東京電力の発表によると10月20日に雨の為に汚染水タンクを囲む「堰」が溢れたそうです(1)。その「堰」の中には従前の測定で、1リットル当たり29,000ベクレルの放射性物質(全ベータ)が見つかっています(2)。

※(1)(2)より作成
※ 全ベータは概ねストロンチウム90由来の放射性物質(3)
※ 放射性セシウムは見つからず(測定限界未満か測定ぜす)(2)
図―1 10月20日に汚染水があるれた堰と従前の測定の全ベータ濃度
さらに港湾外から1リットル当たり1.4ベクレルの放射性セシウムが見つかったとの発表がありました(4)。全ベータは見つかっていないそうですが、検出限界は1リットル当たり15ベクレルです(4)。

※1 (4)とGoogle Mapで作成
※2 赤
□は概ね図―1の範囲
図―2 海水から放射性セシウムが見つかった地点
安倍出戻り総理は「港湾内の0.3平方キロメートル内にブロックされている。」と言ったばかりですが(5)ですが、確り港湾外から見つかっています。
それより心配なのが、ストロンチウム90です。1リットル当たり15ベクレル以下とは思いますが、相当に高い値だと思います。仮に1リットル当たり7ベクレルとすると、そこに住むシラスをシラス干しにしたら(=^・^=)の試算では
1キログラム当たり91ベクレル
との計算になりました。福島のお魚が心配です。
なお試算過程は以下の通りです。
ストロンチウムはカルシウムと似た性質をもっています(6)。海水中には0.04%のカルシウムが含まれています(7)。一方、シラス干しには100g当たり0.52g(0.52%)のカルシウムが含まれています(8)。13倍
ですので、シラス干しからは1キログラム当たり
91ベクレル(13×7ベクレル)
含まれている計算になります。厚生労働省は原発事故に起因する海水中のセシウムとストロンチウムの濃度は10:1程度と想定しています(9)。放射性セシウムの基準値は100ベクレルです(9)ので、ストロンチウム90の基準値はある意味では1キログラム当たり10ベクレルです。立派なストロンチウム90汚染魚が出来上がります。福島県の発表(9)を見る限りストロンチウム90の検査はありません。
<余談>
福島第一原発の堰内の水では以下のトラブルが起こっています。
9月15日:今回と同じように堰から汚染水を溢れ出さす(11)。
9月17日:堰内の「水」を水を放射性セシウム濃度を測らずに外にだしました(12)
10月 1日:堰内の汚染水の移送先を間違えタンクから汚染水を漏らす(13)
10月 2日:傾いたタンクに堰内の水を送り、タンクから汚染水を漏らす(13)
10月16日:堰内の「水」を緊急時の処置として直接流したり、問題があると地下貯水槽に移した(14)。
そして10月20日です。
ここまで来ると東電は最低限でも「できない事」を「できる」言った責任があると思います。東電も含め誰もできない事があります。増え続ける汚染水を貯める続けることです。でも、(=^・^=)は「できない」と聞いた事がありません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
福島第一原子力発電所タンクエリア堰内からの溢水について|東京電力(2)
2013年10月18日台風26号接近に伴う福島第一原子力発電所タンクエリア毎の対応状況(10月18日版)(PDF 300KB(3)
めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質 (4)
2013年10月20日福島第一原子力発電所構内H4エリア、Bエリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果(南放水口・排水路)(PDF 131KB) (5)
時事ドットコム:安倍首相「コントロールされている」=原発汚染水で重ねて強調(6)
ストロンチウム - Wikipedia(7)
海水 - Wikipedia(8)
五訂増補日本食品標準成分表 [第2章]のNo10
(9)
本県水産物に係る放射能関係情報(平成25年10月17日現在)(10)
本県水産物に係る放射能関係情報(平成25年10月17日現在)(11)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(9月3週)―福島第一原発から湯気が3回-(12)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の雨水排水―漏れた放射性セシウムは少なくとも1,500万ベクレル(13)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(10月1週)―汚水漏れが大盛況―(14)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(10月3週)―井戸から40万、排水溝から3万4千ベクレル/lの全ベータ-
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- 2013/10/20(日) 20:51:41|
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