(=^・^=)はYUIのファンです。悲しいことに、今日(2012年12月31日)を最後に活動休止です(1)。YUIの出世作はたぶん「タイヨウのうた」だと思います(1)。この物語はXP(色素性乾皮症)の少女の物語です(2)。XPは遺伝子の異常で発生する病気です(3)。放射線で遺伝子が傷つきXPが増えないか心配になりました。適当な仮定をして、(=^・^=)なり見積もったら福島では5倍になるとの結果を得ました。以下、詳細に書きます。
色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum ; XP )は、紫外線により生じるDNA損傷の修復に欠損のある常染色体劣性遺伝性疾患です(3)。私たちはお父さん由来の遺伝子とお母さん由来の2つの遺伝子を持っています。血液型で考えるのが分かりやすいともいます。血液型を決める遺伝子はA,B,Oの3種類があります。話を簡単にするために、AとOで考えます。そしてA型の遺伝子は強い(優性)遺伝子で、O型は弱い(劣性)遺伝子です。強い(優性)遺伝子と弱い(劣性)遺伝子が混在すると強い(優性)遺伝子が作用します。だから、遺伝子の型で血液型は以下のように決まります。
遺伝子型 AA - A型(A型の遺伝子がない)
遺伝子型 AO - A型(A型とO型の遺伝子があるが、A型遺伝子の方が強いので)
遺伝子型 OO - O型(O型の遺伝子しかないので)
AO型とA0型(共に血液型はA型)の両親から4人兄弟の家族を考えます。

子供さんは両親はら、Aまたは0の遺伝子を貰うのですが、4通りあります。
①お父さんからA、お母さんからAの人⇒血液型A(Aしかない)。
②お父さんからA、お母さんからOの人⇒血液型A(Aが強い)。
③お父さんから0、お母さんからAの人⇒血液型A(Aが強い)。
④お父さんから0、お母さんからOの人⇒血液型O(Oが強い)。
そのうち、①~③は強いAが作用してA型に、④は0しかないので0型になります。遺伝子には強い(優性)遺伝子と弱い(劣性)遺伝子があり、強い(優性)遺伝子は1個でも作用しますが、弱い(劣性)遺伝子は2つ揃わないと作用しません。
優性遺伝子は優秀な遺伝子と劣性遺伝子は劣っている遺伝子と思っている人いませんか?でも、優性遺伝子は強い遺伝子と劣性遺伝子は弱い遺伝子で優劣があるわけではありません(4)。
XPの遺伝子は劣性遺伝子です。だからXPの遺伝子を持っているだけでは発病しません。XPの遺伝子をもった方同士の間に子供ができたとしたとします。子供さんは以下のようになります。

図ー2 色素性乾皮症(XP)の遺伝と発病
両親はXPの他に正常な遺伝子もあるので発病しません。子供さんは別です。子供さんの4人1人はXPの遺伝子が二つ揃うので発病します。2人に1人はXPの遺伝子を持って生まれますが、1しかないので発病しません。そして残り正常な遺伝子を持つことになると思います。
XPの遺伝子は113人に1人の割合で持っているそうです(3)。結構な割合だと思います。XPの遺伝子を引き継げるのは、半分の子孫だけです。4分の1はXPの遺伝子を持たずに生まれます。4分の1はXPの遺伝子だけになり、発病し子孫を残すことができないと思います。すると
226世代(113×2)
で消滅していいはずです。1世代20年とすると4500年で無くなります。これは人類の起源(5)と比べて極めて短い時間です。では、なぜ残っているのか?この部分の遺伝子が変異しやすい遺伝子で、消えた分だけ供給されるためだと思います。
消えるのは全体で 保有者で226人に1人、全体では25、538人に1人(113(保有者)×226(消える人))
です。
逆にいえば25,538人に1人
の割合でXPの新たない獲得する計算になります。
遺伝子 (gene) はDNA二重らせん構造からなります(6)。

図―3 遺伝子の構造(7)より引用
放射線はDNAに傷をつけるため遺伝的な影響がでると言われています。しかし本来細胞は傷ついたDNAを自ら修復する酵素システムを持っています(6)。だから、二重らせんのうち1本がきれても修復されるような気がします。でも同時に2本切れたら修復は難しくなると思います。DNAが1本切れる確率が放射線に比例するとしれば、2本同時に切れる確率は
DNAが1本切れる確率×DNAが1本切れる確率
になるので、放射線量の自乗に比例してDNAは傷ついていくと思います。
あらたなXP遺伝子の獲得が自然の放射線によって引き起こされると仮定します(あくまで仮定です)。福島市の空間線量率の平常値は
1時間当たり0.04マイクロシーベルト
です(8)。福島市のこれまでの空間放射線量率と今後の見込みを以下に示します。

図―4 福島市の空間放射線線量と積算線量の見積もり(9)より
福島原発事故後5年間(2016年3月11日まで)の平均空間線量率は
1時間当たり0.74マイクロシーベルト
の計算になります。これは平常値の18倍です。放射線量の自乗で増えるとすると
79人に1人(25538÷18÷18)
がXPの遺伝子を獲得することになります。これと従来の113人と合わせると
46人に1人(1÷(1÷113+1÷79)=46)
がXPの遺伝子を持つことになります。そこで通常の場合の発症率と福島で放射線にさらされた中で生まれた方が子供を持つときのXPの罹患確率を計算すると
通常場合 約5万人に1人(113×113×4(4人に1人が発症))
福島の場合 約8千人に1人(46×46×4)
で5倍増です。いま福島に生まれた方に子供ができる頃、タイヨウのうた(XP)みたいな人が急増しないか(=^・^=)は心配です。
タイヨウのうたではYUI演じる主人公が死亡すると、ひまわりいっぱいの棺に納めらるシーンがあります(
タイヨウのうた Taiyou No Uta 8 - YouTube)。福島で「ひまわり」のいっぱいの棺がでませんように!
なお、実際のXPの発症率は
2万2千人に1人
で(3)です。これはXP保因者同士の性交渉がランダムで計算される割合より高いためとも思います。
<余談>
放射線の劣性遺伝に対する影響はまったくわかっていません(1)。(=^・^=)は不安です。そこで仮定だらけの見積もりをしてみました。仮定だらけの記事ですが、可能性は示せたと思います。あとは国の調査に期待します。
少し前の話ですが、細野豪志元環境相は2012年8月30日、東京電力福島第1原発事故の被ばくによる遺伝子への影響を調べるため、来年度から福島県民を対象に「全ゲノム(遺伝情報)解析調査」に着手すると言ったそうです(10)。調査が実施されてばこの問題の解答がでます。でも引き継いだ安倍内閣は結果は絶対にしないと思います。これまで国は福島原発事故の放射線による身体的な影響を一切の説明をしていません。でも、統計を分析すると、出生性比の異常(11)、出生数の減少(12)、死亡率の増加(13)(14)などが認められます。でも、正式な発表はありません。そんな状況ですから、なにが出るか分からい遺伝子調査などしないと思います。
放射線の身体に対する影響が明らかになれば、福島県民は激怒するだろうし、原発の再稼働は消えてしまいます。そして日本は核武装ができなくなります。余計な調査は安倍総理にはメリットがないと思います。
今、(=^・^=)の見てるTVにYUIが出ています。Good Bye daysを歌っています。ひまわりの棺を思いだしました。
―参考にしたサイト様―
(1)
YUI (歌手) - Wikipedia(2)
タイヨウのうた - Wikipedia(3)
難病情報センター | 色素性乾皮症(XP)(4)
優性遺伝と劣性遺伝(5)
人類の起源(6)
遺伝子 - Wikipedia(7)
放射能とDNA損傷(8)
県内7方部 環境放射能測定結果(暫定値)(第1297報)について(PDF:685KB)(24.12.30更新)(9)
めげ猫「タマ」の日記 福島市の積算線量は16.4mSv(11月末まで)(9)
めげ猫「タマ」の日記 放射線による劣性遺伝の突然変異はまったくわかっていない!(10)
福島で「ゲノム解析」 被ばく調査で環境相表明 - 47NEWS(よんななニュース)(11)
めげ猫「タマ」の日記 男の子が生まれ難い!福島 計画的避難区域(2012年12月末集計)(12)
めげ猫「タマ」の日記 福島県の赤ちゃんが減っている(11月末集計)―13ヶ月連続―(13)
めげ猫「タマ」の日記 福島県では、12%も死亡率が上がった。-この1年-(14)
めげ猫「タマ」の日記 福島県の死亡率は交通事故率の10倍も上がったまま!(3~11月集計)
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- 2012/12/31(月) 22:15:59|
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