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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

 福島第一原発の淡水化装置について

 原子炉から出た水はセシウム吸着装置を経て淡水化装置に送られます(1)。この装置のトラブルを(=^・^=)の記事として取り上げるのですが(2)、装置自体のあまり詳しい説明を記事にしていません。そこで説明をまとめてみました。

1.淡水化装置の概要
 福島第一原発では事故直後に海水による冷却を実施しています(3)。その為に、塩分が原子炉内の水に残っています(4)。たとえば2011年7月28日時点の塩素濃度は0.66%(6,600ppm:塩分濃度換算1.7%)です。塩分は塩害を引き起します(5)。だたら塩分を除かないと福島第一原発の原子炉や建物にも塩害が起こる危険があります。このため淡水化装置で塩分などの不純物を取り除きます。
 淡水化装置はRO式のものと蒸発濃縮装置の二つの装置があります。これが2段階で結合されています(6)。その様子を示します。
brg121223a.gif
  図―1 福島第一原発の淡水化装置の並び

 セシウム吸着装置を出た汚水はタンクに保管され、タンクから淡水化装置(RO式)に送られます。ここで塩分などが濃い水(濃縮塩水)と淡水に分離されます。濃縮塩水は専用のタンクに蓄えられます。そのご、一部が蒸発式濃縮装置に送られ、そこでさらに濃い濃縮廃液と淡水に分離されます。なぜ2段重ねにするのか、(=^・^=)が想像するにRO式は低濃度の塩分除去には有利ですが、濃度が高くなると蒸発濃縮の方が有利だと思っています。

2.RO式淡水化装置
 以下にRO式淡水化装置の外観を示します。
brg121223b.jpg
 ※東京電力の資料による(7)。
 図―2 RO式淡水化装置の構造 

どのような構造で動くのか(=^・^=)なりに想像してみます。逆浸透膜(RO膜)(8)は、水の分子より少し大きめの穴が空いた膜です。この膜でできた入れ物に汚水を入れ圧力を加えると、水の分子は穴をすす抜けますが、実質的に大きな塩分は通り抜けることができません。
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 ※(7)(8)(9)より(=^・^=)が推定
 図―3 RO淡水化装置の構成

 RO膜が貼ってあるタンクに圧力をかけてポンプで汚水を送り込みます。水の分子はRO膜をすす抜けるので、すすりぬけた水を集めれば淡水になります。しかし塩分(イオン)は通れないのでそのままです。こうして汚水は塩分の高い部分と低い部分に分かれます。
 この装置の欠点は、塩分濃度が高くなると必要な圧力も高くなることです。必要な圧力は「浸透圧」と呼ばれる圧力(10)より高くなくてはいけません(8)。浸透圧は濃度が高くなるとそれに比例して高くなります(10)。圧力が高くなれば膜が破れてしまうかもしれないし、余計なエネルギーも必要です。だから高くできるの濃度には、おのずと限界があります。この状況は淡水化装置入口(図―1①)と農集塩水のβ核種(β線を出す放射性物質)の濃度の比率をから見てみます。
brg121223d.gif
 東京電力のデータ(11)を(=^・^=)が集計
 図―4 淡水化装置入口(図―1①)と農集塩水のβ核種(β線を出す放射性物質)の濃度の比較
濃縮塩水では1.6程ほど濃くなるだけす。RO淡水化装置で回収できる水の量は4割(1-1÷1.6≒0.4)程度だと思います

3.蒸発濃縮装置
 2項で記載した通りRO淡水化装置では汚水を十分に減らすことが原理的にできません。もっと減らすために蒸発濃縮装置があります。
brg121223e.jpg
 ※東京電力の資料による(7)。
 図―5 蒸発濃縮装置外観

 原理は簡単で、水を蒸発させて水の塩分を分離しようとするものです。ただ効率を良くするために多段フラッシュ装置をしていると思います。(=^・^=)の想像図を以下に示します。
brg121223f.gif
 ※(7)(12)より(=^・^=)が想像
 図―6 蒸発濃縮装置想像図

 水の沸点は気圧が下がれば下がるほど低くなります(13)。だから沸騰されるなら気圧が低い方が効率が良くなります。それでも加熱しなくてはなりません。また、蒸気を水に戻すには冷たい水が必要ですが、汚水であたたんめればその分だけ汚水を温まるので、燃料を節約できます。この性質を利用していると(=^・^=)は想像しています。装置には同じようなユニットが繋がっており、一番隅にある装置には排気装置が取り付けらています。この装置で空気を廃出し気圧を下げます。するとかなり低い温度で水が沸騰し、蒸発します。蒸発した水は汚水で冷やされ、汚水は温まります。となりの層は、排気装置から遠くなるのでその分だけ気圧が上がり沸点も高くなります。そして蒸気の温度も高くなります。だから温まった汚水でも蒸気を水に戻すことができます。そして汚水が温まります。これを何段もつなげば効率よく水を蒸発させることができると(=^・^=)は思います。そしてもう一方の隅に加熱装置を置きます。これで足りない熱を汚水に加えます。それでも結構、エネルギーがいるみたいです(14)。
  
4.増え続ける濃縮塩水
 ①トリチウム(3重水素)
 汚染物質の中で一番厄介なのがトリチウム(3重水素)かもしれません。トリチウムは水素に中性子があたることで原子炉で出来ます(14)。また、トリチウムを含むトリチウム水の性質は普通の水と殆ど変りありません(15)。だから、トリチウムを取り除くことは非常に困難です。
 以下にRO淡水化装置入口(図ー1①)と淡水化された水(図―1②)および濃縮塩水でのトリチウム濃度の比較を示します。
brg121223g.gif
 ※東京電力のデータ(11)(12)を(=^・^=)が集計
 図―7 トリチウム濃度の比較

 トリチウム濃度は殆ど変りません。淡水化装置ではトリチウムを取り除くことはできません。
 ②蒸発濃縮装置は停止状態、増え続ける濃縮塩水
 図―1をみてわかる通り、蒸発濃縮装置が運転されると「濃縮廃液」が増えます。以下に「濃縮廃液」の貯蔵量の推移を示します。今年(2012年)になってからまったく増えていません。蒸留濃縮装置は今年(2012年)は運転されていません。
brg121223h.gif
 ※東京電力のデータ(11)(12)を(=^・^=)が集計
 図―8 「濃縮廃液」の貯蔵量の推移

この結果、「濃縮塩水」が増え続けています。

brg121223i.gif
 ※東京電力のデータ(11)(12)を(=^・^=)が集計
 図―9 「濃縮塩水」の貯蔵量の推移

<余談>
 東京電力の水処理では汚染水を増やさない事を中心に考えているような気がします。現状の滞留水処理設備ではトリチウムを取り除くことはできず、どのような処理をしようと汚水は汚水のままです。蒸発濃縮装置を運転しても意味がないと思っているかもしれません。「滞留水処理設備」の目的は原子炉に注水する水を作ることが目的で、それ以外の水はタンクに保管する事にしていりょうな気が(=^・^=)にはします。


―福島原発の(=^・^=)の解説―
1回めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の「溜り水の処理」について
2回めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の「セシウム吸着(除去)装置」について
3回めげ猫「タマ」の日記  福島第一原発の淡水化装置について(本稿)




(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の「溜り水の処理」について
(2)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(12月2週)―水漏れ!-
(3)福島原子力事故の社内調査情報|東京電力
(4)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第7報)|プレスリリース|東京電力
(5)塩害 - Wikipedia
(6)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第78報)|プレスリリース|東京電力
(7)淡水化装置|東京電力
(8)逆浸透膜 - Wikipedia
(9)淡水化装置概略系統図 - 東京電力
(10)浸透圧 - Wikipedia
(11)報道配布資料 2012年|アーカイブ|東京電力
(12)原子力による海水の淡水化 (01-04-03-03) - ATOMICA -
(13)空気中の水蒸気
(14)海水淡水化 - Wikipedia
(15)トリチウムの詳細な解説[PDF:382KB]
(16)三重水素 - Wikipedia

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  1. 2012/12/23(日) 21:19:55|
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