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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい!福島原発(8月5週)―陸へも放射性物質漏れ-

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、今週(8月24日から29日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.下請けさんが汚水を浴びる?
 8月28日午前10時35分頃、汚水漏れを起こしたタンクの水を移送する作業をしていた下請けさんの頭部、顔面および胸部に放射性物質が着いているのが見つかりました(2)。汚水でも浴びたんせしょうか?

2.陸へも放射性物質もれ
 双葉町のモニタリングポスト(放射線量観測点)で8月19日に計測した空間線量が、午前8時の毎時1.09マイクロシーベルトから午後1時50分には毎時1.19マイクロシーベルトに上昇しましたが、当時雨は降っていなかった。原発方向から毎秒1~2メートルの風も吹いてました(4)。また、当日は福島原発内でダストモニタ(空気中の放射性物質を測る機械)から警報も出ています(1)。
 これについて福島県は8gつ27日、当時の気象条件から「(放射性セシウムの)放出源は福島第1原発」との推定を発表したそうです。
 福島原発では海への高い濃度の放射性物質を含む汚水もれが継続中ですが、海ばかりでなく陸への放射性物質漏れも起こったみたいです。

3.汚水漏れに1ヶ月以上気づかず
 福島第一原発の汚水タンクから高濃度(1リットル当たり8000万ベクレル)の放射性セシウムの汚水漏れが8月19日にはっかくしましたが(5)、8月27日にパトロールの東電社員様の放射線量が7月初めより、時々ですが異常な値を示していることが分かったとしています。
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 ※東京電力の発表(5)より作成
 図―1 汚水タンクパトロール員(東電社員様)のパトロール毎の被ばく線量(ベータ線)

 そのため7月にはタンクからの汚水漏れが始まっている可能性を示しました。だとすると汚水漏れがみつかって1ヶ月以上も気づかなったことになります。

4.ころころ変わるタンクのリプレース
 福島第一原発で汚水漏れを起したタンクは何枚かの鉄板をつなぎ合わせてつくったものです。鉄板と鉄板の間にパッキンをいれボルトで締めて汚水が出ないようにしています(5)。
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※東京電力の発表(5)(6)より引用
 図―2 汚水漏れを起したタンクの鉄板と鉄板のつなぎ目

 このタイプのタンクは汚染漏れが発覚する以前から、東電の下請けさんなどは恐れていました。原子力規制庁が5月23日に下請けさんからおこなったヒヤリングに
「溶接ではないボルト式のタンクがあり、いつまで持つか不安を持っている」なんて記述があります(7)。この情報は東京電力に伝わっていないはずがありません。でもリプレースはできなかったと思います。実際、8月27日の特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループでは(8)ではリプレースを求めていません。
 でも福島県のマスコミの報道によると、東京電力の石崎芳行副社長(福島復興本社代表)は8月29日、県庁で記者会見し、汚染水漏れが確認されたボルト型タンクについて「できるだけ早く替えたい」との考えを示したそうです(9)。本当にできるならいいですが、「できるだけ早く」は「遠い未来」になると思いますが、これって騙してませんかね。

5.今度は水位計が故障
 福島第一原発の海岸では地下水を測っています。そのうちNo1-4の井戸の水位が突然あがり、地表すれすれになる現象がでています。
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 データを見ていると地上すれすれまで水位が上昇し今にも汚水が地面から吹き出しそうです。これまで東京電力は会見(10)で地盤を薬液で固め汚水もれを防ぐ工事の影響としていましたが、突然に
 地盤を固める薬液で井戸が埋まってしまい、No1-4の水位が正確に測れなくなった
と見解を変えました。以下に薬液で一杯になったNo1-4井戸を示します。
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 ※特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ(8)の8月30日付資料
 図ー4 工事用の薬液が溢れそうになったNo1-4井戸

以下に工事個所とNo1-4井戸の位置を示しますが、目分量ですが10mは離れているような気がします。
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 ※特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ(8)の8月30日付資料
 図―5 工事個所とNo1-4位置の位置

 10mも先に薬液が漏れ出すなんて、福島第一原発の地下はスカスカですかね。

7.いまだ汚水漏れの原因は分からず
 7月22日に東電が福島第一原発からの汚水漏れを認め、8月20日に300トンの汚水漏れがみつかったのですが(8)、今日(8月30日)に原子力規制委員会が開かれましたが、原因の説明はありませんでした。原因が分からなければ効果的な対策もとれないので、再発すると思います。

<余談>
 政府や東京電力はいろいろな対策を打ち出しています。地下水バイパスとか(11)、「多核種除去設備(ALPS)」の増設とかですが(12)、問題がないと言えないと思います。8月30日の東京電力の会見(10)で「現場の人は目の前の仕事の処理に追われている」と発言がありました。これが福島第一原発の実態!

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(8月4週)―原子力規制委、東電に怒る-
(2)東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について|東京電力 平成25年8月28日
(3)河北新報 内外のニュース/大気中のセシウム濃度一時上昇 福島県「放出源は原発」
(4)双葉の放射線量上昇、放出源は福島第1原発か(福島民友ニュース)
(5)2013年8月27日(汚染水対策検討WG第4回資料)H4タンクエリアにおける汚染水の漏えいについて(PDF 4.61MB)
(6)東京電力 写真・動画集| H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について
(7)協力企業責任者との意見交換会について
(8)特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ|会議|原子力規制委員会
(9)「タンク早く替えたい」 東電石崎副社長が汚染水問題で認識 | 県内ニュース | 福島民報
(10)映像|写真・映像ライブラリー|東京電力
(11)めげ猫「タマ」の日記 地下水バイパス計画を福島の漁師さんが事実上容認-でもうまくいくの?
(12)めげ猫「タマ」の日記 国責任でALPS増設 経産相ーでも何処に作るの?
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  1. 2013/08/30(金) 21:18:10|
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