食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。そこで、12月2週の食品中の放射性セシウムの検査結果をまとめてみました。お買いものの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかり基準値超えが見つかっています(3)。
①検査数2,783件中54 件の基準値超え(全体の1.9%)
②平均は、1キログラム当たり10.9ベクレル、最大は1,100ベクレル(福島県産シロメバル)。
③基準超の食品が、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉
で見つかっています。

※牛肉を除く
※単位については(4)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(12月2週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値超えの食品が見つかった県。
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
1.レンコンが初の基準越え
12月14日の発表によると、栃木県産のレンコンから基準値(100(Bq/kg))を超える130(Bq/kg)放射性セシウムが見つかりました。これまでのレコードは福島県産の82(Bq/kg)ですので、新記録です。でも、心配なことがあります。栃木で見つかったセシウム汚染レンコンがどうして福島で見つかっていないか?そこで、福島県のレンコンの検査履歴を確認してみました。2012年の福島県のレンコンの検査はたった1回で
値 83(Bq/kg) -(2011年は43(Bq/kg))
産地 白川市
です。値は基準値ギリギリですし、白川市は福島県南部にあり比較的放射線が低い所です。たとえば、2012年11月の平均の空間放射線量率は
福島市 0.75(μSv/h)
郡山市 0.50(μSv/h)
南相馬市 0.32(μSv/h)
に対し
白川市 0.19(μSv/h)
で、福島の3分1以下、郡山の半分以下です(福島県のデータ(5)を集計)
もし、福島市でレンコンが栽培されていたら
83×0.75÷0.19=328(Bq/kg)
のレンコンが出てくる計算になります。では、福島市には蓮畑(レンコンは蓮の地下茎(6))がないのか?しっかりあります(7)。でも、福島県は検査をしていません。
2.産地外の検査と結果が合わない群馬県産「ナメコ」
マーケットで群馬県産の「ナメコ」から基準値の倍近い190(Bq/kg)のナメコが国立医薬品食品衛生研究所の検査で見つかりました。群馬県はどのような検査をいていたのか気になり、群馬県と国立医薬品食品衛生研究所の検査結果を比較してみました。
表―1 群馬県と国立医薬品食品衛生研究所のナメコの検査結果(2012年度)の比較

最大値も平均値も国立医薬品食品衛生研究所は群馬県の10倍以上です。こんな結果を見て、(=^・^=)はとっても不安になりました。
3.福島県伊達の自主検査は破綻?
福島県伊達市の1次産業の出荷額は140億円で、1位の福島市の185億円に比べ遜色がありません(8)。でも伊達市の面積は福島市の3分の1(伊達市265k㎡、福島768k㎡)人口は4分の1(伊達市6万人、福福島市人口28万人)です(9)(10)。それだけ農業が盛んな市だと思います。
一方、計画的避難区域に隣接し(11)、伊達市内には117地点もの特定避難勧奨地点が点在していました。だから、人が住んでいる地域としては最も放射性セシウムに汚染されていると思います。伊達市では福島原発事故以降も農業生産が行われていたので、最も放射性セシウムに汚染された農業地帯だと(=^・^=)は思います。当然ながら、農業出荷には大きな影響が出たと思います。
伊達市や近隣の伊達郡桑折町、伊達郡国見町を管轄する農協にJA伊達みらいがあります(13)。JA伊達みらいでは、以下の検査体制をとっているそうです(14)。
①放射性物質全戸検査を実施しています。
②選出荷及びJA直売所等に出荷する全ての品目(加工品含む)は、初出荷前に必ず放射性セシウムの検査を実施しています。
簡易検査ではありますが、全戸検査をするのですから福島県より先にセシウム汚染食品を見つけることができると思います。2012年12月11日の発表(1)では伊達市産の大豆は以下の検査結果になりました。
産地 福島県伊達市
品目 大豆
検査数 38 内100(Bq/kg)以上 5
平均 38(Bq/kg) 最大 350(Bq/kg)
これだったら、JA伊達みらいさんの自主検査結果をみてみました(15)。すべての大豆が20(Bq/kg)以下でした。福島県の検査とは余りに違います。(=^・^=)にはJA伊達みらいさんの自主検査は破綻したように思えます。
福島県の今年の検査数を伊達市と福島市について比較してみました。

図―1 主要作物の福島市と福島県伊達市の検査数比較(2012年)
農業規模以上に伊達市の検査数が少なくなっています。福島県はセシウム汚染が相対的にひどい伊達市産の農作物の検査を避けているように(=^・^=)には見えます。特にモモ、リンゴといった果樹類です。(=^・^=)の知る限り果樹は福島県伊達市の農業の主力なのに(3)。
<余談>
食品中の放射性セシウム検査を見ていると、危険を感じ不安になります。結局、怪しげな産地は避けるしかないような気がします。これは風評被害でなく、正当な自己防衛だと(=^・^=)は思います。明日(12月16日)は選挙です。もう二度とこんなことが起こらないように祈って投票しようかな?
それはともかく選挙には行きましょう!
<12月22日追記>
2012年12月3週分を
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月3週)-長野のイノシシが基準超え!クマは?にまとめました。よかったら見てね
―参考したサイト様および引用いた過去の記事―
(1)
農林水産省/厚生労働省(食品中の放射性物質の検査結果)(2)
福島県ホームページ - 組織別 - 公表日ごとのモニタリング検査結果(3)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月1週)-セシウム汚染隠し?福島県(4)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(5)
福島県ホームページ - 組織別 - 過去のデータ"福島県ホームページ - 組織別 - 過去のデータ中の「http://www.pref.fukushima.jp/j/7houbu2012-1101-1130.csv」
(6)
レンコン - Wikipedia(7)
福島市下鳥渡の彼岸花・花見山の蓮・蕎麦畑より吾妻連峰を望む - PEACH’S ROOM - 楽天ブログ(Blog)(8)
福島県 - Wikipedia(9)
伊達市 (福島県) - Wikipedia(10)
福島市 - Wikipedia(11)
警戒区域 計画的避難区域 マップ | 東日本大震災 | 福島民報(12)
特定避難勧奨地点を解除 伊達128世帯と川内1世帯 | 県内ニュース | 福島民報(13)
伊達みらい概要 - JA伊達みらいのホームページ(14)
農作物放射性物質全戸調査の取り組み - JA伊達みらいのホームページ(15)
他の農作物の検査結果(16)
めげ猫「タマ」の日記 友達の為、みんなの為、自分の為、もしよければ日本の為に選挙に行こう!
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- 2012/12/15(土) 19:54:35|
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