昨日(2013/03/05)に、NHKは19時台と21台のニュースに福島第一原発独占取材として福島第一原発からのレポートを放送していました。
①新型の放射性物質除去装置(ALPS)ができれば殆どの放射性物質が除去できるようになる。
②メルトダウンを起こした核燃料(デブリ)は原子炉格納容器内に収まっている。
③福島第一原発では多くの作業員がいる。
④福島第一原発事故は津波で起こった。
など、明らかに事実と異なる報道や評価が分かれる内容の一方を取り上げており、あからさまな嘘報道だと(=^・^=)は思います。
このような嘘報道はつい半月前の2月11日にも行ったばかりです(1)。そして、毎日新聞のHP(2)に
「海洋放出は考えなければならない選択肢」(東電の小森明生常務)となった
と報じています。NHKは過去にも様々な嘘報道を放送しています(1)(3)(4)が、原発事故から2年たってますますエスカレートしている感じです。
NHKは2013/03/05の19時台のニュースで約6分半、21台のニュースで約10分、独占取材として福島第一原発からのリポートを放送していました。特に目新しいものはなかったのですが、明確に事実とは異なる内容や評価が分かれる内容の一方を「事実」として取り上げるなど、あからさまな嘘報道ばかりでした。
①一番大きな課題「福島原発からのゴミの処分場」の確保に触れないNHK
7時台のニュースでは「大きな課題が汚染水と核燃料の取り出しです」と報道しています。

図―1 NHKが放送した福島原発の課題(19時台のニュースより(=^・^=)がキャプチャ)
あまりマスコミは触れないのですが、一番大きな課題は福島第一原発事故処理で出る放射性物質にいっぱい汚染さされたゴミ(放射性廃棄物)の処分です。どこかの処分場に捨てるしかないのですが、どこにも引き受けてはないと思います。でも、2011年12月に発表されたロードマップ(5)には
「搬出」
が明記されています。整理されたゴミは順次、最終処分場に運びだして行くのが本来の姿ですが、処分場がないので福島第一原発の構内に仮置きしているだけす。「汚染水」と「核燃料の取り出し」など、「最終処分場」に比べればかなり小さな課題です。でもNHKはこれを無視し
「大きな課題が汚染水と核燃料の取り出しです」
とアナウンスしました。
②すでに装置があるのに、新型の放射性除去装置で初めてできる
東京電力は新型の放射性物質除去装置ALPSの設置を進めています(6)。

装置の画面を出したあと「こちら(新型の放射性物質除去装置:ALPS)が動き出しますと、これまでは取り除くことができなかった62種類の放射性物質を新たに取り除くことができるようになると言うことです。」
とアナウンスしています。しかし、淡水化装置(RO)でもある程は取り除けます。

図―3 淡水化装置(RO)の入口・出口の放射性セシウム濃度比較(東京電力のデータ(7)を(=^・^=)が集計)
でもNHKは
「これまでは取り除くことができなかった」
と明確にアナウンスし嘘報道をしています。また、蒸発式の淡水化装置なら蒸留水を作るのと同じなのでもっと取り除けると思います(1)理由は分かりませんが、東京電力はまったく運転していません(8)。
③新型装置で「ごく一部の物質を除けば放射性物質は除去される」
NHKは19時台のニュースで、
(新型の放射性物質除去装置:ALPS)は「62種類の放射性物質を新たに取り除くことができるようになる」とアナウンスし、また21時台のニュースでは
「ごく一部の物質を除けば放射性物質は除去される」
とアナウンスしています。

とアナウンスしています。
図―4 新型の放射性物質除去装置(ALPS)が「ごく一部の物質を除けば放射性物質は除去される」とアナウンスするNHKニュース(21時台をキャプチャー)
東京電力はトリチュウム(放射性の水)は取り除けないと明言しています(9)。そのトリチウム濃度は福島第一原発の汚染水中に1リットル当たり100万から200万ベクレル含まれています。

図―5 福島第一原発の汚水中のトリチュウム(放射性の水)の推移(東京電力の発表(7)を集計)
飲料水の基準は1リットル当たり10ベクレルですので、10万~20万倍です。でもNHKはこれを「「ごく一部の物質」としています。(=^・^=)にはごく一部には見えません。NHKはトリチウム(放射性の水)には一切触れていません。
④メルトダウンを起こした核燃料(デブリ)は原子炉格納容器内に収まっている。
21時台のニュースに、以下のような画面がありました。

図―6 NHKが放送した原子炉内部(21時台のニュースをキャプチャ)
メルトダウンを起こした核燃料(デブリ)は原子炉格納容器内に留まっていて格納容器やその外に出ていません。でも実際には、格納容器の外に漏れだしたと推定されています。実際に東京電力の資料(10)では、圧力容器の外に「デブリ」があります。

図―7 東京電力が描画した原子炉内部(東京電力の資料(10)より抜粋)
⑤容器の開発遅れで新型の放射性物質除去装置の稼働が遅れている。
19時台のニュースで、新型の放射性物質除去装置の稼働が遅れているのは「処理後に出る放射性廃棄物帆藩容器の開発遅れているため」とのアナウンスがありました。

図―8 新型装置の稼働遅れを説明するNHKニュース(19時台よりキャプチャー)
でも、東京電力の発表(4)によれば、新型装置(ALPS)の稼働が遅れている理由は、開発遅れでなく「強度不足」です。でもNHKは曖昧にしたままです。
⑦福島第一原発では大勢の作業員がいる。
NHKは21時のニュースで、
「現場では廃炉作業に立ち向かう大勢の作業員の姿がありました」
とアナウンスしています。

図―9 NHKが報道する廃炉作業に立ち向かう大勢の作業員
でも、福島原発の作業員が大勢かは見解が分かれるところです。福島県などは、作業員不足に対する強い懸念を示しています(11)。(=^・^=)には東京電力の立場にたった一方的な報道に見えます。
⑦福島第一原発事故は津波で起こった。
21時台の最後の部分で、リポーターは
「ここを巨大な津波がやってきましした。そしてこの建屋を破壊しました。すべての電源が落ち水素爆発を誘発しました」
と発言しています。
⇒
図―10 NHKの21時台ニュースの後ろの部分
これでは福島原発の水素爆発は津波で起こったみたいです。東京電力は直接の原因は「津波」だとしています(12)が国会事故調査委員会は地震の可能性を否定していません。水素爆発を起こした1号機(13)原子炉建屋4階の非常用復水器が津波ではなく、事前の地震によって壊れ機能しなかった(14)としたら、水素爆発の原因は津波だけでなく地震も関与したことになります。水素爆発が津波で起こったとは確定していません。でもNHKはt東京電力の立場にった一方的な報道をしています。
<余談>
(=^・^=)はNHKのニュースを見て意図を感じました。NHKはやたら保管場所がいっぱいと報道しています。

図-11 保管場所がいっぱいとする21時台NHKニュース
そして新型の放射性物質除去装置ALPSを「切札」としています。

図―12 新型の放射性物質除去装置ALPSを「切札」と放送する21時台NHKニュース
理由はこれまではできなかった(これは明らかに嘘報道です)62種類もの放射性物質が除去できるからです。処理した汚水は安全で、海にながしても大丈夫ですて・・
このような嘘報道は半月前にも行っています(1)。(=^・^=)は悪質だと思います。
嘘報道を繰り返すNHKには存在意義がないばかりか危険な存在です。日本から無くすべきです。そしたら受信料をはらわんくても良くなります。
長くなってすいません。でも、NHKの嘘報道が多すぎたのが原因です。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道?-福島第一原発の新装置は放射性物質が除去できる。-(2)
福島第1原発:東電 処理後汚染水を海に放出計画- 毎日jp(毎日新聞)(3)
めげ猫「タマ」の日記 女川沖のサンマは検出限界以下!NHKの嘘報道?(4)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道?―クマさんの食事風景を初めて撮影(5)
2011年12月21日(プレスリリース)東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ(概要版) (6)
2013年1月31日 (2013年1月の進捗状況).福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉措置等に向けた取り組みの進捗状況(2013年1月) (7)
報道配布資料|アーカイブ|東京電力(8)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の淡水化装置について(9)
福島第一原子力発電所でのトリチウムについて(PDF 475KB)(10)
2012年10月22日 (第3回中長期対策会議)中長期ロードマップの進捗状況 .中長期ロードマップ進捗状況のポイントについて (11)
河北新報ニュース 福島第1原発廃炉作業員不足根強い懸念 福島・地元首長ら(12)
福島原子力事故の社内調査情報|東京電力(13)
福島第一原子力発電所事故の経緯 - Wikipedia(14)
東京電力福島原子力発電所事故調査委員会 - Wikipedia
スポンサーサイト
- 2013/03/06(水) 22:40:26|
- -
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0