福島県の地元紙の社説に「東電は<略>汚染水を処理し、海に放出する方針だ。」なんて記載がありました(1)。福島第一原発の敷地はタンクでいっぱいです(2)。ひょっとして東京電力は福島第一原発の「汚水」を、海に捨てると思いました。
東京電力は毎週水曜日に福島第一原発に溜まった放射性物質で汚染された汚水の状況を発表しています(3)(4)(5)中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」。そこで(=^・^=)なりにどれだけの汚水があるか集計してみました。

※東京電力のデータ(3)(4)(5)を集計
図―1 福島第一原発の汚染水の推移
最新(2013年2月20日)の発表では約36万klも溜まっています。これを12klのタンクローリで保管すれば、3万台のタンクローリが必要です。タンクローリの長さを9.2m(6)として1列に並べると、東京の東電本社から福島第一原発の距離(約253km:gooleMapで検索)を少しこえる276kmになります。
こうした汚染水でもっとも量が多いのは「濃縮塩水」です。以下にその推移を示します。

※東京電力のデータ(3)(4)(5)を集計
図―2 福島第一原発の濃縮塩水の推移
おおむね23万klが溜まっています。この濃縮塩水には、ストロンチウム90やトリチウム(放射性の水素)などのβ線を出す放射性物質(β核種)を高濃度で含んでいます。以下に測定結果を示します。

※東京電力のデータ(7)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果」を集計
図―3 濃縮塩水のβ核種濃度の推移
測定毎に上下しますが1リットル当たり2億ベクレル程度でしょうか?東京電力の記者会見(8)をいると、このように高い放射能がある濃縮塩水を放置できないので、APLSの導入を進めています(9)。東京電力の説明によれば、APLSで放射性物質を取り除いた水も海には捨てず保管すると言っています。ALPSではトリチウムは処理できません(1)(8)(9)。しかし、福島第一原発の汚染水には1リットル当たり100万ベクレルのトリチウムが含まれています。

※東京電力のデータ(7)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果」を集計
図―4 福島第一原発の汚水中のトリチウム(放射性の水素)濃度の推移
でも、福島のマスコミは社説ではありますが
「東電は、約60種類の放射性物質を除去する「多核種除去設備(ALPS)」を新たに稼働させて汚染水を処理し、海に放出する方針だ。」
と明確に言い切っています(1)。ここまで言い切るから何かの傍証は得ているような気がします。東電はトリチウムたっぷりの汚染水を海に流すのではないか(=^・^=)は心配です。
福島第一原発の敷地は、タンクでいっぱいです(2)。以下にその様子を示します。

※東京電力の資料(10)中のより作成
図―5 タンクで埋め尽くされた福島第一原発の敷地
いっぱいになれば、溢れ出させ自然に海に流すか、溢れ出す前に海に捨てるしかないと思います。(=^・^=)にはもう一つ気になることがあります。蒸発濃縮装置が全く運転されていないことです。蒸発濃縮装置は濃縮塩水を蒸発させて水とそれ以外に分離します(11)。水を蒸発させるのですから、水以外の不純物(ストロンチウム)なども分離でき、ALPSとほぼ同じ機能を果たすと思います。この装置を運転するとカスとして「濃縮廃液」が出ます。でもその量はここ1年は変動していません。

※東京電力のデータ(3)(4)(5)を集計
図―6 福島第一原発の濃縮廃液の推移
蒸発濃縮装置を運転すればカスである「濃縮廃液」が出て、量が増えるはずですが、殆ど変っていません。1年間、止まったままです。もし東京電力の説明の通り
高い放射能がある濃縮塩水を放置できない
のであれば、ALPSができるまでは蒸発濃縮装置を運転して、濃縮塩水の量を減らせばいいと思います。(=^・^=)はALPSの目的は海に捨てる水を作る事のような気がします。ALPSの進捗(10)を見ていると今年中には動き出し追うな気が(=^・^=)にはします。その時、福島の海はこんなになるんですかね!

図―7 汚水が海に捨てられるまで
<余談>
東京電力は嘘が好きみたいです(12)(13)。ALPSが完成したら、処理した水は「安全」と言い、海に捨てるかもしれません。もし「安全」なら、福島の海でなく(=^・^=)は東京電力が管理する利根川水系のダム(たとえば須田貝ダム(14))に捨てて頂きたいと思います。「安全」なら何処に捨てても良いはずです。利根川水系のダムに捨てるなら「安全」だと(=^・^=)は納得します。
―参考にしたサイト様―
(1)
【原発の汚染水】国が対策の先頭に(2月7日) | 県内ニュース | 福島民報(2)
河北新報 東北のニュース/福島原発、ひしめく汚染水タンク 3キロ圏内上空(3)
プレスリリース 2011年|TEPCOニュース|東京電力(4)
プレスリリース 2012年|TEPCOニュース|東京電力(5)
プレスリリース 2013年|TEPCOニュース|東京電力(6)
車両の紹介 | 株式会社長太(7)
報道配布資料|東京電力(8)
東京電力記者会見|TEPCOニュース|東京電力(9)
PDF] 多核種除去設備について(PDF形式:315KB)(10)
第13回会合(2012年12月25日) 【資料4】中長期ロードマップ進捗状況(概要版)(11)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の淡水化装置について(12)
めげ猫「タマ」の日記 今週もトラブルいっぱい!福島原発(1月3週)―平気で嘘をつく東京電力-(13)
めげ猫「タマ」の日記 国会事故調査委員会に「嘘」報告問題で東電社長国会へ!-これまでの内容と違う?発言-(14)
須田貝ダム - Wikipedia
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- 2013/02/20(水) 21:19:38|
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