東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、今週(9月14日から9月20日)もしっかりトラブルが起こっています。
1.第一原発3号機から蒸気
東京電力の発表によると(2)、9月15日午前8時頃、9月17日午前8時頃,9月18日午前8時の3回も、3号機原子炉建屋5階中央部近傍(機器貯蔵プール側)より湯気が出たのが見つかったそうです。9月13日も湯気が出たばかりです(1)。
気象庁のデータを見ると濃霧が生じるような急激な気温低下もありませんし、湯気が出る前に雨が降った様子もありません。

※(3)とGoogle Mapより作成
図ー1 福島第一原発付近のアメダス観測点と気温
しいて言えば、風速が急に小さくなっています。福島第一原発3号機には、「湯気」を発生させる熱源があり、風が弱くなったので湯気が飛ばされず見えるようになったと考えるのが自然ではないでしょうか?
1,2号機からは「湯気」が確認されてないので、「湯気」は3号機特有のものだと思います。他に(=^・^=)が知ってる3号機特有なものは福島原発事故の5ヶ月前から、プルサーマル(プルトニウムを利用した原子力発電)が始まっています(4)(5)。ウラン235は15キログラム以上集まらないと核分裂は再開しませんが、プルトニウム239なら5キログラム集まれま、核分裂反応が起こるそうです(6)。
2.汚染水タンクの堰から水が溢れだす。
9月15日13時8分に、福島第一原発に降った雨で、汚染水タンクが並んでいるBエリア南側の堰内の溜まり水が溢れ出てしまいまいた。東電は堰の中の水を汲み上げタンクにうつしたそうです(7)

※(8)(1)とGoogle Mapで作成
図―2 Bエリアの位置
Bエリアのタンクは汚水漏れを起したタンクとほぼ同じタイプだそうです(8)。もし汚水漏れが起こってたらどうするんすかね。近くには海に通じる排水溝があります。なお漏れた汚染水には1リットル当たり37ベクレルのストロンチウム90等のベータ線を出す放射性物質が含まれていました(14)。
3.土嚢が崩れ、汚染水が再び海へ?
図―2の排水溝に汚染水が海に流れないように土のうを積んだのですが、9月15日13時30分頃に確認したら流されていました(9)。東京電力は土のうが流れる前に排水以降の汚水はポンプによって回収したとしてますが、土のうより下流のサンプリングポイントの放射性物質濃度は1リットル当たり71ベクレルまで上がってます(10)。この値はストロンチウムの基準値の1リットル当たり30ベクレル(11)より大きな値です。(=^・^=)は土のうでせき止められていた基準を超えた汚染水が海に流れたと思います。

※(10)他にて作成
図ー3 排水溝のサンプリングポイントの放射性物質濃度推移
4.放射性物質2000万ベクレル以上の汚水を海へ
福島第一原発の傍を台風が襲い雨がふりましたが、汚水を貯めるタンクの周りを囲む堰が雨水で一杯になりました(12)。東京電力は福島県や原子力規制庁に無断で、雨水を放出しました。

※(13)をキャプチャー
図―4 無断で堰内の水を排水したと報じる福島放送(FTV)
東京電力は当初はセシウムはあるはずがないので測定の必要がないと言っていました(12)が、堰から出た後の排水の放射性セシウム濃度を測ったら最大で
1リットル当たり210ベクレル
の放射性セシウムが見つかっています。これって飲料水の基準の20倍以上ですね(12)。
(=^・^=)なり集計したら漏れた放射性セシウムの量は1500万ベクレル以上でした。またストロンチウム90等のベータ線を出す放射性物質も885万ベクレルでています。
5.タンクから水漏れ
9月17日午後1時15分頃に原子炉冷却用の水を保管しているタンクから水が溢れました。東電社員様がダムから水を引くために、タンク入口弁(手動弁)を開いたあと、他の作業を行ってい水位監視をおろそかにしたため、溢れてしまったとのことです。なお、溢れた水の量は約20トンみたいです(16)。
6.排気等に傷―でもなにもできません
原子力発電所には排気塔と呼ばれる高い構造物があります。

※(16)を引用
図ー5 福島第一原発外観
トリチウムやキセノンなどの希ガスといった放射性のガスをまき散らし濃度を薄めるためにあります(17)が、その排気塔で8か所に傷が見つかりました(18)。

※(19)を引用
図―6 排気塔で見つかった傷
でも放射線が強くどうすることもできないそうです。東電は大丈夫だと言っていますが
7.放射性物質拡散
汚水漏れを起したタンクの南側に放射性物質濃度を観測するめの井戸があります(20)。

※Google mapと(20)で作成
図―7 汚染水漏れタンクと井戸の位置
その井戸のトリチウム(放射性水素)(21)の濃度が大幅に下がっています。

(a)E-1井戸 (b)E-4井戸
※(20)などで作成
図ー8 汚染水もれを起こしたタンク付近の井戸水のトリチウム濃度
トリチウムが無くなるわけもないので、拡散してしまったと考えるのが普通だとおもいます。
8.福島第一原発では5、6号機からも汚水漏れ
福島第一原発の5、6号機からも海への汚水漏れがあるとの発表がありました(22)。5、6号機は冷却の為に汚水漏れ先である港湾部から海水を取り入れ外洋に出しているそうですが、港湾部の海水は既に汚染されているので、汚染された海水が海洋にでるとのことです(22)。以下に汚染水の漏れルートをまとめて記載します。

図ー9 福島第一原発の汚染水漏れルート
9.東電、賠償金をだまし取られる
福島第一原発事故で風評被害にあったとして東電から賠償金をだまし取った方が、9月19日までに7人が逮捕され、4300万円がだまし取られていました。

※(23)をキャプチャー
図ー10 「逮捕者7人、だまし取った金はおよそ4300万円」と報じる福島テレビ(FTV)
でもこれって氷山の一角のような気がします。福島県の資料から推計すると、原発事故による経済的な損失は6000億程度ですが、東京電力は倍以上の1兆4千億の補償(精神的損害を除く)を1年間に払っています(24)。福島県二本松市や本宮市のシイタケ農家さんは市場価格の2倍の1キロ当たり2000千円で、損害賠償を請求しているようです(25)。
10.堰の弁から水が噴きす
8月19日午前10時40分頃、福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンク堰のドレン弁から水が出ていることを、パトロール中の当社社員が発見しました(26)。弁を締めたら止まったとゆうので閉め忘れだとは思いますが、気象庁のデータ(3)を見ると福島原発近くの浪江も富岡も雨が降ってません。漏れた水はどこから来たんですかね?新たな汚染水漏れなんてことないですよね
11.3400トン分のタンクが無くなる
福島第一原発ではあっちこっちから溢れ出る汚水を汲み上げタンクに保管しています。でもそのうちタンクで敷地がいっぱいになってオーバーフローするXディがやってくると思います(27)。その貴重なタンクのうち3400トン分が使えなくなりました。
①9月16日にタンクを囲む堰の水が溢れそうになったので、堰内の水をタンクに移しました。東京電力の発表(28)を集計した1400トンをタンクに移したことになります。この水は最大で1リットル当たり17000ベクレルの放射性セシウムを含むので(28)
②汚水漏れを起したタンクとその傍にあるタンクを東京電力は解体しました(29)。タンク2つですので2000トン分でしょうか?①と合わせ今週3400トン分の貴重なタンクが実質的に無くなりました。
12.配管を壊し水漏れ
9月19日午前9時10分頃、福島第一原子力発電所1号機海側4m盤のポンプ室南側付近の消火配管をガレキ撤去作業中に誤って切断し配管から、約300リットルの水漏れを起きました(30)(31)。漏れた水の表面から1時間あたり300~700マイクロシーベルトの放射線が出ていたそうです。漏れた水は綺麗でも、漏れた瞬間に地上のセシウムに汚染され汚染水誕生ってこと?、
<余談>
福島県は9月20日の未明に地震が発生しました。気象庁の発表(32)を見ると、福島第一原発付近の震度は4程度みたいです。

※気象庁の発表(32)とGoogle Mapで作成
図ー11 2013年9月20日の地震
東京電力は異常はないとしていますが(33)、トラブル続発の福島原発、(=^・^=)は心配です。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(9月2週)―安倍出戻り総理が世界に向かって「嘘」をつく-(2)
東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について|東京電力の9月15日、17日、19日分
(3)
気象庁 | 過去の気象データ検索(4)
(コメント)福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル開始について|TEPCOニュース|東京電力(5)
プルサーマル - Wikipedia(6)
ウラン核爆弾とプルトニウム核爆弾(7)
福島第一原子力発電所Bエリア南側の堰内の溜まり水の溢水について|東京電力(8)
2013年9月12日(汚染水対策検討WG第6回資料)汚染水貯留タンクからの漏えいについて(PDF 7.36MB) (9)
福島第一原子力発電所台風によるB排水路土のうの流出に関して(訂正版)(PDF 89.9KB (10)
福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果(南放水口・排水路)(PDF 53.6KB)PDF -ベータ分析―
(11)
福島第一原子力発電所における台風接近に伴う降雨の影響について(続報2)|東京電力(12)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の雨水排水―漏れた放射性セシウムは少なくとも1,500万ベクレル(13)
福島のニュース 福島テレビ(9月17日放送) - YouTube(14)
2013年9月17日福島第一原子力発電所 各タンクエリア堰内溜まり水の状況(訂正版)(PDF 474KB (15)
東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について平成25年9月18日(16)
福島第一原子力発電所 - Wikipedia(17)
放射性廃棄物の放出状況 (18)
2013年9月18日
福島第一原子力発電所1・2号機排気筒中腹部における鋼材(斜材)の破断の確認について(PDF 253KB (19)
東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所1・2号機排気筒中腹部における鋼材(斜材)の破断の確認について(20)
福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果(H4エリア周辺)(PDF 23.4KB) (21)
めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは放射性水素(22)
外洋に1日600億ベクレル放出 福島第1原発放水口から - 中国新聞(23)
福島のニュース 福島テレビ(9月20日放送) - YouTube(24)
めげ猫「タマ」の日記 福島原発補償金サギ3400万円-これって氷山の一角(25)
めげ猫「タマ」の日記 二本松・本宮市産のシイタケは高級品―福島原発事故補償単価は平均価格の倍近いキロ当たり2千円―(26)
福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れについて平成25年8月19日(27)
めげ猫「タマ」の日記 敷地が一杯福島第一原発―汚水は海に捨てるしか?(28)
2013年9月20日福島第一原子力発電所 各タンクエリア堰内溜まり水の状況(更新)(PDF 472KB)PDF (29)
2013年9月19日H4タンクエリア No.5タンクの解体状況について(PDF 55.2KB(30)
福島第一原子力発電所消火配管からの水漏れについて|東京電力(31)
福島第一原子力発電所消火配管からの水漏れについて(続報および訂正)|東京電力(32)
気象庁|地震情報(33)
平成25年9月20日地震情報(福島第一・福島第二原子力発電所関連)(続報2)|東京電力
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- 2013/09/20(金) 21:13:55|
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