10月20日に記事で、過去に1リットル当たり29,000ベクレルの放射性物質が観測されたタンクを囲む堰から「水」が溢れたとの記事を書きました(1)。その後の東電の発表(2)では23の堰のうち11の堰から雨水が溢れ、そのうち6つの堰から基準の1リットル当たり10ベクレル(3)を超える放射性セシウムが見つかったそうです(1)。

※東電の発表(2)(4)(5)とGoogle mapで作成
図―1 10月20日に「雨水」が溢れた「堰」と基準を超えた「堰」
(=^・^=)には不思議なことがありました。10月6日に1リットル当たり29,000ベクレルの全ベータ(概ねストロングチウム90由来)が見つかった堰のストロングチウム90の濃度が1リットル当たり710ベクレルに大幅にダウンです。(=^・^=)なりに調べたら、溢れた後の雨で十分に薄まった後にサンプリングしたためこのような低い値が出たとの結論になりました。東電は基準値の71倍の値を発表してますが実際はもっと大きいはずです。実際に排水溝のサンプリングポイントの全ベータ値が跳ね上げっています。

※(8)中の「福島第一原子力発電所構内H4エリア、Bエリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果(南放水口・排水路)」を集計
図―2 排水溝海側(海岸から150m)の放射性物質濃度推移
この堰(H2南)の履歴について(=^・^=)なりに追いかけると以下の通りなります。
2013年10月6日:このエリアの溜り水から、1リットル当たり29,000ベクレルの全ベータで汚染されていた(2)。
2013年10月 1日:このエリア(H2南)に別の堰内の溜り水を移送しようたしがた、小型のタンクに誤って送ってしまいタンクから汚染水が溢れた(6)。
2013年10月 6日:1リットル当たり29,000ベクレルの全ベータに汚染されていた(4)。汚染の原因は?
2013年10月15日:雨のため汚染水が溜り溢れそうになり、堰の水をタンクに移す(4)。
2013年10月20日
午前10時半過ぎ:雨が降り始める(7)。
16時20分 :堰から汚水が溢れだす(7)。この時点の累積降雨量は61mm
この間に汚染水の移送や汲み上げを実施(5)
20時00分 :サンプリングを実施、1リットル当たり710ベクレルのストロンチウム90を検出。この時点の累積降雨量は100.5mm
となりました。なお降雨量は「浪江」のデータを使用しています。
すなわち溢れたあとに大急ぎで、汚染水を汲み上げその後も雨は降り続けたので、堰の中の汚水が薄まり実際より低い値が出たゆうのが(=^・^=)の結論です。
値は分かりませんが実際は東京電力の発表以上に濃度の高い汚染水が流れ出たと思います。福島のお魚は大丈夫でしょうか?(=^・^=)は福島県のお魚のストロングチウム90の検査結果を知りません。
<余談>
以下に累積降水量とサンプリング時間での東電の測定結果を示します。

(a)サンプリング時間とストロングチウム9濃度 (b)積算降雨量
※1 (a)図は(2)を元に作成
※2 (b)図は気象庁のデータ(7)中の「浪江」で作成
図―3 サンプリング時間と濃度および累積降雨量
可笑しなことに雨水が増え薄くていいはずの遅い時間のサンプリングでのデータの方が高くなっています。低そうな順にサンプリングしたのは間違いありませんので、何らかの意図が働いたと思います。それが何かは(=^・^=)には分かりません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の「堰」から汚水漏れ―福島のお魚は大丈夫?(2)
2013年10月21日<訂正版>10月20日の大雨に伴う福島第一原子力発電所タンクエリア毎の対応状況(速報)(PDF 69.5KB) (3)
2013年10月15日(汚染水対策検討WG第8回追加資料)暫定排水基準値について(PDF 99KB) (4)
2013年10月18日台風26号接近に伴う福島第一原子力発電所タンクエリア毎の対応状況(10月18日版)(PDF 300KB (5)
2013年10月21日福島第一原子力発電所構内H4エリア、Bエリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果(南放水口・排水路)(PDF 130KB)PDF(6)
福島第一原子力発電所 H5エリア東側のH6エリア用ノッチタンクからの溢水について(7)
気象庁 | 過去の気象データ検索(8)
報道配布資料|東京電力
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- 2013/10/21(月) 21:30:37|
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