東京電力福島第一原発の汚染水流出問題を受け、茂木敏充経済産業相は28日、くみ上げた汚染水から約60種の放射性物質を取り除くことができる「多核種除去設備(ALPS)」の増設を国の責任で進める考えを明らかにしたそうです(1)。でも何処につくりのでしょうか?福島第一原発の敷地はいっぱいです。現有の「多核種除去設備(ALPS)」ですら、駐車場をつぶして作っています。

※(2)を抜粋
図―1 敷地が一杯の福島第一原発
福島第一原発では毎日400トン程度の汚水が増えていますが(3)、汚水を処理したあとタンクに保管しています(4)。

※(3)(4)より作成
図―2 福島第一原発の汚水処理ブロック図
この中で最も危険なののが、「濃色塩水」だと思います。この水は原子炉からくみ揚げた汚水から「淡水」を取り出したあとの「カス」です。1リットル当たり1億ベクレルの放射性物質を含んでいます(5)。

※(5)などのを元に作成
図―3 濃縮塩水の放射性物質濃度の推移
福島第一原発内に保管されている汚水では「濃縮塩水」が大部分です。

※(4)を元に作成
図―4 福島第一原発に保管されている種類別汚染水
「多核種除去設備(ALPS)」はトリチウム(放射性の水素:概ねトリチウム水として存在)を除くことはできませんが、たの放射性物質は水とカスに分離できます。「多核種除去設備(ALPS)」を増設し処理を進めると汚水の放射性物質濃度が低下するので、今後もあるであろう汚水漏れのリスクを下げることができいます。
そのためでしょうか?茂木敏充経済産業相は8月28日、くみ上げた汚染水から約60種の放射性物質を取り除くことができる「多核種除去設備(ALPS)」の増設を国の責任で進める考えを明らかにした(1)と思います。
でも(=^・^=)は大臣の苦し紛れの無責任な発言だと思います。図―1に示すとおり、福島第一原発の敷地は汚水タンクや放射性物質に汚染された瓦礫でいっぱいです。このたとタンクも増設もするみたですし、核燃料を取り出せ(7)ば保管場所も用意しておく必要があります。
「多核種除去設備(ALPS)」はすでに福島第一原発内に設置されていますが、GooleMapでみると元々は駐車場として使われていました。

(a)「多核種除去設備(ALPS)」の位置 (b)従前の状態
※(2)とGoogle mapで作成
図―5 「多核種除去設備(ALPS)」の設置位置と従前の状態
福島第一原発の復旧作業に向かには「車」しか手段がないと思います。福島第一原発の始末には多くの人手が必要ですので、駐車場は絶対に必要な設備ですが、潰されてしまいました。それだけ土地がたりないと思います。
<余談>
福島原発事故直後に今年度(2013年度)までに完了する計画でしたが、安倍出戻り内閣はギブアップみたいです(9)。「多核種除去設備(ALPS)」の増設もリップサービスだったりして。報道を見る限り「予備費」を使う(1)以外は、具体的な案はないような気がします。
-参考にしたサイト様および引用した過去の記事-
(1)
国責任でALPS増設 経産相、来月解決策を公表 第一原発汚染水対策 | 県内ニュース | 福島民報(2)
【資料2】中長期ロードマップ進捗状況(概要版)(2.30MB)(3)
クローズアップ2013:汚染水対策、赤信号 「最後のとりで」地上タンク漏れ 「経営最大の危機」- 毎日jp(毎日新聞)(4)
福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第114報)|東京電力(5)
水処理設備の放射能濃度測定結果(PDF 56.7KB)(6)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道?-福島第一原発の新装置は放射性物質が除去できる。-(7)
福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉措置等に向けた中長期ロードマップ|東京電力(8)
「森林除染」範囲拡大へ 除染、がれき計画は遅延(福島民友ニュース)
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- 2013/08/29(木) 22:41:22|
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