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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一原発の「溜り水の処理」について

 福島第一原子力発電所では「溜り水の処理」を行っています。(1)。この系のトラブルを(=^・^=)の記事として取り上げるのですが(2)(3)、あまり詳しい説明を記事にしていません。そこで説明をまとめてみました。

1.「溜り水処理」の目的
①原子炉内の核燃料には大量の放射性物質が残っており、放射線を出し続けています。この放射線は最終的には「熱」になりますので、冷やしてやらないとまた壊れてしまうので、水を回して冷やし続ける必要があります。
②原子炉建屋には「穴」が空いているみたいで、そこから「地下水」がしみだしてきます。しみだした水は、残っている核燃料で「汚染」されます。ほっておくと「汚染」された水があふれ出し、再び海を汚染します。そこで、余分な水をくみ上げ溢れ出ないようにします。

2.装置の構成
以下に(1)を参考に(=^・^=)が作成した構成図を示します。
brg121218a.gif
 図―1 福島第一原子力発電所の原子炉注水系の概要

 ①原子炉のある建物(原子炉建屋)からタービンのある建物(タービン建屋)はくっついて建っていますが、間の壁に穴が空いているみたいです。この穴は、意図して空けた穴でなく、事故で空いてしまったものです。原子炉
建屋の水はこの穴を通ってタービン建屋に移動します。
 ②タービン建屋からポンプで水をくみ出し、一時置きの建物(集中廃棄物処理建屋)に移します。
 ③ここからぽポンプでくみ出しセシウム吸着装置に移動します。ここで、セシウムとそれ以外(水やすトンチウム90等のベータ線(光の速さに近い電子)を出す放射性物質)に分けられます。取り出されたセシウムはいまのところ福島第一原発の中に保管されることになっています。
 ④セシウム除去装置を出た水は、タンクを経て淡水化装置に送られます。淡水化装置で水とそれ以外のカス(ストロンチウム90等を含む)に分けられます。カスの部分は「濃縮塩水受けタンク」等に保管されます。水の部分は、淡水受けタンクに送られ、たくわえらます。淡水化装置では原理的にトリチウム(3重水素)を取り除くことができません。
 ⑤「淡水受けタンク」にタンクに蓄えられた水は、原子炉の炉心スプレイ(CS)系と給水(FDW)系に送られ再び原子炉に注水されます。
brg121118b.gif

  図―2 福島第一原発の原子炉への注水ルート(2)。

3 その他
 ①広大な「溜り水処理」系
 「溜り水処理」系のパイプの引き回しを以下に示します。
brg121218b.jpg
  ※google Mapと(4)より作成
 図―3 「溜り水処理」系のパイプの引き回し
 ざっと見なた感じ、1km×1kmの四角形位の範囲に広がっています。全長で4km程度でしょうか?これだけのパイプ(ホース)の引き回し、どこかで水漏れを起こしても不思議はないと思います。でも、最悪の場合は水漏れなどのトラブルで装置全体が止まることだってあると思います。

 ②1日にタンクローリー40台分の水が毎日たまっていく!
 東京電力の記者会見(5)を見ていると、1日当たり400トンの水が増えているそうです。10トンのタンクローリー(6)が40台分です。もし、原子炉建屋への地下水の流入を止めなければ敷地が一杯になることをあると(=^・^=)は思います。

<追記>
適当に福島第一原発の解説をしてたいと思います。これまで2回の解説をしています。
―福島原発の(=^・^=)の解説―
1回めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の「溜り水の処理」について(本稿)
2回めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の「セシウム吸着(除去)装置」について
3回めげ猫「タマ」の日記  福島第一原発の淡水化装置について

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―

(1)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第77報)|プレスリリース|東京電力
(2)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(11月3週)―注水系が不安定-
(3)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(12月2週)―水漏れ!-
(4)【資料5】中長期ロードマップ進捗状況(概要版)
(5)映像|写真・映像ライブラリー|東京電力
(6)タンクローリー
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  1. 2012/12/18(火) 20:19:56|
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