のほこりなどで、収穫後に汚染されたので洗って再度の検査をしたそうです(8)(9)(10)。米を洗って再検査するなんて、それ自体が偽装のような気がします。洗えば水を吸い「玄米」とゆう商品として成立しないと思います。
全袋検査とゲルマニウム精密検査が独立しているすれば結果が合わない。全袋検査でスクリーニングレベルを超えた物をゲルマニウム精密検査に回していれば、前段の全袋検査の結果に問題がなければ公表されるような気がします。このような検査を放置する福島県に対し(=^・^=)は強烈な疑念を持っています。
3.基準値を超えると、厚生労働省に報告しない福島県?
以前の記事で、福島県の公表データのうち1部に公表されないものがる旨の記事を
か書きました(5)。今週も似たデータがりますので、これまでと合わせ表にしました。特徴は
①基準値の100Bq/kgを超えている。
②出荷制限が発令されていない。
です。

表―2 厚労省未公表の福島県公表データ
(1)と(2)を(=^・^=)が比較
なんか、汚染データ隠しって感じです。
<余談>
福島県の検査結果をみているといっぱい疑問が湧いてきます。今日、紹介できたのはそのうちの1部であること付記しておきます。順次、記事にしたいと思います。

付図 福島県産米を産地偽装につかった証言する業者―新潟ローカル放送より(読者提供)
―参考したサイト様および引用いた過去の記事―
(1)
農林水産省/厚生労働省(食品中の放射性物質の検査結果)(2)
福島県ホームページ - 組織別 - 公表日ごとのモニタリング検査結果(3)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月2週)-福島県産米全袋検査破綻?(4)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(5)
室蘭沖マダラから100ベクレル 放射性セシウム 道、検査強化へ-北海道新聞[道内](6)
いわき旧川部の玄米1点から100ベクレル(福島民友ニュース)(7)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報(8)
セシウム付着、もみすり機が原因 福島のコメ :日本経済新聞(9)
試験栽培の全袋検査開始 広野 初日 基準値超2袋 流通せず破棄 | 県内ニュース | 福島民報(10)
農機具が原因で汚染 玄米からセシウム検出(福島民友ニュース)
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- 2012/10/20(土) 20:28:06|
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