めげ猫「タマ」の日記

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あと一人甲状腺癌がでれば福島県の説明は瓦解する―福島健康県民調査―

 福島県県民健康管理調査検討委員会が6月5日に開催されます。先回までに3人の方から甲状腺癌が見つかっています。そして7人に疑いが残っています。もし、あと一人の甲状腺癌が見つかったとすると、福島県の説明が正しいとしても、偶然に起こる確率は0.6%で福島県の説明は瓦解すると思います。
 福島県県民健康管理調査検討委員会の先回(第10回)会合で、子供を対象とした検査で
  調査38、000人中3人から甲状腺癌が見つかり、さらに7人に疑いがある
旨の報告がなされています(1)。およそ13,000人に1人の割合です。一方、普通の子供の甲状腺癌罹患率は
 200万人から100万人
に1人です(2)ので異常な高率です。これに対し福島県は
 ①チェルノブイリの知見では癌が発生するでに4年かかる
 ②福島県県民健康管理調査はこれまでに例がなく比較できるものがない
として、
 福島原発事故
との因果関係を認めていません(3)。
 6月5日には、疑いのある7人のうち何人かの判定が発表されるかもしれません。そしたら、偶然に起こる確率を計算し、特異な結果と言えるか、言えないか検討してみたいと思います。
特定の確率を想定し、偶然に起こる確率を計算するのに「二項分布」と考えがあります。そので2項分布の考えたついて説明します。

 問題1 AさんとBさんが5回のじゃんけん勝負をします。これまでAさんが2勝でBさんが2敗です。Aさんの勝利する確率を求めよ!
 解答例(1)
 すでに2回の勝負が終わっているので、3回の内にAさんが1勝以上する確率を計算すればいいと思います。一つの方法は、すべての起こりうる組み合わせを上げ計算する方法があります。
  ①Aさん3回目でも勝つ確率は2分1です。
  ②Aさんが3回目は負け、4回目は勝つ確率はそれぞれが2分の1なので4分1
  ③Aさんが3回目、4回目も負け5回目で勝つ確率はそれぞれが2分の1で、3回のじゃんけんをするので、8分1です。
  合計すると8分の7です。

 解答例(2)
  3通りも計算するのが面倒だと思う方も多いと思います。5回の勝負のあとAさんが勝つかBさんが勝のふた通りです。Bさんが勝には3連勝をしなくてはなりません。1回のじゃんけんでBさんが勝つか率は2分1です。3回連続して勝確率は8分の1になります。Bさんが勝たなければAさんの勝ちですので、Aさんが勝つ確率は、
  1-1/8=7/8(8分の7)
になります。

 解答例(3)
 3回のじゃんけんなら、こんな方法で計算できますが10、20回となるととても大変です。そこで一般的な公式として2分布があります。
 ①!(階乗)について
  二項分布の計算には!(階乗)を使います。そこで先に階乗について説明します。!(階乗)とは、正の整数を1から順に掛けていった積です。たとえば
  3!=1×2×3=6
  4!=1×2×3×4=24
  5!=1×2×3×4×5=60
です。n!を一般化すると
 n!=1×2×3・・・・(n-3)×(n-2)×n
になります。また
 0!=1
です。
 ②二項分布の計算式
  1回のじゃんけんで勝確率をp
  じゃんけんの回数をn
であらわすとAさんがk回勝つ確率P(k)は
  P(k)=nCkpk(1-p)(n-k)
です。ここで
 nCk=n!÷(n-k)!÷k!
です(4)。ここで
 n!÷(n-k)!は、n!と(n-k)!をそれぞれ計算してから割り算するよりも
 n!÷(n-k)!=n×(n-1)×(n-2)・・・×(n-k)
で計算した方は簡単です。(=^・^=)は以下の数表を使います。
表―1 二項分布の計算例
brg130604a.gif
 1行目 初期値
   ①k:   0
   ②n-k n
③k!: 1
④n!/(n-k)! n
   ⑤nCk:④÷③
   ⑥pk(1-p)(n-k):(1-p)(n)
⑦確率:⑤×⑥(nCk×(1-p)(n)
   ⑧累積:⑦(確率)と同じ

 2行目以降(上の行の値)で計算
   ①k :上の行(①)+1
   ②n-k :上の行(②)-1
   ③k! :上の行(③)×①
   ④n!/(n-k)!:上の行(④)×②
   ⑤ 1行目と同じ計算式
   ⑥pk(1-p)(n-k):上の行(⑦)×p÷(p-1)
 ⑦ 1行目と同じ計算式
   ⑧累積:上の行⑧+⑦

 以上も元にExcelで作成した表が以下の通りです。
  表―1 2項分布の計算結果

 累積のk=0の欄をみると0.125(8分の1)になってますのでAさんが1回も勝てない(すなわち5回勝負で負ける)確率は0.125で、勝つ確率は0.875(1-0.125:すなわち8分の7です)。

 問題2 子供の甲状腺癌の発生確率を100万人に1人とします。福島県県民健康管理調査では、38,114人の子供を検査し、3人から甲状腺癌が見つかっています(1)。このようなことが偶然に起こる確率を計算してみます。
 表―1の
  確率pを100万分1
  母数nを38、114
にします。
 表―2 福島県県民健康調査で甲状腺癌が偶然に起こる確率
brg130604b.gif
 ※E+Xはは10xを示します。

k=2の累積確率を見ると1になっています。3人以上発生する確率は
  1-(k=2)での累積確率
になりますので、殆ど0です。大体は10万分の1です。およそ偶然のは起こりえません。そこで、福島県は
 ①チェルノブイリの知見では癌が発生するでに4年かかる
 ②福島県県民健康管理調査はこれまでに例がなく比較できるものがない
と言い訳しています。

 問題3 福島県の言い訳を前提にして、偶然に起こる確率を計算せよ。ただし、成人(1歳以上)の甲状腺癌の罹患率は1年間に人口100万人当たり15人とします(2)。また、10歳以下20,564人、11歳以上15歳以下が11,466 です。
 福島県の言い訳の①では4年後には甲状腺癌が見つかるので、発生確率は4年分とします。4年後に10歳以下の方は4年後も14歳以下で子供なので、子供の子供発生確率4年分として、100万人に4人です。
 11~15歳の方の中心年齢は13歳でしょうか?13歳の方は2年間は子供(15歳以下)で、後の2年は成人(15歳以上)なので、子供の確率2年分と大人の確率2年分とします。合計で100万分の32です。16歳以上の方は4年間大人なので、大人4人分として、100万分の60を確率とします。そこで、全体の平均確率を計算します。

 表―3 平均の発生確率
brg130604c.gif

この確率を利用して、表―1と同じ方法で計算します。

 表―4 福島県の言い訳を仮定した偶然に起こる確率の計算結果
brg130604d.gif

k=2での累積確率は0.95ですので、二人以下である確率は95%です。逆に言えば3人以上の甲状腺癌が偶然に見つかる確率は5%です。偶然と言い張っても何とかなりそうな気がします。でもK=3での累積確率は0.99です。3人以下である確率が99%なので、4人以上の甲状腺癌が偶然に見つかる確率は1%です。偶然との主張には無理があると思います。疑いのある7人全員が大丈夫であることは残念ながらまずないような気がします。明日(2013年6月5日)の福島県県民健康管理調査検討委員会を(=^・^=)は注目したいと思います。

<お詫び>
 数学的な説明で、ウンザリした方が多いと思います(__)。でも、国や自治体の発表をみているとおかしな説明や動きが多々あります。
 福島県は人為的な操作で放射線の測定値を実態よりは大幅に低くでるようにしています(5)。
 栃木県は基準超えの放射性セシウムが流通しているにも関わらず
  「安心してお召し上がりください」
と広報しています(6)。
 国は環境白書で「東京電力福島第1原発事故による放射性物質汚染について「影響は甚大」と記すにとどめるなど」福島原発事故をスルーしようとしています(7)。
 このような状況では、統計的な分析を行い「妥当性」を検証していく作業が必要です。数学的な話は有効な手段であることをご理解ください。でもやっぱりごめんなさい(__)。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県ホームページ - 組織別 - 県民健康管理調査検討委員会
(2)ガンの自然発生
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島の甲状腺がんは3人目!―偶然に起こる確率は0.04%―
(4)二項分布 - Wikipedia
(5)めげ猫「タマ」の日記 5月測定器の周りを除染で福島県の放射線量が激減!―補正式が必要
(6)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2013年5月)-汚染食材を見つけられない山形県-
(7)原発事故の表現後退 13年版環境白書 - 中国新聞
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  1. 2013/06/04(火) 20:48:31|
  2. -
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