東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、週毎にまとめて記事にしています。先々週に続き(1)、今週(11月19日~11月24日)もしっかりトラブルが起こっています。福島原発トラブルはあまりニュースになりませが・・
1.セシウム処理装置から水漏れ
福島第一原発では、原子炉を冷やすための水は原子炉を繰り返し利用しています。でも、一度使うと、水にセシウムや余計なものがたまるので浄化して使っています。その様子を以下に示します。

図―1 福島第一原子力発電所の原子炉循環冷却システム
①原子炉で汚染された汚水はタービン建屋から、汲み出され集中廃棄物処理建屋に送られます。
②集中廃棄物建屋の水は、セシウム処理(吸着)装置で、セシウムが除かれ淡水化装置に送られます。
③淡水化装置でセシウム以外の不純物を除き、タンクに貯められます
④タンクから必要に応じ、水が原子炉に送られます。
そして②セシウム処理(吸着)の屋外排気口から、水漏れ(鉛筆太さ程度)が見つかり、11月20日午前8時26分に同装置を停止したそうです(2)。これで一時的ですか、原子炉の冷却システムが機能しなくなったと思います。
以下に水漏れの詳細を示します。

図―2 水漏れの詳細(3)を参考に作成
セシウム処理装置にはサリー(第二セシウム吸着装置)と呼ばれる装置のキュリオン(セシウム吸着装置)とがありますが、おおむねサリーのみ運転しています(4)。サリーは、汚水が入ると2系統に分かれ、いくつかのろ過フィルターでセシウムが順次吸い取られていきます。どころが、ろ過フィルタからガスが出ますので、ろ過フィルタはガス抜き用の配管で、ベントラインにつながっています。でも、ガスにも水分が残っているので中に水が溜ります。そこで、ベントラインとドレインラインを傾斜をつけて繋げ、ガスは上側のベントラインに、水はドレインラインに流れる仕組みにしています。ベントラインの先にはベント(ガス抜き)口がかり、ろ過フィルタから出たガスが出ます。一方、水はドレインラインに流れ、最後は元の原子炉建屋に流れていきます。
ところが、工事の為に水が抜ける部分を閉めてしまいました。そしたら配管の中に水が溜り、ついに出口(ベント口)からあふれ出たそうです(2)(3)。
以下に、水漏れ場所の漏れた水を示します。

※東京電力の資料(5)より作成
図―3 水漏れ箇所と漏れた水
漏れた水は176リットルで、1リットル当たりセシウム134が37万ベクレル、セシウム137が65万ベクレルの合計102万ベクレル放射性セシウムが見つかっています。飲料水の許容値がおおむね1リットル当たり10ベクレルです(6)ので、ある意味、基準値の1000万倍です。
2.下請けさんが骨折
11月21日に下請けさんが骨折してました(7)(8)。4号機の電源盤の新設工事の為にケーブルを引く電路のトレー(重さ340Kg)の片側を3人でを持ち上げて見たとこ、2段になっている支えの一つが外れて持ちきれなくなり、下においてしまったら、その下に足があって骨折したそうです。
⇒ 
<余談>
トラブルにめげずがんばれ、東電!今度、(放射性セシウムの)お漏らしをしたら福島はおしまいです。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(11月3週)―注水系が不安定-(2)
東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について【午後3時30分現在】平成24年11月23日(3)
第二セシウム吸着装置(サリー)ベントラインからの 漏えいの調査結果について(PDF 189KB)(4)
福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 80.5KB)(5)
東京電力 写真・動画集| 第二セシウム吸着装置(サリー)ベントラインからの漏えいについて(6)
[PDF] 食品中の放射性物 質の新たな基準値(7)
福島第一原子力発電所4号機 電源設備新設作業における作業員の負傷について(11月21日発生)(PDF 90.3KB)(8)
映像|写真・映像ライブラリー|東京電力の11月21、22日会見分
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- 2012/11/24(土) 20:33:43|
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