食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。8月4週中の食品中の放射性セシウムの検査結果をまとめてみました。お買いものの参考になればいいかなと思います。7月2週も続き先週に続きしっかり基準値超えが見つかっています(3)。
①検査数1,721件中27件の基準値超え(全体の1.6%)
②平均は、1キログラム当たり15.6ベクレル、最大1000ベクレル(栃木県産シカ)。
③基準超の食品が福島、茨城、栃木、群馬
で見つかっています。

※牛肉を除く
※単位については(4)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2013年8月4週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
1.基準超えの茨城産シイタケがマーケットに流出―原因は検査をせず放置―
厚生労働省の発表(5)によると、市場に流通している茨城県産のシイタケから基準値(5)を以上の1kg当たり
110ベクレルと100ベクレル
の放射性セシウムが見つかりました。以下に茨城県産のシイタケの放射性セシウム濃度の推移を示します。

※(1)を集計
図―2 茨城県産シイタケ(菌床、施設栽培を除く)の放射性セシウム濃度(Geでの検査分)の推移
最近は上昇傾向にあります。もっとおどろたのは、2012年4月以降1年4ヶ月以上も茨城県が検査していないことです。さらに以下に茨城県の原木シイタケ(露地栽培)の検査状況を示しますが、現基準施行前は多くの市町村で現基準を超えれるシイタケが見つかっているのに、現基準実施後は全く検査していません。

※(1)を集計
図―3 茨城県の検査状況
でも茨城県は
「徹底的に検査を行い安全であることを確認しております。」
と広報しています。

図―4 「徹底的に検査を行い安全であることを確認しております。」と広報する茨城県
これって茨城産しいたけだけでしょうか?他県や多品目は大丈夫でしょうか?
2.セシウム汚染の発表を止めた農林水産省
先週(2013年8月17日)までは、農林水産省は
http://www.maff.go.jp/noutiku_eikyo/mhlw3.html
農林水産省/厚生労働省(食品中の放射性物質の検査結果)
で、食品の放射性セシウム濃度の検査結果についてまとめて公表していました。今日(2013年8月24日)にアクセスしたら、消えていました。そろそろセシウムのことも忘れたので、知らんぷりなんて思いたくなります。福島県産の桃の売り上げが回復しているそうです(8)。
(=^・^=)が福島県の発表データを見る限り、放射性物質の高い所の検査を避け、生産量に関係なく放射性物質汚染の低い場所の物を検査しているように見えます(3)(9)。福島第一原発から陸側に新たな放射性物質漏れが起こっている兆候もありますし(10)、避難区域の農業再開にともない新たなセシウム汚染食品が生まれる危険もあると思います(11)。今も放射性物質汚染は続いていると思います。消費者が警戒を怠ると国や産地はそれに便乗し、セシウム汚染食品問題をウヤムヤにすると思います。
3.今年もデタラメナな福島県産米全袋検査が始動
福島県でも、二本松市渋川で早場米の収穫が始まりました(12)。

※(13)をキャプチャー
図―4 福島県二本松市渋川での収穫風景
収穫された米は簡易的な全袋検査に回された結果、「測定下限値は、1キログラムあたり10ベクレルで、結果はすべて国の基準値以下でした。」だそうです。検査はJAみちのく安達杉田駄子内で実施されたそうです(13)(14)。(=^・^=)はきななったので、どんな場所で検査されたか調べてみました。

※(15)をキャプチャーの上、加筆
図―5 福島県二本松市杉田の農協施設付近
JAさんの施設のから100mくらいの杉田住民センターの放射線量は1時間当たり0.37マイクロシーベルトです(15)。1キログラム当たり8000ベクレルの放射性セシウムのある場所では1000時間で1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)に相当するそうです(16)。1時間当たり1マイクロシーベルトです。0.37マイクロシーベルトですと、1キログラム当たり約3000ベクレルになります。収穫されたお米は全袋検査に回されますが、そんな環境下で基準値の1グラム当たり100ベクレルを満たす精度で測れるとは(=^・^=)にはとても思えません。
福島県産米全袋検査は最終的な精度を担保するには精密な検査との比較が必要です。(=^・^=)はずっとこのデータを探しているのですが、福島県のデータを見たことがありません。仕方なく、全袋検査で1キログラム当たり60~75ベクレルの米が精密検査でどの程度の値になる調べれみました(17)。結果は以下の通りです。

※(17)を引用
図―6 全袋検査で60~75(Bq/kg)と推定される福島県産米の精密検査結果
全袋検査では、1キログラム当たり60~75ベクレルなのに精密検査をすると検出限界以下から基準値(5)の3倍以上の300ベクレルまでばらついています。全袋検査は現行の基準に対し、十分な精度がないと思います。
東京電力ですら高線量下の測定で放射性物質濃度の測定をミスっています(18)。にわか検査員がミスらずに検査がせきるとは(=^・^=)には思えません。
福島県のマスコミは農家さんが
「安全が証明された、おいしいコメを多くの人に味わってほしい」
と報じていますが、(=^・^=)には「安全が証明された」とは思えません。
<余談>
①一年以上も検査しておらずセシウム汚染食品を流失させたにも関わらず「徹底的に検査を行い安全であることを確認しております。」と広報する産地
②危険があるのに情報提供を止めてしまう行政
③いい加減な全袋検査を根拠に「安全・安心」を主張する産地
食品中の放射性セシウムの検査を見ていると(=^・^=)は危険を感じ不安になります。結局、怪しげな産地は避けるしかないような気がします。これは風評被害でなく、正当な自己防衛だと(=^・^=)は思います。
―参考したサイト様および引用いた過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
福島県ホームページ - 組織別 - 公表日ごとのモニタリング検査結果(3)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月3週)―伊達市の検査を避ける福島県?(4)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(5)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(6)
食品中の放射性物質の検査結果について(第711報)(7)
■ 消費者の皆様へ(8)
モモ:福島の売り上げ回復「震災前より忙しい」 - 毎日jp(毎日新聞)(9)
めげ猫「タマ」の日記 福島県伊達市の農作物は1部しか放射性物質検査されていない?(10)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から陸への放射性物漏れも再発した?(11)
めげ猫「タマ」の日記 福島原発・避難区域再編完了―農業再開で、新たなセシウム汚染食品の産地誕生?(12)
「安心」を収穫 二本松で早場米刈り取り | 県内ニュース | 福島民報(13)
福島中央テレビ [FCTニュース](14)
全袋検査 二本松トップに始まる 25年産米の放射性物質 | 県内ニュース | 福島民報(15)
福島県放射能測定マップ(16)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月)-デタラメな放射性セシウム検査は「福島産=汚物」にする。(17)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月)-デタラメな放射性セシウム検査は「福島産=汚物」にする。(18)
福島第一原子力発電所におけるガンマ線放出核種分析の評価について(PDF 25.3KB)
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- 2013/08/24(土) 20:57:29|
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