2013年12月1日21時からのNHKの番組を見ていたら
①原発の外の海水からは国の基準をうわまる濃度の放射性物質は検出されなくなりました。
②福島第一原発1号機はメルトダウン(実際はメルトスール)
③トレンチ(地下トンネル)だけから漏れる地下水
などの、嘘報道を流していました。
1.原発の外の海水は国の基準以下
この番組で開始後の0:19:50頃「原発の外の海水からは国の基準をうわまる濃度の放射性物質は検出されなくなりました。」にアナウンスしていました。でも、外洋から国の定めた「海水浴場の基準」の1リットル当たり10ベクレルを超える11.6ベクレルの放射性セシウムが、福島第一原発付近の外洋から見つかっています。

※(1)の図に加筆
図―1 福島第一原発付近の外洋での放射性セシウム濃度推移
水の放射性物質には以下のような基準があります。
表1― 水のセシウムの基準値
※(1)より引用
※「告示限度」は「周辺監視区域の外側の境界における水中の放射性物質の濃度が定められている。」(2)

このうち当該の番組では、「告示限度」を「国の基準」のように放送しています。

※ 当該番組の開始後19:56後をキャプチャー
図―2 NHKが「国の基準」として放送した画面
これは1リットル当たり90ベクレルを採用しています。でもこの値は「境界付近」の値で、「境界」はら離れれば別の基準が適応されます。表―1に示す項目から、探すとすると「海水浴場」の基準の1リットル当たり10ベクレルが対象になります。
基準値を曲解し、基準値以下と放送するNHKの嘘報道です。
2.福島第一原発1号機はメルトダウン
この番組ではNHKは1号機が「メルトダウンした原発」と表現しています。でも実際はメルトスルーです(3)。この番組で放送された1号機の様子と東京電力が発表した1号機の様子を示します。

(a)NHKの放送 (b)東京電力の発表
※(b)図は(3)より引用
図―3 福島第一原発1号機のNHKの放送画面と東京電力の発表(解析結果)
NHKの放送画面では、溶け落ちた核燃料はほぼ「圧力容器」内に留まっていますが、東京電力の発表(解析結果)では、溶け落た燃料は格納容器を突き破り、格納容器底部のコンクリートを溶かし、溜まっています。NHKの嘘報道です。
3.汚水漏れはトレンチ(地下トンネル)経由
この番組では汚水漏れを「その(汚染水)行先は、原子炉建屋、タービン建屋そして海側の配管やケーブルなどを入れるトレンチ」とし、原子炉やタービン建屋からの伸びるトレンチ(地下トンネル)経由としています。

図-4 トレンチ経由だけで漏れる地下水を報道するNHK
その論拠として現在では、原子炉・タービン建屋周りでは汚染水の水位は地下水位より低くコントロールされており、この場合はターピン建屋に穴が空いても、水圧で汚染水は外にでないような実験結果を示しています。

図―5 周囲の推移を高くした場合は、穴があいていても漏れないとの実験
さらに、原子炉やタービン建屋周りに汚染水があるのは原発事故直後に、汚染水の水位が地下水より高い時期があったためとしています。

図ー6 NHKが放送した汚染水推移と地下水位の経過
でもこの推論は一つの事実を無視しています。地下水位は一定でなく、山側は高く、海側は低くなっています。

※(4)(5)より作成
図ー7 福島第一原発の地下水位
もし、地下水位の低い場所と原子炉・タービン建屋が繋がっていたらそこから汚染水漏れを起こします。

これは(=^・^=)の想像ですが、そうではないかと思わせるデータもあります。東京電力は原子炉・タービン建屋と海の間に幾つかの井戸やウエルポイントを設置して水の放射性物質濃度を測定しています。以下に井戸No1-16とウェルポイント(位置は図ー7参照)でのトリチウム(放射性水素(6))の濃度を示します。

※(5)等で作成
図―9 No1-16井戸とウエルポイントのトリチウム濃度推移
トリチウムは放射線を出す以外はほぼ水と同じ性状です。NHKが主張するように、タービン建屋からトレンチ(地下トンネル)を経由して順次流れていくなら、タービン建屋に近いNo1-16の方が高い濃度でなくてはありません。(=^・^=)はむしろ、建屋の海岸がトレンチをバイパスして直接に繋がっていると考えた方がいいような気がします。
少なくとも、現時点ではトレンチ経由でしか漏れていないとは言えない状態だと思います。もしトレンチ経由で漏れているなら、塞ぐだけで対策がとれるので、比較的対策が容易なのは事実ですが
4.汚染水の増加は1日400トン
この番組でNHKは
「(汚染水の)一日の増加分は400トン」
とアナウンスしていました。でも11月以降の汚染水の増加量を東京電力の発表から集計したら1日当たり600トン以上でした。

※(7)中の「
福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第126報) 」を集計
図ー10 福島第一原発の汚染水量の推移
8月中洵以降
①海岸側に遮水壁を作り溜まった汚染水の汲み上げ
②タンクを囲む「堰」の弁を閉じ、溜まった雨水のうち汚染されているものは汚染水とて保管する
③福島第一原発構内の排水溝に溜まった水のうち高濃度の汚染水を汲み上げる
ことが開始され、これまで以上に汚染水源が増えたためです(8)。でのそれ以前の1日400トンとゆう小さい値で嘘報道をNHKはをしています。
5.1号機建屋の汚染水は1万トン
「(1号機の建屋には)汚染水が1万トン溜まっています。」とも放送していましたが、東京電力の発表では11月26日現在で1万3700トン(9)です。なんか、小さい数字で嘘報道してる感じです。
<余談>
他にも多数の嘘報道が組み込まれていましたが、記事がながくなるので割愛しました。この番組は二つのシーンで象徴されている気がしました。一つは「専門家」とNHKが呼ぶ方は、原子力村の住人でした。

図―11 専門家として放送された「エネルギー総合工学研究所」の方
エネルギー総合工学研究所は、原子力政策を推進してきた通産省によって設立され、現在の理事長は前職は電力中央研究所の理事長です(10)。ガチガチの原子力村です。
そして冒頭に、分析担当の女性が登場します。

図―12 番組冒頭に放送された分析担当らしき女性
福島第一原発には女子ロッカーがないので(11)、女性は働いていないと思います。勤務先は後で福島原発以外で放送されいるのですが、シーンに(=^・^=)は違和感を感じました。ソフトムード狙いですかね・・
NHKは過去にもたくさんの嘘報道(12)~(24)を流しています。でも(=^・^=)はTVを持っているとの理由だけで受信料との名目のカツアゲにあってます。NHKには存在意義はありません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発近くの「外洋」から基準超えのセシウム(2)
旧組織からの情報-原子力安全・保安院 > 告示濃度限度|原子力規制委員会(3)
[PDF]東京電力 福島第一原子力発電所 1~3号機の炉心損傷状況の推定(4)
【資料2】汚染水問題に関する各対策の実施状況(1.27MB)PDF (5)
2013年11月22日タービン建屋東側における地下水および海水中の放射性物質濃度の状況等について (6)
めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは放射性水素(7)
プレスリリース|東京電力(8)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の汚染水は一週間で7千トン増―東電想定の倍以上―(9)
福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第127報)|東京電力(10)
一般財団法人エネルギー総合工学研究所:財団についての概要と沿革(11)
福島第一原子力発電所の現場公開について|東京電力(12)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―福島産あんぽ柿は問題ない!(13)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―福島県産米は国よりもさらに厳しい基準(14)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-汚染水漏れの影響はなく福島の魚は安全!(15)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月1週)(16)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-福島県沖の魚介類からは放射性物質は見つからない(17)
めげ猫「タマ」の日記 NHK嘘報道-福島汚水漏れで放射線の放射線量は100ミリシーベルト/時 実際は高すぎて測れない(18)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-双葉町の住民は7,000人、でも実際は6,256人(19)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道-岡山は福島と並ぶモモの産地、生産量は3割(20)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道 -ロボットがいるから原発は大丈夫―(21)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道?-福島第一原発の新装置は放射性物質が除去できる。-(22)
めげ猫「タマ」の日記 福島原発の嘘報道を繰り返すNHK!―福島第一原発独占取材は東電のPR?―(23)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―福島第一原発貯水槽汚水漏れは3重の層を破った―(24)
めげ猫「タマ」の日記 NHK嘘報道―福島第一原発で漏れた水は1万ベクレル/cc、でも実際は29万ベクレル/ccー2013年12月3日追記-
下記に当該の番組がアップされていました。
汚染水 ~福島第一原発 危機の真相~/NHKスペシャル – @動画
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- 2013/12/02(月) 20:47:56|
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