9日から15日)の状況をまとめてみます。
①海側井戸から1リットル当たり180万ベクレルの全ベータ
②雨が降ると濃度が上がる排水路の汚染水
③汲み上げを休むと、濃度が上がる汚水漏れタンク傍の井戸水
なんてことがありました。
1.海側井戸で180万ベクレル
東京電力が福島第一原発の海側に掘った観測用の井戸の水から1リットル当たり130万ベクレルのストロンチウム90などに由来する放射性物質(全ベータ(1))が見つかりました(2)。以下に当該の井戸の全ベータの推移を示します。

(a)濃度の推移 (b)井戸の位置
※1 (a)図は(2)(3)より作成
※2 (b)図は(4)より引用
図―2 福島第一原発の高濃度の全ベータに汚染さら水が見つかった濃度の推移と位置
海の傍の井戸で今も濃度が上昇中で感じです。
2.雨が降ると上昇する排水路の放射性物質濃度
12月10日に福島第一原発北8kmのアメダス観測点「浪江」で1mmの雨が観測されました(5)。そしたらそれまで福島第一原発の排水路のC-2地点で、それまで見つからなかった全ベータがみつかるようになりました(7)。以下にC-2地点の全ベータ濃度と位置を示します。

(a)C-2地点の全ベータ濃度と降水量 (b)C-2地点
※1 (a)図は(5)(7)より作成
※2(b)図は(8)より転載
図ー2 排水路C-2地点の全ベータ濃度と位置および降水量
なんか雨が降る度に上がっているみたいです。多分、雨が降ると敷地に残っている放射性物質が排水路に流れ、濃度が上昇すると思います。今は太平洋側は雨が少ない季節ですが、春になり雨が降るようになればもっと高い値がでるようになると思います。
排水路は他にもあります。

※(9)とGoogle Mapから作成
図ー3 福島第一原発敷地内排水路
3.汲み上げを休むと、濃度が上がる汚水漏れタンク傍の井戸水
図ー2(b)に示すE-1井戸の傍のタンクから過去に汚水漏れを起こしていますが、E-1井戸からも高い濃度の放射性物質が見つかっています(8)。そこで、井戸の周りに地下水を汲み上げるウエルポイントを設置し、11月26日から12月2日に汲み上げを実施しました(10)。汲み上げをしている間は放射性物質濃度は下がったのですが、止めたら再び上昇しました。そこで12月10日から再び汲み上げを再開しました(11)。そしたら確り下がったみたいです。

(a)放射性物質濃度の汲み上げタイミング (b)位置関係
※(10)(11)(12)およびgoogle Mapより作成
図ー3 E-1の汲み上げによる効果
地下水の放射性物質濃度は下がりますが、汚染水の総量は増えます。この先とうするのは、(=^・^=)は心配です。
4.港湾外からセシウム
福島第一原発の港湾の外にある5、6号機放水口北側で12月9日に採取した海水から1リットルあたり
1.8ベクレル
のセシウム137が見つかりました(2)。
<余談>
いままで福島第一原発のトラブル報告に汚染水も含めていたのですが、福島第一原発のトラブルが多く記事が長くなってしまうので、汚染水を独立させる事にしました。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(2)
福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果(3)
2013年12月13日タービン建屋東側における地下水および海水中の放射性物質濃度の状況等について(PDF 1.08MB) (4)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(9月1週)―今週も湯気-(5)
気象庁 | 過去の気象データ検索(6)
報道配布資料|東京電力(7)(6)中の「福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果(南放水口・排水路) 」を集計
(8)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(11月2週)―今週も湯気-(9)
2013年12月13日福島第一原子力発電所構内排水路の状況について(PDF 2.01MB) (10)
2013年12月3日東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について 【午後3時現在】 (11)
2013年12月10日東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について 【午後3時現在】(12)(6)中の「福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果 (H4エリア周辺)」を集計
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- 2013/12/15(日) 20:27:18|
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