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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月3週)―汚染食品に新たなキノコが仲間入り―


 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。9月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果をまとめてみました。お買いものの参考になればいいかなと思います。先週に続き先週に続きしっかり基準値超えが見つかっています(3)。
  ①検査数1,598件中15件の基準値超え(全体の1%)
  ②平均は、1キログラム当たり5.1ベクレル、最大460ベクレル(福島県産

ヤマメ)。
  ③基準超の食品が青森、岩手、福島、茨城、群馬、山梨
で見つかっています。
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   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(4)を参照
   ※3 野生キノコは、キハツタケ、ショウゲンジ、タマゴタケ、ハナイグチ(山梨県で基準超)およびサクラシメジ(青森県、福島県で基準超え)
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2013年9月3週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.セシウム汚染食品に新たなキノコが仲間入り
 いよいよ収穫の秋、山にキノコ狩りに行かれる方もいると思います。青森県鰺ヶ沢町と、福島県下郷町の野生キノコ(サクラシメジ)から基準値を超える放射性セシウムが初めて見つかりました。
 ①青森県鰺ヶ沢町
  青森県鰺ヶ沢町は日本海(青森県の西海岸)に面し、およそ 東西22km、南北40kmに及び総面積は342.99km2 (H20.10.1 現在の国土地理院発表)と県内で8番目の広さを有しています。北は日本海に臨み、南はクマゲラの生息地としてしられる世界自然遺産の白神山地を有し秋田県に隣接しています(6)。
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 ※(6)より引用
 図―2 青森県鰺ヶ沢町

 (=^・^=)が知る限り日本海に面した市町村でセシウム汚染食品が見つかったことはないような気がしますが、青森県鰺ヶ沢町の野生キノコ(サクラシメジ)から、基準値を超える
  1キログラム当たり150ベクレル
の放射性セシウムが見つかりました。同町の農産物は従前には34件実施されていますがすべてが「検出限界以下」で、野生キノコ(ナラタケ)も2012年10月に実施されていますが、「検出限界以下」でした。
 ②福島県下郷町
 福島県下郷町は、福島県会津地方の南部に位置し、周囲は那須山系などの山々に囲まれ、町のほぼ中央を南西から北東に阿賀川(大川)が貫流し、国指定天然記念物「塔のへつり」に代表される雄大な渓谷が形成されています。面積の約87%は森林に覆われる緑豊かな町です(7)。
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 図―3 福島県下郷町の位置

 福島県にあっても伊達市などの県北地域に比べ、放射性セシウム汚染程度は相当に低くなっています。でも、下郷町の野生キノコ(サクラシメジ)から、基準値を超える
  1キログラム当たり120ベクレル
の放射性セシウムが見つかりました。以下に下郷町の野生キノコの放射性セシウム濃度の推移を示します。
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 図―4 下郷町産野生キノコの放射性セシウム濃度推移

 これまで何回か検査されていますが、基準値を超えるものはありませんでした。サクラシメジも2011年9月に検査されており、この時は
  1キログラム当たり44ベクレル
で、現在の基準以下でした。

2.流通品と合わない千葉県産シイタケの検査結果
 9月20日発表(8)の国立医薬品食品衛生研究所の検査結果によると、千葉県産の原木栽培のシイタケ(流通品)から1キログラム当たり
 35、51、93ベクレル
の放射性セシウムが見つかりました。8月、9月に千葉県が発表した千葉県産の原木栽培のシイタケ(非流通品)から1キログラム当たり
  4.9、1.9、1.8ベクレル
ですので、まったく値が合いません。どちらかがおかしいか、共におかしいか?ここまで合わないと検査結果そのものが信用できません。

3.トマトは検査しても桃を検査しない福島県
 夏も終わりです。夏を代表する果物に桃が、野菜には夏トマトがあります。福島県は年間25,200トン(2012年)の桃と、19,200トン(2012年)の夏トマトを出荷しています(9)(10)。福島県の桃は、福島県北部の福島市、伊達市、国見町、桑折町が主産地です。一方、トマトは南会津町、矢吹町、白河市、郡山市などが主産地でず。
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 (a)桃                             (b)トマト
 ※(9)(10)より作成
 図―5 市町村別の出荷量(2006年)
以下に桃とトマトの主産地の位置を示します。
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 図ー6 福島県の桃とトマトの生産地



 桃は、福島県北部で作られていますがここは避難区域を除くと福島県内でも放射性物質汚染の酷い場所だと思います。特に伊達市は福島原発の避難区域に隣接し、市内にはいくつもの特定避難勧奨地点が点在します。人が住んでいるとろでは最もセシウム汚染のひどい場所だと(=^・^=)は思います(11)。
 トマトの生産量第一位は南会津町ですが、それ程の放射性物質汚染はありません。以下に今年(2013年)の桃とトマトの検査数の集計結果を示します。
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  (a)桃                                (b)トマト
図ー7 桃とトマトの福島県の検査数

 生産量が多く、セシウム汚染地帯で作られている桃の方がセシウム汚染が少ない地域で作られるトマトより多く検査されていいはずですが、実際の検査価椅子は
 トマト 225回
 桃   120回
で、桃の検査数はトマトの半分程度です。
 あるいは伊達市と南会津町の検査を比べると
  放射性物質汚染の酷い伊達市産の桃
   生産量  8,510 トン
   検査回数 18回
  放射性物質汚染がそれ程でもない南会津町産のトマト
   生産量  2,370トン
   検査回数 28回
です。生産量が多く、セシウム汚染リスクの高い伊達市産の桃がセシウム汚染がないといっても問題なさそうな南会津町産トマトより検査数は10回低くなっています。
 福島県やマスコミは福島産品を検査されており「安心」「安全」としています(11)(12)。でも(=^・^=)には「安心」「安全」な限られた食材(たとえば南会津町産トマト)を集中的に検査して、検査結果から「安心」「安全」を主張しているようにしか思えません。


<余談>
 ・今も上がり続ける放射性セシウム濃度
 ・検査機関でまったく合わない検査結果
 ・汚染リスクの少ない物の検査に熱心な産地
 食品中の放射性セシウム検査の結果を見ていると(=^・^=)は「不安」になり「危険」を感じます。

―参考したサイト様および引用いた過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)福島県ホームページ - 組織別 - 公表日ごとのモニタリング検査結果
(3)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月2週) -福島県産お魚は基準超え
(4)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(5)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(6)鰺ヶ沢町の概要 | 青森県鰺ヶ沢町
(8)食品中の放射性物質の検査結果について(第731報) |報道発表資料|厚生労働省
(9)農林水産省/作況調査(果樹)中の市町村別データ 平成18年〔Excel:e-Stat〕
(10)農林水産省/作況調査(野菜)中の市町村別データ 平成23年〔Excel:e-Stat〕
(11)NHK・クローズアップ現代「最新報告 “汚染水クライシス”」/国際的な批判が高まっている、福島第一原発の「高濃度・放射能汚染水 流出問題」 – @動画
(12)県産食品の安全・安心を確保する取組み | ふくしま新発売。
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  1. 2013/09/21(土) 20:38:42|
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