安倍出戻り総理は、いわゆるアベノミクスを掲げています。その柱は
①機動的な財政政策
②大胆な金融政策
③民間投資を喚起する成長戦略
ですが(1)、(=^・^=)は上手くいくか心配です。福島県は福島原発事故を契機にこの3つを事実上実現しています。福島県は経済指標を3月26日に発表しました(2)(3)。これと原発事故前の経済指標(3)を比較してみたのですが、福島県の方が「経済的に豊」になったようには見えません。
福島県の年間予算額は原発事故前は9,000億円程度でしたが、原発事故後は倍増しています。

図―1 福島県の予算推移(5)による。
原発事故前2年(2009年、10年)と事故後の2年(11年、12年)を比べると年間9,400億円(補正後)程増えています。福島県のGDPが約7兆円(6)ですので、福島県のGDPの13%に相当する予算が増えました。福島県では「機動的な財政政策」は実施されています。福島原発事故以降預金が増え続けています。
原発事故前(2010年)66,569 億円(3)
2013年1月 79,830 億円(2)
13,261億円で20%も増加しています。

図―2 増え続ける福島県の預金
金利もどんどん下がっています。

図―3 下がり続ける福島県の金利(3)。
銀行は資金が潤沢で貸出金利も安いので実質的に「大胆な金融政策」も実行されています。
福島県は震災後に、大胆な企業立地政策を打ち出しています。その目玉は「ふくしま産業復興企業立地補助金」だと思います。新たに企業が福島に工場や研究所を立てる場合は、最大で75%も補助してくれます(7)。「民間投資を喚起する成長戦略」も実質的に実施されています。福島原発事故をきっかけに福島県では3本の矢が揃ったような気がします。
では経済指標がよくなったか?以下に福島県の経済指標を示します(2)(3)(4)。
表―1 福島県の経済指標

(=^・^=)が注目しているのは、常用雇用者指数です。事故前は101.4だったのが99.2と2.2%減っています。GDPの13%も相当するお金を投入したのに仕事についている人(自営を除く)は逆に2.2%減っています。また、預金は20%も増えたのに貸出は2.9%しか増えていません。福島県だって地震や津波で家や職場が被災した方もいるので復興需要もあると思うのに!
消費も5%しか増えていません。福島県に送られたお金は、福島県から業者さんへ、業者さんは銀行に預金し、借り手のいない銀行は国債を買う。こんなサイクルが出来上がっているような気がします。

図―4 福島県のお金の流れ
<余談>
福島県への復興予算は決してムダ金ではありません。福島県の方は原発事故で大変な被害を受けました。事故から2年たちましたが、いまだに改善されていません。福島県のマスコミの調査によると、福島県民の
80.4%が復興が進んでいると感じないし、
68.5%が放射線を意識している
と答えています(8)。2007年に東京電力柏崎刈羽原子力発電所に想定外の強い入れが起こりました。想定100ガルに対し488ガルの揺れです(9)。そして火災や放射能漏れを起し、大変な風評被害が起きました(10)。この時、総理大臣をしていたのが安倍出戻り総理です(11)安倍出戻り総理が他に想定外がないか点検していたら福島原発事故は防げていたと思います。その出戻り総理を選んだのは、私たちが選挙で選んだ国会議員です。だから福島原発事故は「国民」にも責任があります。福島の方に対し原状回復を実施する責任があります。
でも、アベノミクスは違います。殆どの方とは関係なく、国、県、業者、銀行とお金がくるくる回るだけです。最後に残るのは、業者の安倍内閣への支持と膨大な国の借金だけす。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
アベノミクス - Wikipedia(2)
福島県ホームページ - 組織別 - 福島県年次経済報告書 速報値(平成24年)(3)
福島県ホームページ - 組織別 - 福島県年次経済報告書 2010年版(4)
福島県ホームページ - 組織別 - 福島県年次経済報告書 2010年版(5)
福島県ホームページ - 組織別 - 予算(6)
福島県ホームページ - 組織別 - 福島県県民経済計算(7)
優遇制度 [福島県企業立地ガイド](8)
「復興感じない」8割超 7割近くが依然、放射線意識 | 県内ニュース | 福島民報(9)
めげ猫「タマ」の日記 東京電力原子力改革監視委員会が会見のおかしな説明(10)
柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia(11)
新潟県中越沖地震 - Wikipedia
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- 2013/03/27(水) 21:43:26|
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