今日(8/26)に管総理大臣が退陣を表明したとニュースで聞きました。管総理大臣は、なんだか福島第一原子力発電所で発生した問題の中で、大きな二つの忘れ物をしているような気がします、
忘れ物1 最終処分場
放射性物質は、人工的になくすことができません。自然になくなるのを待つしかありません。そのなくなる速さは、量が半分になるまでの時間、すなわち半減期で表します。セシウム134の半減期は約2年、セシウム137の半減期は約30年です。事故の後は、セシウム134と137の濃度(Bqで見て)ほほ同じでした。たとえば、福島第一原発近くの海水の3月31日の測定ではセシウム134、137共に12Bq/cm
3でした。2年後には、セシウム134は、半分になりますが、セシウム137は5%程度しか減りません。全体では27%程度しか減りません。ところで、福島県のすりかみ浄水場の汚泥では8月4日に約15,000Bq/Kg(1Kgから1秒当たり1万5千個の放射線が出る)が見つかっています(2)。再利用してよい100Bq/Kgになるは、200年近くかかる計算になります。このような長期の保管を、人が住む近くで思います。そこで、周りから隔離(人が入らないようにする)して、保管することが必要です。これが最終処分です。
放射性物質に汚染された、土や瓦礫などを保管しなければならいなのか?[猫」なりに調べてみました、
①浄水場など汚泥
放射性物質は浄水場だけでも、10万トン近い放射性汚泥が溜まっています(6)。ほとんどが浄水場等に保管されているみたいです。このまま放置すれば、浄水場は機能を停止し、断水が起こります。節電で「猫」も大変苦労しました。でも、「断水」よりははるかにましです、
②農地の除染で出た汚染土
安心、安全な農作物を作るには、セシウムに汚染されていない耕地が必要です。それには耕地の除染が必要だと思います。除染といっても、表面の放射性セシウムに汚染された土を取り除きどこか(最終処分場)に移すだけす。福島県には151,800haの耕地があります(3)。仮に半分の耕地で除染が必要だとします。750,000ha(7500、000、000m
3)の耕地で除染をする必要があります。仮に15cmの土を取り除くとすると、1,125,000m
3の土をどこかに移す必要があります。土の密度を2.6g/cm
3とすると、1m
3当たり2.6トン(5)の放射性廃棄物が出ます。全体では100万トン以上の1、125、000トンです。これも絶対に用意する必要があります。それなりの施設が必要です。でも、総理大臣からこの話が出たニュースをみたことがありません。
忘れ物2 来年の電気
今年はまだ原子力発電所が一部ですが動いていますが、来年はどうせしょうか?東北電力は「猫」なりには入手しやすい形で、データを公表しているような気がします。そこで、東北電力を例に考えます。
①東北電力の最大電力需
東北電力の昨年と今年の電力消費量をグラフにまとめてみました(データは(4)に「よる)。もし、節電がなく完全に復興し例年並みの電力需要が復活すれば、1600万Kwは必要になると思います。
②東北電力の来年の最大供給力
東北電力が用意できた電力量は1,210万Kwです(7)。この夏以降、来年までに公表されている発電所の増設計画は8万Kwです(8)原子力発電所が復活できなければ、1,286万Kwが限界です。
③来年は節電しても供給が消費を超える
この夏、東北電力が停電の回避できたのは、節電もありますが、原発事故や震災により電気を使う装置は使えなくなったこともあると思います。東北電力では、県別の電力消費量も出ています(9)。これを表にしてみました。

震災の被害が少ない秋田県や新潟県での消費電力は去年の86%程度です。来年の夏には、それなりに復興すると思いますし、いただきたいと思います。そしたら秋田、新潟県以外も節電しても去年比で86%程度にはなると思います。その時のピーク電力は、昨年のピーク電力1557万Kw×0.86≒1340Kwで、来年の夏に供給できる1218万Kwを超えています。
④原子力発電所は復活できるの?
原子力発電所が復活すれば、③の問題はクリアできます。最近のニュースを見ると、福島第一原子力発電所の津波想定が甘いので、放射性物質漏れ事故が起こったとの論調もあると思います。東北電力は女川原発では、今回起こったとほほ同じ津波想定をしています(10)。
(1)
添付資料1:海水核種分析結果(3月31日分)(2)
すりかみ浄水場 浄水ケーキの放射性物質測定結果について(第5報)(3)
PDF] - 18 - (3)農地 ア 耕地面積 平成 19 年 7 月 15 日現在の ... - 福島県(4)
過去実績データのダウンロード.(5)
今夏における当社供給力の見通しについてトップページ東北電力でんき予報過去実績データのダウンロード.(6)
放射性汚染された浄水場汚泥9万2000トン、下水汚泥、焼却スラグ2万7000トンの処分先がない(7)
今夏女川原子力発電所における 津波に対する安全評価と防災対策女川原子力発電所における 津波に対する安全評価と防災対策における当社供給力の見通しについて
(8)
大容量「NAS電池」の設置について~今冬の供給力対策として国内最大規模のNAS電池を設置~(9)
トップページ東北電力でんき予報支店別最大電力実績.(10)
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- 2011/08/27(土) 00:16:42|
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