原子力規制委の「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム
」の報告書案が11月11日に公開されました(1)。これをみると
「長期目標として、個人が受ける追加被ばく線量が年1ミリシーベルト以下になるうよう目指す」
は書いていますが、帰還直後の放射性線量率には記載がありませんでした。期限を定めない「長期目標」などはいつ実現されるか担保ないので、国が定めた当面の基準である
年間20ミリシーベルト(1)
が実質的な基準になります。そこで今(2013年11月)に国の基準と同じ年間20mSvに帰還したら、どれだけ被ばくするか(=^・^=)なりに計算してみました。
帰還後9年で106ミリシーベルト
帰還後24年で203ミリシーベルト
帰還後48年で302ミリシーベルト
です。
「放射線による被ばくがおよそ100シーベルトを超える場合には、がん罹患率や死亡率の上昇が線量の増加に伴って観測されている。」(1)そうです。だから、年間20ミリシーベルトの場所に戻れは9年後には「死人」が出ると思います。以下に、経過年数と被ばく線量(=^・^=)の計算結果を示しめします。

図―1 年間20ミリシーベルトの場所での積算の被ばく線量と経過年数
福島の放射線の原因となっているのはセシウム134や137だと思います。半減期(量が半分になる時間)はセシウム134が2.06年で、137が20.2年ですので(2)、セシウム134は早く(セシウム137に比べ)無くなると思います。実際に事故直後はセシウム134と137の比率は1;1程度でしたが、2013年10月頃には0.45:1までになっています。

図―2 食品中の放射性セシウムの比率
事故の直後はセシウム134も137も減衰しますが、時間が経過するとセシウム134は少なくなり、なかなな無くならないセシウム137が多く残り放射線量が下がらなくなります。将来的な被ばく量は同じ空間線量率でも事故直後と現在(2013年11月)では大きく違います。事故後と同じ基準のままにしておく安倍出戻り内閣は無責任だと思います。
<余談>
計算方法は以下の通りです。理科系の大学初級程度の数学の知識があることを前提に記載しますので、必要なら読み飛ばしてください。また、わからないことがあれば書き込みをお願いします。
①セシウム134と137の比率は図ー2に示すように0.45:1です。1㎡に100万ベクレルの放射性物質があるとすると、
セシウム134では5.4μSv
セシウム137では2.1μSv
になります(2)。福島の由来の割合は
セシウム134 2.43(0.45×5.4)
セシウム137 2.1
になります。20mSvの被ばくをするとすると、この割合で案分すると
セシウム134から 10.73mSv
セシウム137から 9.27mSv
になります。
②t年後の放射線量f0(t)は1年当たりで、セシウム134の半減期が2.02ですので、
f0(t)=10.73×0.5
(t/2.02) =C0×exp(-λt)
になります。だたし
C0=10.73
λ0=ln(2)/2.02
です。積算線量F0(t)は0からの積分で
F0(t)=(C0/λ0){1-exp(-λ0t)}
になります。同じくセシウム137由来の積算線量F1(t)は
F1(t)=(C1/λ1){1-exp(-λ1t)}
になります。だたし
C1=9.27
λ1=ln(2)/30.2
です。
③合計すればt年後の積算線量がでます。
訳の分からない数式を書いてすいません。でも必要なんです。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
第4回帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム|会議|原子力規制委員会中の資料1-2
(2)
空間線量率の計算(3)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/
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- 2013/11/13(水) 21:26:02|
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